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2013年08月30日

国際研究集会「メタ認知とuncertaintyの脳内メカニズム」参加登録始まりました

恒例の生理研研究会ですが、今年は2009年(意識)以来の国際研究集会、つまり海外からの講演者を招待して英語で行います。テーマは「メタ認知とuncertainty」。2011年の京都での国際意識学会ASSC15のときのサテライトシンポジウムで京大の船橋先生と(当時UCLの)金井さんオーガナイズでメタ認知のシンポジウムがありましたが、国内ではそのとき以来のイベントとなります。

参加登録始まりました。Webサイトはこちら:http://www.nips.ac.jp/%7Emyoshi/workshop2013/

つか「メタ認知」ってなんですかね? というようなことはまたべつの機会に行うとして、講演者の紹介ですが、今年はトータル7人で確定しております。

[Session 1: What is Metacognition?]

  • Kazuhiro Goto (Sagami WU, Japan)
  • Ryota Kanai (University of Sussex, UK)

[Session 2: Neural Correlates of Metacognition]

  • Marc Sommer (Duke University, USA)
  • Yutaka Komura (AIST, Japan)

[Session 3: Uncertainty & Decision]

  • Masaaki Ogawa (NIPS, Japan)
  • Angela J. Yu (UCSD, USA)
  • Bahador Bahrami (UCL, UK)

いろいろ見所はありますが、神経生理学者としては、Marc Sommer vs. 小村さんのところを期待したい。SommerはSEFの話をするし、小村さんはpulvinarの話をする。ちなみにこのシンポジウムの前の週には銅谷さんの新学術のシンポジウムInternational Symposium on Prediction and Decision Makingが京都であって、そこでKepecsがトークをします。kepecsはOFCから記録している。

いったいメタ認知って脳のどこにあるのか? やっぱヒト全脳で見たいわけだけど、このへんに関しては金井さんの話での論点となることでしょう。

つかそもそもescape条件付けた課題で見えるものというのはメタ認知と言っていいのか? 後藤さんの動物心理の話ではたぶんそういうことが問題となる。連合学習理論的な説明でメタ認知は説明することは可能か?とか。

小川さんのトークでは、OFCの活動はuncertaintyではなくてacquired salienceであるという話が出てくる。これはKepecsへの反論となっているわけだけど、連合学習理論的な説明で神経活動を説明する例となっている。

Angela Yuがどういう話を持ってくるかは未定なのだけれども、"Attention, uncertainty, and acetylcholine"の話に興味がある。小川さんの話にあるように、uncertaintyとattention (salience)は関係しているのだけれども、どう関係しているか計算論的に知りたい。

Bahador Bahramiはcollective decisionの際にuncertaintyの情報が重要であるというScience論文の話が有名だけど、これはPhilos Trans論文にもあるように、メタ認知の計算論的なメカニズムの解明に寄与している。このへんについて個人的には知りたい。

とまあそういうかんじであります。楽しく議論できたらいいなと考えております。カムカムエブリバディー。


2013年08月23日

タブレットをケージに貼り付ける作戦、について試行錯誤

タブレットをケージに貼り付ける作戦だけど、AndroidでProcessingでNexus 10あたりかと考えていたが、Windows 8タブレットがだんだん良くなってるみたいなので、NBSのPresentationを入れて動かすという以前の策を再考するタイミングかも。

いまのところ本命はASUS TransBook TX300CAで、Core i5 1.7GHzで13.3インチ。問題はメモリーが4GBしかないことで、Windows 8だと動作がもっさりしてるかもしれない。

タッチパネルが大きければ大きいほどよいのだけどとか思っていたら、ONKYO TW21A-B36C7 21.5インチっての見つけた。テーブルトップか。Core i7 メモリ8GBだし、ありかも。つかケージにどうやって入れるんだ。

ここまで考えた時点で、NBSのPresentationは更新してなくて使えなくなっていることを思い出した。毎年7万円払うくらいだったらProcessingでシステム構築する方が長い眼で見たら生産性高いかも。


Androidタブレットだとサイズが小さくなるのが難点。ならば、Raspberry Pi上にubuntu入れて、PsychoPy動かして、タッチスクリーン制御するというラインでどうだろうか?

