[月別過去ログ] 2014年02月

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2014年02月25日

「視野の外は端的に無であって、暗闇じゃあない」(+おまけ)

視野の外は端的に無であって、暗闇じゃあない、ってのをいつも説明するのだけど、目を動かすことができて、頭を動かすことができるので(+音とか)、その外部の存在を実感できる。

もし目を動かすことができず、頭を動かすことができなかったとき、その外部の存在を実感することができるだろうか? デネットが言うように、端的にその無は気づかれず、なかったことになるのではないだろうか?

マッギンやネーゲルが言うcognitive closureってのはそういうものであって、我々の気づかない空間、時間、そしてそれを超えたところに我々と相互作用しないがために端的に無となっているものはいくらでもあるのではないだろうか? そしていったんそれと相互作用が可能になったとき、それはまるで初めから存在していたかのように受け止められるのではないだろうか?

…みたいなことを小学校高学年ぐらいになったらみんな考えるもんですよね? (<-遠い目をしながら)


アクティブヴィジョンの話題の掴みとして「われわれの視野で本当に視力の高いところは視角にして1度ぐらいしかない」(だから絶えず眼を動かして網膜の空間解像度の高い部分で物を見ているのだ)という話がある。これをRucciかだれかが「腕を伸ばした先の親指の大きさの視角」と表現していた。

実際に計算してみた。私の腕の長さは70cm。親指の爪の長さ(縦方向)は1.3cm。よって視野角は atan2d(1.3,70)=1.0639 (degree) となる。なるほど納得。


2014年02月21日

さうして、このごろ 20130930

水曜に理研BSIに行ったときになんかデカイ塔みたいなのを見つけて写真撮ってたら、鳥の群れがやってきた。

そのあとで「群れは意識をもつ 個の自由と集団の秩序」 郡司ぺギオ幸夫 を買ったのはプライミング効果だったのかもしれない。

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予定どおり刈谷市の児童館「はばたき」に行ってきた。「貴様も羽ばたきたいか!」(仮面ライダーの解説の声で)

卓球の勝負の方は30分3回のあいだに11点先取で勝利として7勝4敗。けっこう負けが込んできた。余裕こいてスマッシュとかしてたらあっという間に点差が縮まった。

次男はかなり勝負にこだわっていて、練習のときは無謀なこともやりつつ、試合では確実かつコーナーを突いたプレーを選択。普段なら4試合ほどすれば満足していたところを、どうしても勝ち越したいらしくラストは練習なしでずっと試合。こっちは汗だく。いい運動になった。

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飲み屋で隣の席の人が、「俺なんかね、こう、鉄球で、やっちゃうわけですよ、バーーンっと」と言いながら手のひらに反対の手で拳作ってバーーンとかやりながら、古い店構えで、田舎の親戚のうちに行ったときのような匂いで、煙草臭くて、そんな風景をでっち上げて妄想してみた。

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研究所のトイレに向かう廊下から夕日が差し込んでいるのに気づいた。廊下は東西に走っているので春分、秋分の日には真っ直ぐ夕日が差し込んでくる。こうしていつものあの季節が来たなと思うのだった。

耐震工事後に残念なことのひとつなのだが、いたるところにドアが付いて廊下が分断されているので、長い廊下の先にある夕日を見ることはできなくなった。

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「夏休みは終わらない」って、歌本でギター弾き語りで把握していたので、ひさびさに原曲聴いてみたらけっこう予想を裏切られた。私のイメージでは「海を抱きしめた西向きの部屋」から始まるところがワウワウを効かせたギターで浮遊感出す感じなのだけど、もちろん原曲は80年代アレンジなのであった。

80年代シリーズつづき。ユニコーン「大迷惑」聴いてた。もう歌詞が他人事に思えなかった。ラストの「お金なんかはちょっとでいいのさ」ってところで感涙した。この歌詞を、こんなふうに感じる日が来るなんて予想だにしなかった。

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セントレアまでやってきた。今日もいろいろあったがなぜか悲しい気持ちに。空港に向かって西へ走るバスの中で、沈む夕日を見ながらMBV聴いてた。もう全てのことは成就しているのであり悔いはないなとか、森も向こうから見えては隠れる夕日を見ながらぼんやり思った。

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「自分の背骨をしっかり持ってないからいけない」なぜか武道家に腕組みで説教されるイメージで。


2014年02月12日

アイトラッカー試行錯誤(2013年9月版)

Macのstandaloneのpsychopyからtobiiを動かそうとしているのだけれども、SDKのEyetrackerBrowser.py動かすためにpygtk入れなくてはいけなくて、MacPortsを入れてインストールしたらquartzがどうのでエラーが出て、そうして1時。

GUIなんてどうでもいいのだから、ぜんぶコマンドで送って、calibrationとかもこっちの好きにデザインさせてほしい。明日明後日で終わらせないと日本心理学会に出かけないといけないし。いっそのことトビー持っていくか。(<-正常な判断ができてない)

ちなみにMac上のmatlabからはサンプルファイルが問題なく動いた。しょうがないからぜんぶpsychotoolboxで作りなおすか。

十河さんのTobiiControllerP.py も参考にする。これ自体はTobii SDK 3.0用でライブラリが違っているようなので(<->Tobii Analytics SDK 3.0)、tobii.eye.tracking.io.basicを使うように読み替える。

午前2時。そしてやっとわかったなう。PsychoPyのpythonはi386で、TobiiAnalyticsSDKはx86_64。つまり明日の朝までに俺の手でちょいちょいとなんとか出来る感じではない。諦めて寝る。

tobiiのmatlabのサンプルプログラムが、1/sampling rate でループを回してアイトラッカーのデータを所得するというふうになっているのだが、ふつうこういうのって新しいデータが入ってきた時かディスプレーのflipのタイミングでトリガー書けるんではないのか?

