[月別過去ログ] 2007年11月
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■ TEMPOのつぎはなんですかね
(過去日記10/10)
いよいよ明日が研究会です。んで、科研費申請書書きとかしたり。泣きそう。
それとは関係ないんだけど、いま実験にはTEMPOを使ってます。フリーズすることもないし、プログラムを作るのとかもいったんマスターしてしまえばとくに問題はないのだけれど、高い。
あと、ディスプレー関係は弱い。いまどき1024*768あたりまでしか対応してないし、ボードとかの依存性があったりして、もうひとつ新しいシステムを作ったときはけっこう苦労させられた。心臓部はいまでもDOSなんでいろいろ限界に来てるんですよね。
あと、刺激提示に関してはサンプルプログラムが少々あるぐらいで、contrastいじったり、ガンマ比調整したりとかpsychophysicsをやるのには向いてないかんじです。
というわけでつぎシステムを構築するとしたらなにかなあと思うんですが、ひとつはpresentationですかね。fMRIやMEGのではこれの人が多いですよね。電気生理でどのくらい使えるか知りたい。
45日間試用可能で、一年のライセンスが240ドル(code activationにて)。
ググってみたらいくつか資料を見つけました。
せりか式
presentation入門(ATR脳活動イメージングセンタ)(PDF)
オンラインでタスクを分岐させることも出来るようだし、データをどこに貯めるかだけ考えれば問題ないような気がします。電気生理の方のシステムをどうするかによるのですが。
ヒト実験との連携を考えて、MATLAB + psychophysics toolboxということを考えていて、こちらもちょこちょこいじっては挫折してたのだけど、ASCONEの準備で光明を得ました。このへんについてはまた。
どうあれ、けっきょくは電気生理側の測定系との絡み次第なのですが、いまどきはなにがいいんですかね。
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というエントリを作ったまま放置してたので貼っておきます。Presentationでは電気生理データは追従できないですかね? あと眼球運動によって課題が分岐できる(たんに正しく見ていれば刺激が消えて報酬が出るとかだけど)かどうかがクリティカルなのですが。
2007年11月28日
■ 固定リンクhit数ランキング
このブログもいろいろ続けていたら過去ログがたまってきました。もはや自分でも何を書いたかわからなくなってきていて、確認のために検索窓から自分のブログを検索してたりします。そういうわけでたまった過去ログの有効活用を考えているのですが、まずどのエントリがよく閲覧されているかを調べてみました。
ここ最近一年間の固定リンクファイルへのhit数を計算して、多い順に左から並べた図を作りました。エントリ数は全部で1128個あるので横軸の最大値は1128です。上の段がlinear scaleで、下の段が横軸をlog scaleにしてあります。予想通り、power law的になっていて、少数のエントリが多くのhit数を稼いでいます。
このようなエントリにはどういうのがあるかというとじつは、vmwareでubuntu動かした、とかXAMPPでmovable typeをローカルに動かす、とかそういうエントリだったりします。そういうのを見に来た人はこのブログの論文コメントを読んでくれることはないでしょう。そういうわけで、そういうエントリは除いて、「論文コメント」と言えるようなエントリだけを選んでベスト20を作ると以下のリストが出来ます。
- 前頭葉ニューロンは行動の順序をカテゴリー別にコードしている
- Repeating Sequence Revisited
- Implicit perception and signal detection theory
- BMIと脳の可塑性
- "Neural Plasticity and Consciousness"前半読みました
- Christof Koch
- Alva NoeとかEvan Thompsonとか。
- ランダムドット刺激のcoherenceってどのくらい保証されてるの?
- EyeLinkってどうなんですかね
- マッカロー効果
- 身体性と不変項:一人称的世界と三人称的世界
- Ideal observerモデルとHeegerのprediction
- 神経生理必読文献リスト作ってみました
- 内部モデルとミラーニューロン
- 視床が自発的行動に関わっている?