つか、Raspberry Piほど小さくなくてもいいんだよな。

ググってみたら、Raspberry PiではOpenGL使えないからPsychoPyは使えないとのこと。残念。 Cognitive Sciences Stack Exchange

ただし、OpenSesameというのがあって、これのlegacy modeだとopenGL使わなくてもlinuxで心理実験動かすことが出来るとのこと。グラボ使わないということだから処理は遅いのでガボールパッチ動かすとかは難しい。

OpenSesameというのは知らなかったが調べてみたら、なんかすごくよさそうだ。しかも、Android版も出てる!Google Play 作者のSebastiaan MathôtはJan Theeuwesのところの人か。

これでProcessingでandroidという方向には行かなくてよさそうだ。Processingは心理実験のためのものではないからいろいろ整備しなければならなかったので、それなりに時間がかかりそうだったので。

Running psychological experiments on a Raspberry Pi with OpenSesame OpenSesameの作者がRaspberry Pi使って時間の精度を調べた。これを見たところだと、私の目的には充分だ。

OpenSesameじたいはPsychoPyでいうところのbuilderみたいな存在で、簡単な課題を作るの自体はExpyrimentで充分なのかね。さらに調べてみる。


TransAiO P1801 18.4型のAndroidタブレット/windows 8両方で使える。これにNBS presentation入れてケージに貼り付けて行動データ採集。金はかかるが人間の労力はかなり減らせる。

タッチモニタ + raspberry piでraspbian (Debian Linuxのヴァリアント)上でpsychoPyかopensesameというのがたぶんいちばん金額的には安い。人間の労力入れると分からんが。


京大野生動物研究センターの田中正之さんから「生まれ変わる動物園: その新しい役割と楽しみ方」をいただいたので読んでる。途中で、使ってるタッチモニタの品番まで書いてあったのでググってみた。


Raspberry Pi立ち上がるようになった。sshdをenableにして、sshで入れるようにした。さらにtightvncserverをインストールして、「画面共有」でMacから入れるようになったところ。

ひきつづき、opensesameを入れようとしているのだけど、NeuroDebianが対応していないようで、sudo apt-get install opensesameしてもcandidateがないと言われる。本家では動作確認あり



2013年08月16日

サンプルサイズと検出力

ふと思い立って、検出力のカーブを描いてみた。

シンプルに正規分布で、mu=0, sd=1でalpha=5%で検定するとH0:mu=0が棄却される確率は0.05 (横軸0の点)。


さらにH1: mu≠0として、mu=-3:3, sd=1でデータを振ってやって、H0が棄却される確率(1-beta)を横軸にmuをふってplotしてやると、図のようになる。randnでデータ作って、ttestする。べつべつのデータごとにttestに使うデータの数を変えている。

そうすると、データ数5のときは、効果量=abs(mu)>1.6とかでないと1-beta > 0.80にならない。データ数が10,000あると、効果量>0.02とかで1-beta > 0.80になる。要は、effect size小さくてもnさえ稼げればなんでも有意になる。

だから、nがサッカードの数だったりしてデータ数が1万とかあって、応答潜時への効果とか見るとなんでも有意になってしまう。実験データでなくてシミュレーションで有意差付けたりしたことがあるが、これもいくらでもデータが生成できるからいくらでもp値を小さくできる。

サンプルサイズの議論は、効果量がこれこれで、サンプルサイズがこれだけしかないのに有意差出ちゃったときは1-beta計算してみれば<0.8になってるからそれは偶然(もしくは有意になったところでデータ集め打ち切った)だからもっとデータ集めないとだけですよ、みたいな議論は出来るけど、サンプルサイズが異様にでかいときになんか言ってくれるわけではない。

もちろん、効果量をちゃんと書くべきということにはなるが、効果量が小さければ意味がないというものでもない。MRのBOLD変化やEMGのspike-triggered averagingはデータはノイジー(=正規化すると効果量は小さい)だが、それは間接的な計測であることの帰結。

だから統計的有意味性と生物的な有意味性を分けて考えようみたいな話になるわけだけど、「生物的な有意味性」というのはけっきょく社会的合意の産物っぽい。

たとえばポズナー課題でSRTが5ms短くなったとしてそれにどのくらい意味があるかは、なんかべつのものに置き換えて評価するべきなのかも。たとえばspeed-accuracy trade-offを考慮して、5ms応答潜時が早くなることは正答率が何%向上するのと同等であるとか。

