[月別過去ログ] 2012年01月
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■ SDTとpopulation coding (10/20バージョン)
Population codingの文脈で盲視のFC-YNの乖離について考えていた。SDT的に考えればFCとYNは統一的に扱えて、S1,S2という刺激に対して、blank-S1, blank-S2という二つの軸での検出があって、S1-S2の弁別がある。
この枠組みだと、d'(FC) > d'(YN)とはblank-S1, blank-S2の二つの軸が直行していなくて、>90degであるという理解になる。これはS1, S2のシグナルが逆相関しているということ。mutual inhibitionとかを入れれば作れなくもない。
一方で、受容野の広がりという問題があって、盲視では(おそらく)受容野が広がっているので、S1への刺激はS2受容器も刺激してしまう。この意味ではS1-S2には正の相関があり、直交というよりは<90degとなるように考えた方がよい。
(言い忘れたけど、いまの話はMacmillan and Creelmanとかにある、SDTを2Dで表現した図式のこと)
つまり、V1 lesionでRFが広がったことを考慮すると、逆にd'(FC) < d'(YN) ということが起きてしまうので、RFの広がりではこの現象を説明できない。これを棄却すべきモデルとして使う。
Population codingの文脈で私にとって重要なのは、検出では、たとえばS1の検出にはS1にpreferenceを持ったニューロンがいちばん寄与する。(最尤推定するためのニューロンへの重みはS1ニューロンが最大)。いっぽうで弁別では話が変わる。
S1-S2の弁別の際にはS1よりもS2から離れた位置にpreferenceを持つニューロンが寄与する。(たとえばS1, S2それぞれの刺激の位置(polar angle)が+30deg, -30degとすると、+45degにpreferenceを持つニューロンとかの方が寄与する。
つまり弁別では最尤推定するためのニューロンへの重みはS1ニューロンではなくて、+45degニューロンが最大。つまり、検出と弁別とでは判断をするために使うエビデンスが別物。それなの
にノーマルではFC-YNの乖離は怒らないわけで、両者のキャリブレーションが済んでいる。 しかし盲視ではそれがうまくいかない。さらに意志決定の際には、FCの場合には二つのエビデンスを持ったニューロン(+45degニューロンと-45degニューロン)の差を計算するが、YNの場合には二つのエビデンスを持ったニューロン(+30degニューロンと-30degニューロン)の和を計算した上で閾値との比較をする。
ハクワンとかは盲視はこの閾値の設定の問題であるという言い方をするのだが、問題はじゃあなんで閾値が正しく設定できないかということで、さっきキャリブレーションという言葉を使ったけれども、なにかがモニタできていないから最適な行動が取れてないのだ。
ハクワンの話はヒトでの話で、私が想定しているのはnhpでのeconomical decisionでの場面(どちらかというとpost-decising wageringに近い。nhpは内観報告をしているのではなくて、報酬のための意志決定をしている)なので、前者では閾値の調整が不要だというところが大きな違い。
Azzopardi 1998では、forced-choice detection (当てずっぽうでいいからあるかないか当てる)とするとバイアスが0になるというデータがある。(d'がどうなっているかは出てない。これがいちばんcriticalなのだが)
それで、なにがモニタできていないかというと、エビデンスが積み上がっていくことがモニタできてない。だから、それを待たずにサッカードする(nhp)とか逆に時間かけてサッカードするけどさっぱり確信がないってことになる。
JNS2008で使ったdiffusion modelの解析はそういう意味では、暗い刺激と明るい刺激とでadaptiveにthresholdを変えてdecisionする(normal)はずなのにそうならないってのを見た、というふうに解釈できる。
つまり、試行の中でも初めのうちは明るい刺激が出るものとして閾値を設定していて、それに引っかからないようだと閾値を下げて引っかかるのを待つ。そうなると、エビデンスがモニタできないことと、閾値を動かすこととをどうやって分離できるとというのがつぎにやるべきことかも。
話がとっちらかったのでまとめ気味に戻すと、population codingのスキームでは検出と弁別で使うエビデンスが違うのにd'(FC)=d'(YN)となるようなキャリブレーションが行われている。そのような問題解決をしたニューラルネットワークを作って、そのうえでそのモデルのどこをいじると盲視が再現できるか、という風なストーリーが作れる。でもって、RFが広がったから、という説明は結果は逆になるので棄却できる。それなりにリアリスティックなモデルになるから、刺激のコントラストを下げたときにノイズがどのように効いてくるかとかそのへんを押さえる。
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2012年01月13日
■ そうして、このごろ1209
人生へのアティテュードというかなんというか、屈託がない方がよいとは思う。でも含羞はあった方がよいと思うんだ。マトリックス作ってみた:屈託-/含羞+=>サイコー、屈託-/含羞-=>恥知らず、屈託+/含羞+=>小物、屈託+/含羞-=>ダメ人間