- Blindsightでの弁別能は刺激提示の繰り返しによって向上する
- 「行動の価値」を表す線条体ニューロン
- Rational agency、それからMilner and Goodale
- extracellularで記録されるsingle-unitの波形
- Perirhinal cortex(嗅周皮質)の構造と機能
だいたい納得のいく結果かなと思います。前頭葉ニューロンは行動の順序をカテゴリー別にコードしているは丹治研のNature論文へのコメントで、ブクマ数も最大です(9個だけどネ)。つぎのRepeating Sequence RevisitedはガヤのScience論文関連。
このランキングはあくまで個々のエントリの固定リンクへのhit数によるものなので、カテゴリアーカイブへのhit数は入ってません。そちらの寄与も大きいはずなのでうまいこと定量化してみたいのですが、今回は簡単なやり方で。Googleにひっかかるものもカテゴリアーカイブによるものが多くあるはずです。
それから、リストは全体として新しいエントリが中心で、昨年以前のエントリがあまり活用されていない様子が見えます。このへんをうまく活用したい、というわけです。たとえば、エントリごとに「関連するエントリ」みたいなリンクを付けておくと親切なんですが、ちょっと大変すぎます。とりあえずは今回のリストをサイドバーに入れておくことにします。
2007年11月23日
■ Scholarpedia
調べものでwebを探していたら、Scholarpediaがいつのまにかたいへん充実しているのを発見しました。
書き上がったもののリスト(All articles)のところからいくつか探してみると、偉い先生がcuratorをやってたりします。以下に気づいたところをリスト。リストでは著者をはしょったりしてます。あと、まだレビュー中のものもあります。
- Amygdala by Joseph E. LeDoux
- Reward by Wolfram Schultz。Figure 1が例によって「当店の人気盛り込み」だったんで笑った。
- Reward Signals by Wolfram Schultz
- Mirror Neurons by Giacomo Rizzolatti
- Habenula by Okihide Hikosaka
- Cortical Memory by Joaquin M. Fuster
- Blindsight by Larry Weiskrantz
- Consciousness by Bernard J Baars
- Functional Imaging by Karl J. Friston
- Functional Magnetic Resonance Imaging by Seiji Ogawa
- Chaos in neurons by Kazuyuki Aihara。レビュー中。レビューの文章を見てると面白いです。
- Synesthesia by Vilayanur S. Ramachandran
- Binding by Synchrony by Wolf Singer
- Introspection by Morten Overgaard
私が知ってる若い人も書いてます。
- Visual Salience by Laurent Itti。Saliency mapの方はべつにエントリができているのでした:Saliency Map by Ernst Niebur
- Awareness of Intention by Hawkan Lau
- Attention and Consciousness by Naotsugu Tsuchiya。レビュー中ですが、レビュー形式に後述の(3) wiki-style peer-review processを選択してます。
ちなみにレビュー形式はいろいろ選べるようになっているようです。いまのところ3パターン見つけました。(1) "old-fashioned peer-review process: all comments should be put into the 'reviews' part of the article" (2) "mixed-mode peer-review process: minor changes in the article, major suggestions in the 'reviews' part" (3) "wiki-style peer-review process: reviewers are encouraged to modify the article directly"です。
さらにまだこれからできる項目も含んだリストを見ると、どんどん大きくなっていくだろうことが予想できます。これは良くなるのではないでしょうか。現状はまだ記事ができあがってきたという段階で、更新やレビューなどが活発になるところでまではきてないようですが。
たしか元々wikipediaはレフェリー付きでやったらうまく広がらなくて、だれもが編集できることによって爆発的に広がったという経緯があったはずですが、アカデミックな話題に関してはscholarpediaのようにやったほうがうまくいきそうに思います。ともあれ、このような形でフリーな記事ができるということは素晴らしいことです。ライセンス形態はちょっとよくわからんですが。
2007年11月19日
■ 父と娘の会話
ある日のこと。
娘:ピンクは?
父:わからん。
娘:のぞみ。
娘:青は?
父:わからん。
娘:かれん。キュアアクア。
父:緑は?
娘:まこと。
(中略)
娘:じゃあピンクは?
父:のぞみ。キュアドリーム。
娘:青は?
父:かれん。キュアアクア。緑はまこと。えーと、
娘:キュアミント。
父:そうだった。キュアミント。
(中略)
娘:ぜんぶできるようになったね。じゃあこんどは順番を変えて。黄色は?
父:うらら。キュアレモネード。
(中略)
父:ぜんぶできた!でも明日になったら忘れてるかも。
娘:じゃあまたあしたやろう。
つぎの日とつぜんに。
娘:赤は?
父:りん。キュアルージュ。
娘:緑は?
父:まこと。キュア、うーんと、キュアミント!
(中略)
父:ぜんぶできた!やった!ママ聞いてた?