ここまで書いて見直してみたが、検出力の意味を説明するには絶望的に説明が足りてないな。まあそういうのは必要に応じて作ることにする。

そういう話ではなくって、データありすぎっていう状況に対していったい何が出来るのだろうかとか考えたかったのだけど、なんだかワケわからなくなってしまった。

効果量と検出力とサンプルデータ数の間には一定の関係があるのだから、たとえば、データ多すぎるときは、推定される効果量とあらかじめ決めた検出力(0.8とか)で必要とされるサンプル数が決まるから、多すぎるデータから適切なサンプル数をリサンプルして、検定を繰り返すとか? p値の確率密度分布、みたいなわけの分からないことになってきた。

もともとH0:mu=0ってのが一点しかないのが間違いで、幅があれば、alphaとbetaのどちらを重視するかっていうpayoff matrixを書いて、それが最適になるようにalphaとbetaを意志決定すればよいのだけど、そうなってない。

alpha=0.05, 1-beta=0.80に固定すると、effect sizeとnumber of sampled dataの関係が決まる。これをプロットするとこうなる。

よく分からないけど、log-logプロットで直線になった。


今回やった検出力のシミュレーションのコードをbitbucketに上げてみた。Subversionからgitへの移行の練習を兼ねて。


2013年08月12日

さうして、このごろ 20130228

中の橋珠算教室の先生をやっていた老夫婦の二人のことを急に思い出した。怒ると「バカスケ!」って言うの。あと、昔の人だから、トイレのことを「ご不浄」て呼ぶ。生徒の子どもたちはみんな意味が分からないから「牧場? へんなの」とか言ってた。そういう記憶が走馬燈のように俺の脳髄を駆け巡った。

走馬燈のように、フラッシュバックのように、電撃的に、俺の脳髄を駆け巡り、嵐を引き起こし、そしてまた遠くへと去ってゆくのを、私は失禁し、座り込んで、または這いつくばって、ただただやりすごそうと眺めながら、でも時間は全然経過しないままで、太い縄がほどけるように、ゆっくり弛緩していた。

「雲母を剥がすか 生爪剥がすか」「ローリーポーリー ローリーポーリー」「薬局坂道 いつもの流れ」「ローリーポーリー ローリーポーリー」「ハトを生き埋め ボクは深爪」「ローリーポーリー ローリーポーリー」「赤血球の流れに逆らい 遅配誤配要求撤回」「ローリーポーリー ローリーポーリー


延滞していた岡崎図書館の本を返しに行って、空を見てみたらまだ8時なのにオリオン座が西の空にあって、冬ももう後半なんだということに気づかされた。

"closer" (クローザー)だとシューゲっぽいが、"closer" (クローサー)だとR&Bっぽい。異論は受け付ける。


原発ってお湯沸かしてるだけなわけで、ぜんぜん原子力うまく使えてないよね(現状いちばん効率がよいことは知ってる)。なんかもっと、直接電力として利用するとかそういうんでないと「原子の力」を制御してる気がしない。工学的解決は別にして、科学にはもうちょっとがんばってほしいって雑談をした。


たまに東京の実家で車運転すると感覚が全然違うのでびびる。狭い路地で車の近くギリギリを自転車が通り抜けてきたりとか。いっぽうで岡崎では制限時速30km/hのところでみんな50キロギリギリで走ってる。

それが日本的建前の世界であることをチュービンゲンに行って知った。あそこでは市内の30キロの道はガチで制限が30キロで、25キロぐらいで走ってた。でもって、アウトバーンで、制限のないところでは160キロとか出してる。あいつらメリハリありすぎ。

私は安全運転してるけど。車は人間の制御能力を超えた凶器であり、運転者はだれもが不慮の事故で人を殺す可能性というキモいクジを毎日引いている。自転車で車の接触事故の被害者になったことがある。あのときどうして道に飛び出したのか分からない。だからいま意識の研究をしている。(<-後付け)


今日は次男と刈谷の児童館まで行ってきて、卓球をしてきた。前回は11/25で、その前は8/4。twilog見るといつ行ったかが分かって便利。次男はなかなか鋭角で鋭い球を返してくるので勝負が成り立って楽しい。私はテーブルに貼りついて足を動かさないという隠れたハンデ付きで、4勝2敗。

