[月別過去ログ] 2014年09月
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■ さうして、このごろ 20140216
今日は次男と一緒に将棋して、それから次男と一緒に凧あげした。すごく寒い、風の強い日で、凧はよく上がったが、風に持ってかれて凧はぶっ壊れた。長男が小さい頃からずっと使ってきたポケモン凧。来年になっても次男は凧揚げなんてしたがるだろうか?新しい凧を買うべきだろうか?そういう一日。
アパマンショップの歌を舞の海が歌うCMで、「アッパマン ショップでえ?」みたいにイントネーションが上がる部分、あそこが好き。とここまで書いてからぐぐってみたら自分のブログが出てきたので、どんだけアパマンショップの歌が好きよ俺と思った。
「思ってた? 恐れてた? だけど あれ? なんか 違うかも」ってくだりを聴くと「ガッデームって俺って何も言ってねーっ」をなぜか思い出す。
ひとつも 含みを持たないように 腕時計はずすように 道端に紙を敷いた / それから 腕まくりの洗面器 氷水とキュウリ 振り向くとなにか消えた / だれもが 角のとれた電池 花粉症の薬 ハサミムシ逃げ出した
無責任な野次飛ばしてみたり、ポリカーボネートの棒磨いてみたり、途切れそうな会話をむりやり繋いでみたり、毛布の毛玉を全部もぎ取ってみたり、私は宇宙の法則を探るために、あらゆる方法で世界に働きかけた。鶏をかたどった錆びた風車が軋み、コーヒーカップが電子レンジの中で泡を溢れさせた。
「行くも地獄、引くも地獄、だったら俺は引くぜ」…って引くな。
crossingって語は、鉄道用語だと交差する部分であってけっして乗り換えができない。だからこの語は、いっとき交差するのだけれども、それはけっして互いに影響を与えないような偶然の邂逅である、みたいな醒めた視点を含意している。もちろんこれは深読みです。深読み大好き。
「いいからそこの学食の端っこの方で石鹸でもかじってろよ」#今日の罵詈雑言
恐竜なんて、滅びればいいのに。#すでに起きている事象をまるで自分の願望が成し遂げたことのように言うためのレトリック
寒すぎて足首攣った。ベンチに座って伸ばして凌ぐ。(<-ライム?)
ひと仕事終了した! 札幌駅のホームに降り立って「のんのんびより」のOPを爆音で聴きながらホームの時計を見上げたら、「どうあれ俺は俺であり、変わりようがない」という当たり前なのにずいぶん大げさな啓示がやってきて、なんだかそれはカラマーゾフのミーチャの改心の瞬間のようだった。
「どうあれ俺は俺であり、変わりようがない」と昨日は思ったが「時が来たなら終わるもいいさ / それが俺の最後の運命だったら」とも思った。
節分。今日は俺が鬼の役だったので「不動の心、不動会」とか言いながら居間の片隅でポーズを取ってみたら、子どもたちが「無言で」落花生を「勢いつけて」俺に投げつけるというわけのわからないことに。途中で奥さんが指摘して「鬼は外、福は内」がコールされるようになったので節分らしくなった。そんな日。
「夜は短し歩けよ乙女」をkindleで再読してた。前回読んでたのは2008年4月。思えば遠くへ来たもんだ、と言いたいところだがそうでもない。あのときは「太陽の塔」を読む前だったのでうまく出来たエンターテイメントとして読んだのだけど、「太陽の塔」を読んだあとでこれを再読すると、なんだかすべてが悲しい願望から再構築されたもののように読めて、それはそれですごく良かった。
人間ならだれだって、夜中に「ハンター!!!」と叫んで家族を全員起こしてみたいものだろうと思うのだが、わざわざそのようなことをけっしてすることはない。この、「わざわざそのようなことをけっしてすることはない」という感覚って催眠的だよなあと思う。
術者の言うことに反抗することもできるけどでもわざわざ抗しようという気も起こらずに従ってしまう。われわれはつねに、社会やらなんやらに条件づけられて行動していることに後付けで理由をつけて、催眠的に生きてるんだな。(<-凡庸の極み)
2014年09月15日
■ ポスター:サリエンシーマップの視線計測への応用
先日とある集まりで「サリエンシーマップの視線計測への応用」ということでポスターを作成したので、自分の研究紹介を兼ねてslideshareに上げておきました。ぜひどうぞ。
Current biology誌は自分の論文に関しては自分のwebサイトに置く限りは図の掲載、ダウンロードは出来るようになっているので、たまたま今回は全部自前の絵だけで作ってあるのでこれなら公開できる。(自分が授業などで使っているスライドは、いろんな論文から引っ張ってきているので、掲載はしないことにしている。)
研究内容の詳細については、以前のブログにサルの盲視は生活環境でも使える として説明文を書いたことがあるのでそちらを見ながらこのスライドを読んでもらうと分かりよいかもしれない。
今年はなんだか日本語の総説や紀要の執筆依頼が続いた。こんなかんじ:
- サリエンシー・マップの視覚探索解析への応用 吉田正俊 日本神経回路学会誌 21(1) 3-12 2014年3月
- 意識の神経相関 吉田正俊 Clinical Neuroscience 32(8) 856-860 2014年8月 (特集 意識・無意識)
- 視覚顕著性(視覚サリエンシー)の神経ネットワーク 吉田正俊 神経心理学雑誌(予定)
- 盲視の神経現象学を目指して 吉田正俊 MORALIA(モラリア, 東北大学倫理学研究会発行) (予定)
依頼があるのはいいことだけど、なんだかんだと完成させるのには時間がかかる。そちらで書いた原稿の抜粋などもそのうちブログに掲載しておこうと思う。
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- / 投稿日: 2014年09月15日
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2014年09月08日
■ 生理研一般公開で視線計測の実演をします
生理研一般公開で視線計測の実演をします。2014年10月4日(土) 9:30-17:00 (受付終了16:00)場所:岡崎コンファレンスセンターおよび生理研 明大寺地区。
うちのラボでは毎回マッスルセンサー(簡易筋電計)だったのだけれど、今年はアイトラッカーを使った出し物をすることになった。はじめての試みなのでいろいろ思案してた。けっきょくあんま手をかけずに、ゴーグル型のアイトラッカー(Arrington Viewpoint)を持っているので、これかけてもらって視線計測しながらボールとか使って遊んでもらってシーンカメラの記録をリプレイすればじゅうぶん楽しめるなという考えに至った。