またつぎの日とつぜんに。
娘:青は?
父:かれん。キュアアクア。
娘:緑は?
父:まこと。キュアミント。
(中略)
父:ぜんぶできた!もう完璧。
ということで解放してもらえました。
# jaco-pas
先日の研究会でお世話になったものです。
その節は本当にありがとうございました。
かなり刺激になりました。
普段は雲の上の存在のpooneilさんが共通の試練に・・・。
ということで意味もなく絡んでみました。
こちらは映画館に拉致・監禁される気配です。
お気をつけて(^^;)
どうもこんにちは。
雲の上なんてことはべつにありえませんが、
娘と楽しくやっております。
このあいだは一緒にアイロンビーズ作りました。
こちらは映画館はまだ未体験です。それは大変そうだ。
ではまた。
すみません.どなたも指摘しないようなので.
研究会やNeuroでお見かけしたことはあるのですが,ネタがネタなので匿名でコメントいたします.
緑担当のキュアミントは「こまち」だと思います.
どうもありがとうございます。
確認しました、間違ってました(私も娘も)。
じつは我が家ではプリキュア5のアニメは見せていないので、そんなに詳しくなかったという次第でして。
皆さん、こういう話題だとレスポンスが早い。
2007年11月16日
■ 脊髄損傷からの機能回復には、回復時期ごとに違った脳部位が関与する
わたしが所属している生理学研究所・認知行動発達研究部門からついにhigh-quality journal paperが出ました。
Science 16 November 2007: Vol. 318. no. 5853, pp. 1150 - 1155 "Time-dependent central compensatory mechanisms of finger dexterity after spinal cord injury" Yukio Nishimura, Hirotaka Onoe, Yosuke Morichika, Sergei Perfiliev, Hideo Tsukada, Tadashi Isa
やってることはなにかというと、脊髄のC4-C5 segmentをtransectした動物での機能回復時に大脳皮質のどの部分が関わっているかを調べたところ、回復初期には同側のM1が、回復後に安定した状態では対側のpremotor cortexが関わっているということを示した、というものです。
この実験では大脳皮質から直接脊髄まで投射している経路だけを選択的にtransectionしています。つまり、partial lesionです。Transectされた以外の経路として、大脳皮質から脳幹、延髄などでいったん終止してそこから脊髄へ投射する経路がありますが、これらは正常に保たれています。よって、transection直後には指先を使ってつまむ動作(棒の先に付いたイモのブロックをスリットからつまんで食べる)が出来なくなりますが、訓練によって約一ヶ月程度で術前の成績に近くなります。(なお、手を伸ばす動作reachingに関しては大きく影響を受けることはありません。)
そういうわけで機能回復時には残っている脊髄への投射経路を使っていることはわかるわけですが、そこへの大脳皮質からの指令がどう変わっているか、これを調べたのです。PETを使って、[rewardの餌をスリットからつまんで食べる条件]から[control条件(棒の先についたrewardの餌を受動的に食べる)]の差分をとっています。よって、graspingとreachingの両方のactivationが寄与してます。PETですので、event-relatedではなくて、block designです。
術前のコントロールでは使っている手の対側のM1が活動します。手術後一ヶ月ではそれに加えて同側のM1が活動しています。手術後三ヶ月では同側のM1の活動は消えて、対側のPMの活動が見えてきます。この時期にはつまむ動作の成績はほぼ正常になっていますが、対側のPMにmuscimolを注入して一時的にその活動を抑制させると、また成績が悪くなります。術前の対側のPMにmuscimolを注入してもこのような効果はありません。
というかんじでいくつか手法を組み合わせてかなり堅い結論を持ってきているのがわかるかと思います。すばらしい。ここまでの苦労を傍目から見ておりましたので非常に感慨深いです。
「損傷後の機能回復に脳はどのように寄与しているのかを明らかにする」という意味において私が現在やっている仕事は同じ目的を共有しています。つまり意識の問題と基礎医学への寄与とを両方やってしまおう、というプロジェクトなのです。さあ、私もこれにつづいて行こう、というのが結論なのですが。
今回のScience論文の仕事はCRESTによるコラボレーションの産物です。じっさい、所属を見てもらうとわかりますが、生理研、浜松ホトニクス、理研、イエテボリ大学というかんじで並んでいます。