あとで聞いてみたら、パパのフォアサイドに玉を集めておいて、決め球ではバックハンド側の深いところを狙っていたという。なかなか戦術的で素晴らしい。

自分は守備的でスマッシュとかは打たないが、ライジングで鋭角に返すのが基本戦術。自分はペンホルダー型で、次男はシェークハンド型。

前回は次男はバックハンドの練習とかしていたがかえってそれで攻める形を崩してしまったようなので、今回はバックにはもう玉は回さないで、得意なところでラリーを続かせることを目指した。やっぱ小さいうちは弱点を直すのではなくて、得意なところをどんどん伸ばしてゆく方がよい(<-コーチ気取り)


店でものを買うときに、たとえば値段が576円とかだったときにちょうど小銭が無くて1131円出したときに、店員に違ってますけどとか言われるのがものすごく嫌。

「俺はいま目を閉じたいのであり、目を閉じたことによって眠ってしまったとしてもそれはそれでかまわないという覚悟で目を閉じるのであって、俺の行動は常にそういった覚悟によって一歩ずつ進められるのであって、無意識を制御し、あらゆる意味での責任と自由意志とに殉ずるつもりでこのように行動し」


今日の空手の帰り道に、ストーン・ローゼスの"I am the resurrection"をかけてたら、それを聴いた次男がこの太鼓だったらたたけると豪語したので(次男は「太鼓の達人」が大好きなのだ)、いやよく聴くとバスドラがこう鳴ってんだよとか説明していたのだが、後半のギターソロ部分が始まってリズムが変わると、神妙そうに聴いておったことよ。

というわけで、今後の人生の夢は、家族でバンドを組むことです。


「雨だれと塩だれ、どっちが好き?」わたしは答えを急がずに、そっと空を見やった。

帰り道に月を見たら、月の右上の方に明るい星があって、月の右下にもいっそう明るい星があって、なんだか妖しい気持ちになった。

男は「ずっと、ハノイの塔を作ってたんですねえ」 とさげすむように言った後、「世界の倒し方、知らないでしょ?オレらはもう知ってますよ」と言った。私は尊敬のまなざしで相手を見やった。

コストコ、コストコ (<-口でドラム演奏中)

ジョギングしているときに道に変なデコボコがあって、すっころんだ。無様にカエルのように、しかしiPhoneをかばうように、哀れな老人のように。

「俺のことはレジー・シャックマンって呼んでもらってかまわない」「それにいったいなんの意味が」ってところまで書いて、「さくらの唄」のパクリじゃんってことに気付いた。

俺もポストロックがどうのとか言いつつ、けっきょくはサイケデリックロックとシューゲイザーで時が止まってしまっているわけだが、せいぜい「これが大人の音楽」とか「良質な音楽が消えてしまった」とか自分を正当化するような無様なことは言うまいと堅く心に誓った。相対性の檻に居続ける覚悟が云々。

Milky Wayをドイツ語にしたらMelkweg (アムスの有名なライブハウス)になるんだろうと思って答え合わせのつもりでwikipedia見たら、Milchstrasseって書いてあった。なんか嫌。


2013年08月07日

統計的因果推論

統計的因果推論ノート:「正しいセカイの切り取り方」 これ楽しみ。「ラットの因果推論」読んだときにこのへんは参照した:相関と因果について考える:統計的因果推論、その(不)可能性の中心および確率と因果を革命的に架橋する:Judea Pearlのdo演算子

その文脈でさっきのfMRI is not an inherently correlational methodを見るならば、ここで書かれている「二つの観察変数の間の相関をみるのは相関的方法であり、片方の変数を操作して(独立変数)、もう片方の変数を観察(従属変数)することによって見つかった相関は実験操作が因果的に引き起こしたものであると言える」という言明は正しい。

でも統計的因果推論の立場からは、実際には[グループA: 操作あり(実データ)-操作なし(反実仮想)] [グループB: 操作あり(反実仮想)-操作なし(実データ)]という欠測値のある2*2を見ているということがさらに付け加わるらしい。前者はp(y|x=30)であり、後者はp(y|do(x=30))となり、実験計画法的にconfouding factorがないようにしてcommon causeとかをなくすことで、「バックドア基準」を満たすようにする。

とかそういうことを前回調べたときに理解したのだけれども、正直まだよく分からなかったのが、いつでも変数をsetできるわけではないんじゃなかろうかということ。

因果推論の論文を読んだときに「注射をしてXの血中濃度をyy mg/mlにする」なんて書いてあったけど、血中濃度なんてホメオスタティックに変わってしまうし、これはあんまいい例ではないのではないかと考えた。