じつはもっと研究っぽく、投球の映像を流してそれをバットを構えて見てもらってとか考えていた。こういう研究は昔からあって、興味あったのだけれど、それのために投球の映像とかを作らないといけないのでたいへん。
そんなことせずともテニスボール投げるのをバッターボックスで見ているだけで行けるんではないだろうか。精度的に行けるか実地で試してみる。
ちょっと背景の話をすると、野球のバッティングでは「球をしっかり見ろ」と教えられるけど、じつのところ、打撃しながら球をずっと見続けることは出来ない。
まずは時間の側面から考えてみよう。ピッチャーのプレートからホームベースまでは18.44mで、球のリリースポイントから考えると17mくらい。急速が120km/hだとしたら、500msでホームまで届く。バットをスイングするのに最低150msはかかる。球のリリースポイントの視覚情報がV1まで来るのに50msくらいはかかる。このへんを合わせると、バットを振るか、どこに向けて振るかを決めるために使える時間は非常に少ないことがわかる。(参考:Sports Vision - Vision Care for the Enhancement of Sports Performance. By Graham B. Erickson p.30-32)
つぎは視線について考えるために視野角を計算してみよう。バッターからピッチャーを見た向きを0度として、球がホームベースを通るときの視野角を90度とする。ピッチャーが球をリリースした直後の視野角はほぼ0度で、球がホームベースに近づくまではこの角度はほとんど変わらない。視野角は打つ直前に急速に高くなるため、眼球運動で追従することは出来ない。このためたとえプロの選手でも球を打つ瞬間は球を見ていない。
ちょうどいいのがないのでプロじゃないけどyoutubeのこの映像:Mobile Eye Tracking: Improving Visual Perception in Baseball これよりもテニスの映像のほうがわかりやすいか:Playing Tennis with SMI Eye Tracking Glasses 原理的には同じなので。
ちなみに打撃とキャッチングでは話が違う。PLoS One 2014 Keeping Your Eyes Continuously on the Ball While Running for Catchable and Uncatchable Fly Balls を見ると、ほぼ最後まで球を見続けている。とはいえ時間スケールが違うので単純に比較できない。
クリケットの場合だとボールが近くに来る前に予想的なサッカードをしていることが知られてる。Nature Neuroscience 2001 From eye movements to actions: how batsmen hit the ball 一方で野球の場合はどうかというと私はこれまで関連論文を読んでなかった。というのもだいたいこういう論文はPerceptual & Motor Skillsに出版されるので、購読してないうちでは読めなかったもんで。
でも今回調べてたら、OPTOMETRY AND VISION SCIENCE 2014 A Method to Monitor Eye and Head Tracking Movements in College Baseball Players(pdf)という論文を見つけた。
これによると、大学野球レベルの選手では、球を見ているときはほぼずっと目は動かさず頭の動きだけで球を追従している。(眼は何もしていないということではなくて、主観的には、VORを打ち消すように眼も動かしていることになるはず。) それで、ベースを横切る最後の50msくらいだけ視野角にして10度眼を動かしている。
速度のレンジからしてこれは追従眼球運動ではなくてサッカードだろう。いろいろ面白い。ただしこの論文では打撃ではなくてテニスボールに書かれた数字と色を読めという課題なのでそれゆえの違いは出そう。つまり前者は行動のための視覚、後者は知覚のための視覚。
そういう意味では、打撃の状況で中心視と周辺視がどのくらい使われているかにも興味が出てくる。中心視と周辺視、reachingとgazeの関係に関しては五味先生がこの辺のことをやってる。JNS2006 Spatiotemporal Tuning of Rapid Interactions between Visual-Motion Analysis and Reaching MovementとかJNS2013 The Hand Sees Visual Periphery Better Than the Eye: Motor-Dependent Visual Motion Analysesとか。MFRやOFRと盲視との関係は私にとってずっと課題のままで、はやく盲視でreachingをやるべきなのだけれど。
あと、野球と周辺視というキーワードでPLoS One 2010 Transitions between Central and Peripheral Vision Create Spatial/Temporal Distortions: A Hypothesis Concerning the Perceived Break of the Curveballが引っかかってきた。これはVSSのイルージョンコンテスト2009のページで体験できる。
カーブが実際には滑らかに曲がっているにもかかわらず、なぜ急にギュンと曲がっているように見えるのかというと、gazeが周辺視から中心視に変わったからだというもので、面白いけど、だったら実地で試せば?と思う。つまり、カーブボールを見ている打者のgazeの動きは曲がったと感じたタイミングと関連しているか。
脱線しまくったけど、けっきょく一般公開の方は、頭動かして眼を測れるのだから、VORを体験してもらってもいいし、文章読んでもらってサッケードしている(追従眼球運動してない)のを知ってもらうとか、この分野の基礎を体験してもらうのがいちばん目的に叶っているんではないかと思った。
そういうわけで、カムカムエブリバディー。
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- / 投稿日: 2014年09月08日
- / カテゴリー: [上丘、FEFと眼球運動]
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