ちなみに先週のScienceでは理研の田中啓治先生のラボがOxfordのBuckleyと行ったWCST関連の仕事が掲載されています。日本のnhp studyがんばってます。こちらの仕事もコラボレーションの産物ですね。
Science 9 November 2007: Vol. 318. no. 5852, pp. 987 - 990 "Mnemonic Function of the Dorsolateral Prefrontal Cortex in Conflict-Induced Behavioral Adjustment" Farshad A. Mansouri, Mark J. Buckley, Keiji Tanaka
そういえば5年前くらいだったかBuckleyが日本に来ていくつかラボ回って話をしに来てましたが(前ラボにも来た)、そのあたりからこのプロジェクトが進んでたのでしょうね。
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- / 投稿日: 2007年11月16日
- / カテゴリー: [Papers_unclassified]
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2007年11月14日
■ GTDに興味出てきた……けど興味失せた
んで、携帯活用するようになったので、予定表もこれまでのThunderbirdのプラグインからGoogle calenderへ移行して、携帯と同期するようにしました。あと、昨年GTD (Getting Things Done)がブロゴスフィアで話題になったときから気になっていたのだけれど、ここらで実践してみようと。
んで最近気になっていたのがToDoリスト管理用webアプリケーションのRemember the milk。Google calenderと連携できるだけではなく、さいきんgoogle gearの機能でオフラインでも使えるようになりました。あとは携帯でもオフラインで使えるようになると完璧なのだけれどそれはまだみたい。というわけでさっそくRTMに登録。カレンダーに書く項目ではなくてToDoとして書いておきたい項目はこちらに入れてます。Google Calenderとどう連携して使っていくか試行錯誤中です。
あとはGTDの方法に従ってやるべきことを全部書き出してみるという作業をしたいところなのだけれどちょっと時間がないのでそれはASSCの飛行機でやることにして、教典の「仕事を成し遂げる技術―ストレスなく生産性を発揮する方法」デビッド・アレンを買おうかなと思ってアマゾン見たら訳がひどいとの評判を見たので止めて図書館で借りました。ま、ITmediaのGTD特集見れば充分そうだし。
GTDの方法論はすごく納得できる。あれもやらなきゃこれもやらなきゃでも今日はこれしかできなかった、みたいな惨め感をもっとうまく扱って集中して仕事できたらいいなと思います。現状は机の上が紙のメモだらけで堆積した下の方から忘れられていくという状態。さてどうなるか。
……というエントリをX01HTを買った6月に作っておいたのだけど、放置していたのを発見しましたのでこのへんで出しときます。今の心境としてはGTDはべつにいいや。ライフハックw みたいな。スイーツwとか(<-よけいなことを)。
2007年11月08日
■ SFNから帰ってきました
San Diegoから無事帰ってきました。いま成田から名古屋の接続待ちです。
ぶじ、体調も崩さずに発表も終えてきました。
到着した晩が神経科学者SNSのオフ会でした。そこでいろんな方とお話を。神経科学者SNSの活用法として、nhpの電気生理についてのノウハウの意見交換をclosedでやるのはどうだろう、とか熱弁を振るったり。
ネット関係では、Shuzoさんやしげさんとお会いして、局所回路ネットワークの解析にさいきん大きなブレークスルーがあったかどうか、というような話を聞きました。あと、ネットワークの動態の記述に局所的な要因で説明したり(Laurrentのバッタの話みたいに薬をかけて発火頻度は変えずにoscillationだけ変えるといったトリック)、localなpertuabationを加えることで説明したりする(海馬スライスのカオスの制御の話とか)のはネットワークの記述じゃなくて局在論へ戻ってるだけではないか、とか言ってみたり。でもそういう感じで「秘孔を突く」というのはネットワークのなんつーか特異点みたいなところをidentifyするということであって、それでいいのかも、とか考えたりとか、やっぱり熱弁。
なんか感化されて、Buzsakiの"Rhythms of the Brain"を買ってきました。ちなみにネットの各所でもレビューが出てます。金井良太さんのサイトのエントリ。わるねこさんのサイトのエントリ。ykenko1さんのサイトのエントリ。