話を戻すと、統計的因果推論の立場から考えるならば、視覚刺激A提示と視覚刺激提示無しという実験操作を加えてfMRIで活動を見ることと、TMS刺激ありとTMS刺激無しという実験操作を加えてfMRIで活動を見ることとは、因果推論のレベルから見ると形式的にまったく同じであると言える。

だから、TMS(nhpならelectrical microstimulation)が「因果的である」と言う場合は、端的に「脳内への直接的な操作、介入」が「行動に影響を及ぼす」ということを意味している。

視覚刺激だって行動に影響を及ぼすのだけれども、そういうときの関係は「因果的」というよりは「contingencyを変える」というように捉えられるため、「因果的に行動を引き起こした」という言い方はされない。

でも実のところ、TMSだってelectrical microstimulationだって、力学的因果で行動を引き起こしているのではなくて、contingencyを操作しているに過ぎない。ただし、筋肉を刺激する > M1を刺激する > 連合野を刺激する > 視覚野を刺激する、と因果的関係の強さにグラディエントがあるために、これらの違いが曖昧になっている。


2013年08月04日

スマートピル関連

ADHD治療薬コンサータ錠18歳以上の成人期への適応追加承認申請 ん?以前リタリン乱用が問題になって、適応症が狭められて大人のADHDでは使えなくなってたんだけど、製剤を工夫して再申請したということか? (<-これでも薬剤師)

Natureだったかなんだったかのサーヴェイで、研究者とか大学院生の結構な割合がその種の中枢刺激薬使ってるみたいな話があったと思うんだけど、いざ探そうとすると見つからない。

"Studies have documented usage of drugs for cognitive enhancement by 5–15% of students"

20%って数字の根拠はこれ。 でもオンラインのサーヴェイだからいろいろ偏りがある。もっと最近のこちらで調査の呼びかけをしている。

Smart drugs: would you try them? 英guardian誌がなんかしれっとerowidにリンクしているから吹いた。あそこってもっとアングラなところかと思ってた。LSDの合成法とかあるし。

で、いろいろ調べてて、Martha Farah ("Visual agnosia"の人)がいまではneuroethicsの人となっていることを知った。

Martha Farahの関与についてまとめると、Nature. 2008 "Towards responsible use"のラストオーサーになっている。

そのほぼ同時期に「Adderallはじつのところ認知能力を上げるわけではないのだが、本人は認知能力が上がった気がしている」というpreliminaryな調査を発表している。

これはTime誌とかにも取り上げられて評判になったらしいが、それと同時にたぶん反論がたくさんついたのだろうと思うけど、「実際に認知能力を上げる」とする結果がたくさんあることがこの記事の"UPDATE"に追記されている。

それへの応答だろうか、Psychol Bull. 2011においてメタアナリシスを行い、「スマートピルがノーマルな人々に対して認知能力を上げることはたしかに認められるが限定的である」というようなことが要旨に書かれている。これにもふたつコメントがついているので、いろいろ反論はあったのだろう。

前述のPsychopharmacology 2009は予備的研究だったが、さいきんNeuropharmacology 2013というのが出て、やはり「Adderallは(ほとんどの指標で)認知能力は上げないが本人は上がった気がする」という結論を繰り返している。

ここまで書いておいてなんだが、じつのところ「認知能力」の向上にはあまり興味がない。「意識経験」の変容には興味があるが。


2013年08月01日

チュービンゲン大学訪問記

1月27日

プレゼンで使う同名半盲の視野の図には、岡崎なら岡崎城、犬山なら犬山城、名古屋なら名古屋城、ソウルなら昌徳宮、とご当地の建造物の写真を使ってきたのだが、チュービンゲンだったらなんだろうか? ホーエンツォレルン城?