夕食のときに国体のハンマー投げの部を見ていたら、次男が「いもむしとはちがうね」と言うのでワケわからなかったが、長男がすぐに「室伏のことね」と即理解したので、笑うとともに感心した。
長女といちばん好きな季節は秋、ということで意気投合した。ワビサビがわかっとる。(<-ドヤ顔)
「俺には俺の唄がある」には野島という謎の男が出てきて、質素な暮らしをしながら、高等遊民をやっている。高等遊民いいな! 俺も「先生」のように、野島のように、高等遊民をやりながら(ry ... ry)したい
ものすごく近くで秋の虫が鳴いている音がする。まるで部屋の中にいるかのようだ。しかも音源の位置が複数あることまでわかる。子どもたちはよく寝ている。寝息が聞こえる。歯ぎしりが聞こえる。よく耳を澄ませると、金魚のためにバブリングをしている音が聞こえる。
ほのめかしメソッドをやると、違う人が釣られちゃうので絶対やってはダメ。これ先生との約束な。
いちばん好きなギターコードはFmaj7 add9thだろうか。でもただひたすらにEmだけを弾きつづけたいときもあるものだ。EよりはEm、これだけはまちがいない。
なるたけ実生活で感情の上げ下げをしないようにしておいて、そのぶん小説とか読む。ふだん運動しないでおいてそのぶんジムで運動するのと似ているような似ていないような。
「みどりのそうげん はだしになろう」ここ泣くポイント。
「あー僕らの人生って、せんみつのセイ!ヤングみたいだね(みたいだね)」ってフレーズを考えたが、あんまり泣けない。オールナイトニッポンの方がよかったか。
夜に自転車で走っていると、道路工事用の移動型光源(あのなんか丸いやつ)が煌々と光っているのを見つけて、まるでビルの谷間に半月を見つけたときのようにギョッとする。やっぱり夜はいろんなものを空目するのでギョッとする機会が多い。
長女の新体操のお迎えに、車に乗ってセバドー聴きながら到着したら、音が漏れて恥ずかしいからやめて、と怒られた。長女にとって私はDQNなおっさんなのであった。がーん。
長男から「ピロカルピン」とか「andymori」とかを教わる。そんな俺の存在証明。
2012年01月09日
■ ハトの首振り
ハトの首振りを止める方法 - Yahoo!知恵袋 これ面白い。あのハトが地上歩いているときに頭を前後にヘコヘコするやつ。あれはヒトの眼球運動で起きていることと似た現象なのだな。
ヒトがなにかものを注視しているときに不意に頭を回すと、眼球は網膜像を変えないように頭の動きとは反対側に回る。これを前庭動眼反射VORという。また、動いているものを見るときにはヒトでは眼球が動きに追従して流れてゆくフェーズとずれた分を戻すフェーズとがあって、これをOKNと言う。
これと同様にして、ハトの首振りも歩行による視野の動きを打ち消すように後ろに動くholdフェーズと後ろに下がった頭を前に戻すthrustフェーズがあるらしい。ヒトのVORで頭の動きを眼球で補正するのと同様に、ハトの首振りでは体の動きを頭で補正している。
ハトの首振りについてのレビュー論文を見つけた。"Head-bobbing"って言うそうな。 PDFもリンクされてるけど、本文とビデオがあるこのページを読む方が役に立つ。
これのFig.1を見ると、holdフェーズとthrustフェーズの違いがよく分かる。Holdフェーズが平らになっているのは、視野の動きをほぼ0に抑えていることを意味している。つまり、視野のぶれを無くすることによって、地面にあるもの(エサとなる穀物とか)を見つけるのに役立つ。
面白いなと思うのは、thrustフェーズの方も無駄ではないということだ。運動視差を作るのに役立っているって説があるそうだ。ハトは目が横に付いているので両眼立体視がほとんど役に立たない。だから、奥行き方向の視覚情報を得るためには運動視差を使うしかない。
運動視差というのは、電車に乗っているときの景色の動きを思い出してくれればよいのだけれども、自分が動いているときには近くのものは大きく動いて、遠くのものはあまり動かない。これがあれば奥行き方向の視覚情報を得られる。
だからthrustフェーズは頭を前に動かすことで運動視差を作るのに役立っているのではないかという話があるんだそうな。これは面白い! じゃあ、逆にヒトでのfixation-saccadeの連関のうち、saccade自体はそういう意味で視覚に積極的に関与している可能性はないだろうか。
とは言っても、transsaccadic memoryとか、サッカードによって全体を把握するとかそういうのはあるとして、サッカードの動き自体を使ってこそpick upできる視覚情報というのはないのだろうか?
このレビュー論文にはほかにもいろんな面白いことが書いてあって、ではなんでハトは首振りするのにアヒルは首振りしないか。いろんなトリで比較した研究があって(322種!)、目の位置とか、歩きながらエサを探すかとか、いろんな条件が考察されてる。このようなデータから首振りの機能を推測する。
大元のYahooの記事の話に戻ると、こういった学問的な話はさておき、それを「どうやったらあのキモイ首振りを止めることができるだろうか? たとえば目隠ししたらどうなる?」みたいなかんじで料理してあるのでナイスだと思った。プレスリリースとか大学の授業とかそういうところで役立つ技だ。
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- / 投稿日: 2012年01月09日
- / カテゴリー: [上丘、FEFと眼球運動]
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