いろんな人と会って、将来の計画を画策。論文出す方が先決なんですが、なんだかんだと生理研研究会とか神経科学大会シンポジウムとか招待口演とか計画練ってます。
発表の方は無事済みました。スライド、原稿の準備、しゃべりなど神経科学大会より向上したのではないかと思います。Pptのアニメーション機能で「アピール」機能使いまくり。全体的に詰め込み気味だったのですが、だいたい10分で話が終了。もっとゆっくりやっても良かったみたいです。
質問の方はダメダメ。二番目の質問で何言ってるかわからなくて言葉尻捉えて関係有りそうなことしゃべってから、"am I answering your question? "とか聞いたら、"No, but it's ok"とか言われてがっくり。あとでSchmid(後述)とかとしゃべっているときにその話題が出て、要するにlesionがperfectだったかどうか聞きたかったということらしい。もちろんそれに対する答えはあったのだけれど。というわけでやっぱり英語に関してはダメダメ。今年はとくに滞在が短かったということもあるけど、とくにダメだった気がします。ヤバイ。
セッションは"eye movement: physiology and behavior"を選びました。視覚のオーディエンスにも聞いてもらいたかったけど、上丘のニューロン活動に詳しい人に聞いてもらいたかったということでこちらを選択。Stefan EverlingとかBrian Corneilとかがすごく面白がってくれたので良かったのではないかと。あと、Alex Maierから話を聞いて聞きに来たNIMHのLeopold研のMichael Schmidがトークのあとでやってきて話をしましたが、かなり関係があることやってます。急がなくては。Stefan EvalingとかMichael Schmidには帰りにラボに寄って話をしないか、と言われたけど次の日帰らなくてはいけなかったので泣く泣くまた次回に、という話に。
あと、Vikingさんも見に来てくれて、少し話をしました。じつは今回が初めて。
Laurent Ittiとのコラボレーションの方の仕事もぶじ発表が終わって安心。LaurentはSFNははじめてかもしくは久しぶりだったらしく、あまりにスライドセッションが多すぎて、個々のセッションのスコープが狭くなってしまっているのを嘆いていました。どの口演に関しても質問があまり出ないし。たしかに彼が本拠としているVSSはconcurrent sessionがたった二つで、みんなが同じセッションを聞いているという一体感があります。これはASSCも同じですが。やっぱあんまり規模が大きくなるのはいいことないと思うんですけどね。
そんなこんなで無事帰ってきました。
# Shuzo
オフ会でお話できて良かったです。
ネットワーク関連の議論ですが、局在論というご指摘、確かにそうかもしれません。ただ、manipulateすべきものをidentifyする、というのは、何を研究するにしろやはり重要な気がします。そして、因果関係的なことにも迫れる時代が来るかも?という期待が持てるだけでも一歩前進のような気がしてます。(と生意気こいてみます。。。)
ところで、ブザキ本を買われたとのこと。
哲学書のように、「ここ、書いたブザキ以外わからんのでは?」と思える超難解な箇所が多々ありますが、なかなか楽しめる本だと思います。人によってつかれる「秘孔」が違いそうですが、個人的には、後半の海馬関連の話をどのように思われるのか(どれくらいフェアか)、ぜひpooneilさんにお話をお聞きしたいところです。
また直接お会いできるのを楽しみにしています。
オーラル発表、お疲れ様でした。
こちらこそ、ほんの少ししかお話できませんでしたがpooneilさんにお会いできて嬉しかったです。神経科学SNSのオフ会は、諸事情により参加できず残念でした。また皆さんとお酒片手にお話できるような機会があればぜひその時は参加したいと思います。
SFNはどんどんオーラルの細分化がきつくなって、良くないですね。3年前に参加した時にも聞いた声ですが、「じっくり議論したいからあえてポスターにした」という人が増えるのも道理かと思います。もっともポスターはポスターでいい加減な発表も少なくないので、多少S/N比が悪いような気もしなくもないのですが・・・ポスターもポスターで半日よりは1日欲しいぐらいなんですが、今の発表件数だと致し方のないことですね。次回からは何か改善がなされるよう期待しております。
# pooneil>Shuzoさん
ブザキ本、まだちらちら最終章(13章)だけ読んだところですが、これすばらしいですね。わたしが考えてることとけっこう近いことが書いてあるのを見つけて、いろいろ焦ったり。このへんは自分の仕事の進行に従って、自分の現在の構想について追々書いていきたいと考えております。