ヘルマン・ヘッセとチュービンゲンの関わりというのもいま知った。ヘッセは神学校からドロップアウトしなければチュービンゲン大学に進むはずだったが、けっきょくチュービンゲンで本屋のバイトをしながら詩を書いていた。「チュービンゲン時代のヘルマン・ヘッセ」

ケプラー、シェリング、ヘーゲルが居たということは知ってる。

よしよし、こんな感じで気分を出してゆくことにしよう。とりあえずiPhoneアプリで英独辞書入れといた。


1月28日

いま中部国際空港で、これからフランクフルトへ出発。ラップトップ持ってたら税関申告する必要あるかどうか聞いてみたが、先方にも、ルフトハンザの人にも、そんな必要ないが心配なら税関で聞けば?で言われた。たしかに、2009年にASSCでベルリン行ったが、とくになんも言われなかった。

ルフトハンザ LH737 名古屋->フランクフルトはネットが繋がる(20euro/24hr)。こりゃいいわ。これからはラップトップ用のバッテリーが必須だ。

無事フランクフルトに到着。いま16時54分。ラップトップは申告要らんかった。S-bahnは改札ないわ切符券売機わかりにくいわでちと難儀した(調べたとおりだったけど)。S-bahnはふつうに満員電車だったが自転車持ち込み可。ここで寝たら夜中に起きるので無理してなんか食いに行く。

中心街まで歩いてきた。ユーロの形のモニュメント経由で。ゲーテ広場とその奥あたりまで行ってきたが、けっきょく食事自体はその手前あたりのトルコ、パキスタン人街(床屋が多い)のところでチキン半分食って満腹にした。ユーロは金銭感覚ずれる。


1月29日

これからチュービンゲンへ出発。雨。Webから調べると列車は10分遅れとか出てる。まあこういうことは予想されるわな。


1月30日

だいぶ慣れてきた。今朝は自力でバス乗って大学まで来ることができたし。昨日の夜はMax Plank Instituteのゲストハウスまで誰もいない暗い道を帰ろうとして、曲がり角を見逃してかなり無駄足歩いた。遭難するかと思ったが、バスマップを印刷していたのでなんとかなった。

ホストが用事があるので今日は自力でダウンタウンで夕食食べてくれって話で了解した -> 建物出たら強風と雨 -> 予定変更してゲストハウスへ直帰することに -> 誰もいない道を傘を差してMax-Plank Instituteへ -> ゲストハウスに自販機があったはずと見てみたら専用カードが必要 -> 隣の部屋に専用カードが売ってた! -> 5ユーロで買う -> 自販機にかざしてみたら'Keine Kredit' なぜか金が足りないという -> 諦めて部屋に戻って冷蔵庫にあったミネラルウォーターを飲む(<-イマココ)

つくづく500mおきにコンビニがある日本は素晴らしいと思った。つか今度来るときはレンタカーでも借りればよいのだろうか。学生ばかりでみんなバス通学だし、ダウンタウンは狭くて車停めにくそう。とりあえず毎年来ることになりそうだし、なんかましな方法を考えないとダメだ。夏なら自転車でもいいかも。坂だらけなのが難点だが。

いまのところ予想外に暖かいし、雪がほとんど無いので助かってる。調べてみたら+7~+13度だった。先週は-10~-4度だったのだから大違い。もしこれでバス停(Horemer)から雪道を1km歩いてゲストハウスとかだったら軽く死ねた。

つか天気予報見たら今週は日曜以外毎日雨だ。まあ暖かいから良い。(<-ヤケクソ)

歩けば3kmだってことが判明した。 つまり、我が家から南公園くらいまで。つまり、ウォーキングしてた頃のコースとおなじだ。


1月31日

今日は台湾出身の院生を含めて3人で夕食。ドイツまで来て「中二病」について話題に出るとは思わなかったが。たのしくノンアルコールで。アップルジュースばかり飲んでる。ホストも飲まない人なので、ちょうどよい。

昼は旧市街を案内してもらった。「ゲーテがここでゲロした」の写真を撮った。

あと、この建物で有名な詩人が死んだんだよって説明してもらったんで、だれだろ、ヘルダーリン? とか返答してみたんだけど、いま戻って調べてみたら正解だった。天才じゃね?とか一瞬思ったが、実のところチュービンゲンについて調べているときに、無意識に目に入っていたのだろう。


2月1日

サリエンシーマップのいじり方講義も終了!以前のASCONE2010のときの準備が役に立った。あのときはvirtualboxだったのでセッティングがけっこう難しくて難儀したけど、今回はVMware fusionにして、前回作った資料を英語化して、それで準備終了。

今日は論文のレフェリー談義やら津波談義やら英語教育談義やらデータ駆動型研究やらあらゆる話題を駆使しまくって喋り通した。こうやって価値観とかいろいろすりあわせてゆくことが今後にも役に立つであろうことを期待しつつだが、けっこう波長が合うので親しくなれそう。