PsychoPy + tobii SDKを諦めて、PTB3 + Tobii SDKで行けるだろって思ったら、こんどは動画を再生することができない。Mountain LionではQuickTimeを使った再生ではなくなってGstreamerをインストールする必要がある。

けっきょくわかったのはGstreamerのプラグインが全然入っていなくて、MacPortsでffmpegとかplugin入れるか、現状使える動画形式(ogv)にムービーを変換するしかない。めんどくさい。そうして今夜もすでに23時。

そうしてまたもやffmpegの出番。つかデフォルトでh264読めないとかクソすぎんだろ。いや、フリーソフトウェアとコーデックとffmpegの微妙な問題はわかってますけど。

pythonからはavbin5 (2.4MB)入れただけでh264動いたんだが、Gstreamerは200MBくらいあったんだがmpegもmp4もmovも動かない。どうなってんの?

けっきょく「GstreamerのプラグインをMacPortsから入れる」とか「Macのpythonを使ってtobiiを動かせるようにモジュールを設定する」とかそういったまっとうな事はせずにffmpegで無圧縮aviに変換して解決。手入力がどうのなんて全然ブーメランだった。バカス。

X2-60でマカクの眼も記録できることは確認した。ただ、眼がどこにあるかを見つけるまで時間がかかる。EyeLinkみたいに領域を囲ってやりたいが、Tobiiはブラックボックスなのでそういうことができないのであった。

これから解析して、プログレスと認知ゲノムキックオフに間に合わせる。あれもこれも細切れになっている。EyeLinkでのマイクロサッカード記録の結果もまだ解析してない。というよりかまだ記録系が最終版になっていない。Labjack放置中。


2014年02月05日

「シューゲ感」

"vapour trail"というタイトルにはシューゲ感があるが、「ひこうき雲」というタイトルにはシューゲ感がない。"seagull"というタイトルにはシューゲ感があるが、「かもめ」というタイトルにはシューゲ感がない。つかカタカナでないとシューゲ感って出てこない。「スロウ」とかシューゲだけど、「ゆっくり」だとダメ。

シューゲってのはたんに音の鳴らし方の形態の一つでしかないのだけど、歌詞にもどこか共通したものを感じていたのだが、よくよく"Vapour Trail"の歌詞とか読んでみるとシンプルなラブソングだったりする。マイブラもそうだ。

どちらかというと、シンプルな言葉づかいで、なんか届かないかんじとかを伝えるというのが特色なのかも。ブローティガンの詩とかにはシューゲを感じたことがある。

ヘルダーリン詩集のアマゾンレビューを見てたら「天上的なハーモニーと至福の美、そしてその中に潜む歪み、それはまさにmy bloody valentineの音楽に通じるものがある。」なんて記述を見つけた。チュービンゲンがらみだし、読んでおこうかと思う。

あと、音と同じように、歌詞ももごもごしている。あんま明確かつエモーショナルな歌詞はシューゲ的でない。これをシューゲの定義とするならば、音がシューゲでも歌詞がJ-Pop的だったらそれはシューゲではない。含羞がなければシューゲではない。80年代的スタジアム・ロックみたいなもののアンチ。

とここまで書いたうえで言わずもがなの断り書きを入れるならば、シューゲとはこうあるべきだとかそういう考え自体がクソ。(<-ちゃぶ台返し)


お勧めエントリ

  • 細胞外電極はなにを見ているか(1) 20080727 (2) リニューアル版 20081107
  • 総説 長期記憶の脳内メカニズム 20100909
  • 駒場講義2013 「意識の科学的研究 - 盲視を起点に」20130626
  • 駒場講義2012レジメ 意識と注意の脳内メカニズム(1) 注意 20121010 (2) 意識 20121011
  • 視覚、注意、言語で3*2の背側、腹側経路説 20140119
  • 脳科学辞典の項目書いた 「盲視」 20130407
  • 脳科学辞典の項目書いた 「気づき」 20130228
  • 脳科学辞典の項目書いた 「サリエンシー」 20121224
  • 脳科学辞典の項目書いた 「マイクロサッケード」 20121227
  • 盲視でおこる「なにかあるかんじ」 20110126
  • DKL色空間についてまとめ 20090113
  • 科学基礎論学会 秋の研究例会 ワークショップ「意識の神経科学と神経現象学」レジメ 20131102
  • ギャラガー&ザハヴィ『現象学的な心』合評会レジメ 20130628
  • Marrのrepresentationとprocessをベイトソン流に解釈する (1) 20100317 (2) 20100317
  • 半側空間無視と同名半盲とは区別できるか?(1) 20080220 (2) 半側空間無視の原因部位は? 20080221
  • MarrのVisionの最初と最後だけを読む 20071213

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