あと、海馬関係ですけど、11章のうち、episodic memoryの項だけ読みました。Episodic recallとcued recallとをきっちり分けた上で、episodic recallに先立つspontaneous phase processionを探せばいいかもしれない、みたいな仮説を提示しているところは面白いのではないかと。以前から書いてますが、episodic memoryの問題は最終的には意識の問題ですので(episodic memoryは、"mental time travel"とでも言うべき追体験=主観的経験、が伴うのがその条件のひとつ)、ただのcued-sequential memory以上のものであるepisodic memoryを特徴づけるものはなんなのか、将来のネタのひとつとして興味持ってます。
あと、私の名前の入った論文がreferされてて喜んだり(どういう文脈でreferしているかはいまのところ不明ですけど)。Varela and Thompson 1991やO'Regan and Noe 2001がどういう文脈でreferされてるかもこれから検証です。
>vikingさん
あまりゆっくり話が出来なくて残念でした。お客さんが待ってたので話をさっくり切ってしまった次第。
このへん、ポスターセッションの時もいつも悩ましい問題です。たとえば、ポスター聞きに行って話をしてたら、途中でポスタープレゼンターの知り合いらしいのが割りこんで来てこっちは放置されて挨拶と世間話が始まって、苦々しくそのポスターから離れていく、こんな経験を何度かしたことがあります。(そういうわけでわたしはポスター聞くのがなんか不得意です。人混みの出来たポスターに割り込んで質問をするということがある時期から出来なくなりました。) そういう意味でも大変心苦しいことでした。
ちなみにオーラルセッションはいろいろ問題有るけど、より多くの人にアピールするためにはこちらの方がよいと思っています。ただし、どのセッションを選ぶかがものすごく重要でして、これを誤ってなんか泡沫候補みたいなところに集められたりするとほんとがっかりします。
論文出さないとけっきょく人は集まってくれないし、論文出すためにたくさん人に集まってほしいし、という鶏が先か卵が先かって話なんですけど、けっきょく論文を出し_続け_てプレゼンスを上げていくしかないというのが結論です。わたしは途中でsubjectを変えたのでこのへんもういちど積み直しというところがあって、なかなか苦しいところです。なんかイギリスのロックミュージシャンがアメリカ進出のために地道にアメリカ全国ツアーをするのと重ねてみたり。
それではまたの機会に。
tough problemsから取り組まれたとは。恐れ入りました。
エピソード記憶の部分に対するコメント、さすがなコメントで勉強になりました。ありがとうございます。コメントを読みながら、最近RedishたちのグループがJNSで報告しているCA3での面白い現象を想起しました。その論文、まだしっかり読んでませんが、pooneilさんが指摘していただいた文脈で読んでみるとさらに面白いかも?と思いました。今デスクの上にあるので、読んでみます。
ちなみに、pooneilさんたちのお仕事、p338でしっかり紹介されてますよ。
2007年11月02日
■ 100万visitありがとうございます
2004年12月にはてなダイアリーから引っ越してきて、sakura.ne.jpに移動してから累計で100万visitになりました。見に来てくださった方、どうもありがとうございます。前回も前々回も前々々回も書きましたが、この値じたいの意味合いが以前とは変わってきていて、RSSの購読などを考慮に入れる必要がありますが、節目ということで。前回の50万visitが昨年の10月ですので、だいたい1年かけて50万visit増えました。
グラフはwebalizerのログに出ていた、月ごとの訪問者(Visit)数と訪問サイト(Site)です。見方は Webalizerの見方などを参考に。
どっかで頭打ちになるかなと思ってたけど、意外にじんわり増えてます。そういえば、以前は「ブログ見てますよ」と言っていただく経験がありましたが、さいきんは「ラボのみんな知ってますよ」とか言われたりします。さすがに大げさだと思うけど、ビビる。初音ミクがどうのとか書いてる場合じゃないかも、とかそういうことはまったく気にせずに、これからもこの調子でいきたいと思います。
「専門用語を検索していてこのブログを見つけた」という話を聞きます。たしかに「遠心性コピー」とか「内部モデル」とか「信号検出理論」とか日本語で検索するとGoogleのはじめのページに出てきます(11/2現在)。Googleさまさまです。「盲視」や「blindsight」でははじめのページに出てこないところがどうなの俺ってかんじですが。ちなみにPageRankははてなダイアリーのころは4/10で、さくらインターネットに移ってから3/10に、それからさいきんの騒ぎで2/10になったり3/10になったり(いわゆる「グーグル・ダンス」)でよくわかりません。