歩いてチュービンゲンの市内まで向かう。Max Plank InstituteとかTuebingen Univとかは丘の上にあって、そこから見下ろすとダウンタウンが見えてくる。

だいたい40-50分で到着。iPhoneのGPSは役に立たず。


2月2日

午後はシュツットガルトまで連れて行ってもらった。駅前は大都会だった。規模としては、栄くらいの感じ。

行く途中でチュービンゲンの外れの村にあるKloster und Schloss Bebenhausenに連れて行ってもらったんだけど、ここがすごく良かった。Wikipedia独

1200年とかそういう時代からのもので、中の装飾とかも中世感があってすごくいい。

かつてはmonastery (修道院) だったんだけど、いまは博物館になってる。二階は寝室になっていて、いや、これはいまでも使えるんじゃない? Wifiさえあれば、ガッハッハ、みたいなバカ話してた。

チュービンゲンの中心からここまでが3kmというから、岡崎城から大樹寺までってかんじ。(すべてを岡崎座標系で評価する)


2月3日

起きた。土日はMax-Plank-Hausは食事が出ない。食堂も受付も週末は全部閉鎖している。訪問者にとってはいまいちな環境だが、労働者にとっては非常によい環境。日本のブラックな労働事情とは真逆なのだが、結局良いことと悪いこととは表裏一体なのだなと思ってしまう。

ホストは工学畑出身なので、ホビー関係で話が盛り上がった。「タミヤ」知ってるか?とか聞かれた。これはもう、今度は秋葉原に案内するしかない。このあたりで:ラジコン専門店 ~ RCアドバイザー チャンプ 秋葉原店 あと、フタバ産業ツクモロボット王国十字屋 ホビーショップは閉店してた!

ホーエンツォレルン城行ってきた。雪にけぶっていてすごくいいかんじだった。 ホストに拠れば、ノイシュヴァンシュタイン城よりも観光地化してないとのことで、じっさい静かで良かった。

よし、書類書きが終わった。もうすこしで、すべてが、すべてが終わる。(<-中二病っぽく)

そしていまから寝る。あしたはチュービンゲンの最終日。


2月4日

Peter Theirと会って話をしてきた。これからオペに入るということで、たいへん忙しそうなところを時間取ってもらって恐縮した。

あと、Nature Neuroscience 7, 56 - 64 (2003) (上丘でpre-cueの応答)のファーストのAlla Ignashchenkovaがいまはジアドのところでポスドクをしていて、こちらともこってり議論してきた。背景の知識が豊富なので話が楽しい。

「俺、無事帰国できたら矢場とんのわらじとんかつを食べに行くんだ」(<-死亡フラグ)


2月6日

自宅へ帰ってきた! 毎度ながら飛行機ではぜんぜん眠れてない! そういうわけでいまから寝る!


お勧めエントリ

  • 細胞外電極はなにを見ているか(1) 20080727 (2) リニューアル版 20081107
  • 総説 長期記憶の脳内メカニズム 20100909
  • 駒場講義2013 「意識の科学的研究 - 盲視を起点に」20130626
  • 駒場講義2012レジメ 意識と注意の脳内メカニズム(1) 注意 20121010 (2) 意識 20121011
  • 視覚、注意、言語で3*2の背側、腹側経路説 20140119
  • 脳科学辞典の項目書いた 「盲視」 20130407
  • 脳科学辞典の項目書いた 「気づき」 20130228
  • 脳科学辞典の項目書いた 「サリエンシー」 20121224
  • 脳科学辞典の項目書いた 「マイクロサッケード」 20121227
  • 盲視でおこる「なにかあるかんじ」 20110126
  • DKL色空間についてまとめ 20090113
  • 科学基礎論学会 秋の研究例会 ワークショップ「意識の神経科学と神経現象学」レジメ 20131102
  • ギャラガー&ザハヴィ『現象学的な心』合評会レジメ 20130628
  • Marrのrepresentationとprocessをベイトソン流に解釈する (1) 20100317 (2) 20100317
  • 半側空間無視と同名半盲とは区別できるか?(1) 20080220 (2) 半側空間無視の原因部位は? 20080221
  • MarrのVisionの最初と最後だけを読む 20071213

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