大昔、まだ世紀末前でGoogleとかない時代にgeocitiesにこっそり趣味のサイトを作ってたことがあったんですけど、カウンター付けたら一年間で100人以下ですよ、しかもたぶんほとんど自分。全俺が泣いた(<-このフレーズを使ってみたかっただけ)。
ともあれ、過去ログを有効活用したいと思うんですが、どうすればいいかわかりません。このへんはいつも考えては断念して、の繰り返しです。WordPressへの引っ越しを考えて、XAMPPでローカルにApache/MySQL/PHPの環境を作っていまのサイトをインポートしてみましたが、簡単だし速い。いいかも。ただ、過去ログの活用という意味ではあまり代わり映えがしません。要はweb検索で過去ログを見つけた方をうまく関連するエントリに誘導することが出来たらいいと思うんですけどね。タグとか自分自身活用しないし、どうすればいいんだろ。
やっぱCMSのことを考えた方がいいんでしょうか。CMSは興味があってXOOPSとか入門書を読んだりしたけど、複雑すぎて敬遠してます。ただ、MODxはかなりシンプルでなかなかよさそうです。これもちょっとローカルにインストールしていじってるところです。MODx + WordPressはいいかもしんない。
さすがにつれづれすぎました。ではまた。おそらく次回はSan Diegoからでしょうか。
お勧めエントリ
- 細胞外電極はなにを見ているか(1) 20080727 (2) リニューアル版 20081107
- 総説 長期記憶の脳内メカニズム 20100909
- 駒場講義2013 「意識の科学的研究 - 盲視を起点に」20130626
- 駒場講義2012レジメ 意識と注意の脳内メカニズム(1) 注意 20121010 (2) 意識 20121011
- 視覚、注意、言語で3*2の背側、腹側経路説 20140119
- 脳科学辞典の項目書いた 「盲視」 20130407
- 脳科学辞典の項目書いた 「気づき」 20130228
- 脳科学辞典の項目書いた 「サリエンシー」 20121224
- 脳科学辞典の項目書いた 「マイクロサッケード」 20121227
- 盲視でおこる「なにかあるかんじ」 20110126
- DKL色空間についてまとめ 20090113
- 科学基礎論学会 秋の研究例会 ワークショップ「意識の神経科学と神経現象学」レジメ 20131102
- ギャラガー&ザハヴィ『現象学的な心』合評会レジメ 20130628
- Marrのrepresentationとprocessをベイトソン流に解釈する (1) 20100317 (2) 20100317
- 半側空間無視と同名半盲とは区別できるか?(1) 20080220 (2) 半側空間無視の原因部位は? 20080221
- MarrのVisionの最初と最後だけを読む 20071213
# viking
TEMPOのことはあまり詳しくないんですが、TEMPO単体をデータ収録側に使って、(別のPC上の)Presentationで刺激を制御するというようなことでしょうか? トリガ信号をBNC分岐コネクタなどでTEMPOとPresentationの両方に入れてやれば、それなりにきちんと時間的同期の取れたデータの取得が可能だと思います。Presentation自体はWindows環境に合わせたルーチンの最適化をしていて、時間的同期の点ではそれほど問題ないはずですので。
コントラストとかガンマ比調整とかをなさりたいのであれば、VSGなどもよろしいかと。個人的には視覚実験はこちらの方がお薦めです。
http://www.crsltd.com/catalog/visage/index.html
現用版はViSaGeって言うんですね。実は今調べて初めて知りました。
大した情報でなくて恐縮ですが、以上ご参考までに。
# pooneilどうもありがとうございます。
# vikingTEMPOの代替のことを考えてます。値段がpresentationの10倍以上しますので。
具体的にはPlexonで電気生理データの収録が出来るようだったら、タスクコントロールと刺激提示の部分だけ出来ればいいのでそういうものでいちばんいいのはなんだろうか、というわけです。
ViSaGeの紹介どうもありがとうございます。もすこし調べてみるつもりです。ではまた。
なるほど、そういうことでしたら色々迷ってしまいそうですね。
E-Primeなんて物もありますけど、あれはトリガ入力に対する時間的同期の取り方が難しいので特に電気生理には向かない気がします。やはりPresentationがベストかと。
ViSaGeがVSGと同規格なら、コントロールはCコンパイラ(WinVC++でもOKです)が必要です。ライブラリだけ導入して、制御は別に何かプログラミング言語でやる必要があります。