[月別過去ログ] 2010年02月
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■ Doesn't the sky look green today?
"Doesn't the sky look green today?"って最高にサイケデリックだよね。
このフレーズは、私の名前pooneil(ぷーにーる)の元ネタであるジェファソン・エアプレインの「キミとボクとプーニールのバラッド」の歌詞なんだけど、これにはさらに元ネタがあって、くまのプーさんの作者であるA.A.ミルンの詩「春の朝」から取られている。いや、「取られている」というのは正しくなくって、まんまパックリといってるんですわ。
ポール・カントナが著作権ガン無視でヴァースまるごといただくという無茶なアティテュード、初期のフォーク的三度のハーモニーとかから逸脱した三人のコーラスがつくるカオス、タオイストのプーさんによる「自由」へのメッセージ、そういうものへの賛辞として私は自分にこの名前を付けた。
というのはもちろんウソで、はてなダイアリーにユーザー登録するときにアルファベットでユーザー名を入れなきゃいけないってんで、とっさに決めた名前をずっと使っているだけなんだけど、意外に悪くなかったって思ってる。
(読めない人がいるところが難点。「ぷーにーる?ぽーにーる?」-ポール・カントナがくまのプーさんとフレッド・ニール (彼らは「人生の裏側」をカバーしている)とをくっつけて作ったフレーズだから「ぷーにーる」が正しい。ちなみに「ぷーにーる」はタイトルにだけ現れて、歌詞には現れない。)
そういうわけで、心情的にはOSS応援してるし、最近のarduinoいじりとか、ovenCVだったりRだったりいじるのとかもそういう側につきたいと思う気持ちから来ている、部分もあるのかもしれないけど、たんにとっつきやすくていろいろいじれるのがいいじゃん、って思ってるだけなんだ。
ま、結論としては、はやくミルンの著作権が切れてパブリックドメインになれよ、ってことですよ。(ってそういう話でしたっけ <- このフレーズ使いまわししすぎ)
もしわたしが今の高校生だったら、プログラムばっかしてたんじゃないかな。 Web上の情報使ってRでデータマイニングしたりしてさ。ChucKとか使ってサウンドプログラミングしてるとかさ。
実際の私は、家ではカセットテープに多重録音したり(座布団にマイクくっつけてバスドラ代わりにしたり)、授業中に内職して、おーそういえばまさに「キミとボクとプーニールのバラッド」の歌詞をノートに書き写していたもんだ。昔のレコードの歌詞カードってのは聞き取りがめちゃくちゃでね。さっぱり意味とれないからもうシュールレアリズムとして捉えるしかないから結果サイケデリックになってたっていう。
って昔話になっちゃったからこのへんで止めとくわ。
2010年02月07日
■ アイロンビーズで遊んだ
なんかこんなネタが続いて、芸風に偏りが見られますけど、そういうときもあるということで。アクセス数増やそうとかそういう魂胆ではないですよ? (<-なぜ疑問文)
今日は今日とてママがアイロンビーズを買ってきた。ここにギャラリーがあるけどこんなかんじでいろんな模様を作って遊ぶ。だけど、いろんな色がごっちゃになったものが売られているので、まずそれを色分けしてから使う。そうすると模様を作るときとかに便利だから。ということで一家総出で色分け。今日は私も参戦。
下の写真みたいなかんじで色分けしてる。いちばん下にあるのが私の割り当て分。上にあるのが色分けしたやつ。我が家の小さい食器総動員。けっこういろんな色がたくさんあって、たいへん。緑とエメラルド色と黄緑と白っぽい黄緑と透明な黄緑とか近隣色がたくさんあるので、それを混ぜないようにしないといけない。
それでもやってみるとだんだんコツがわかってきておもしろくなってくる。まずはじめは、微妙な色のあるやつは無視して、はっきりわかる色でかつたくさん数があるやつ(紺色とか)から手がける。そのつぎに、似た系統の色でたくさん数があるやつ(緑とエメラルド色とか)を微妙な色の違いは気にせずにべつの容器にとにかく集めてしまう。そのあとで緑とエメラルド色とをより分ける。こうすると、赤や青の中に混ざっているなかから緑とエメラルド色をより分けるよりももっと簡単になる。
このへんまでやっていると、じつはこれがsaliencyを用いたvisual searchであるということに気づく。(ということで脳科学ネタにつながるのであった!!!) つまり、なるたけポップアウトが使えるように色を選んで探してゆくのがいい方策なのでした。眼球運動を記録してやったらそれなりにおもしろいんじゃないかって気がしてきた。
さらに続けていると、こんどはなんか目が微妙な色の違いに慣れてきてさらに効率が良くなる。Top-down attentionでcolorを頼りにしたsearchに切り替わったと言えばよいのでしょうか、それともperceptual learningとでも言いましょうか、ともあれ、ビーズの向きとか形とかを無視して、色だけを気にしながら、なんか色に対する解像度が上がるのを感じる。つまり、「緑系のグループ」みたいな捉え方から、「緑」「エメラルド色」「黄緑」「白っぽい黄緑」「透明な黄緑」みたいな階調が明確になってくる。しかも被験者(<-ちがう)は人間なので、色の名前を使って、カテゴリカルかつセマンティックに捉えるようになってくる。
というわけでIttiのtoolkit動かしてシミュレーションしてやって、今私が考えたようなアルゴリズムが最適かどうか、もっといい方策はあるかとか調べられるんじゃないだろうかとか、そういうことを考えつつ、無事に色分け終了しました。つーかアイロンビーズこんなにたくさんあって全部使うんだろうか? 色分けしたらなんか満足してしまったような。
そのあとで、庭でとれたでっかいブロッコリーをママがゆでたのをみんなで食べて、娘はヒーリーズしに行って、ママは土いじりを始めて、長男は宿題してて、わたしはこのブログ書きながら、次男がくみくみスロープやってるのを手伝ってる。
そんな日曜のこと。
2010年02月01日
■ 高速度カメラ関連
サッカードのvideooculography関連で高速度カメラ関連について調べてます。
急速眼球運動は開始から終了までが20msくらいで起こる現象なので、ビデオレートとかだと、途中の軌跡が測定できない。サーチコイル法だと1KHzで計測してる。アナログのカメラだと1KHzとかのものはそれなりにあるけど、やっぱりデジタルでいきたい。あと小型で、ヘッド部分が分かれてたらなおよい。ということでサーベイ。
IDTジャパンで扱ってるハイスピードカメラ。カタログによると、MotionXtra N3が1280x1024pixels、2,000fps、ギガビットイーサで348万円。ちとこれはオーバースペック。
MotionScope M3が1280 x 1024pixels、520 fps、カメラリンクで158万円。
PhotronのFASTCAM MC2が512x512pixels、2,000fps、ギガビットイーサ。ヘッド部分が独立。ちとこのへんもオーバースペック。
Fastec というのが1280 x 1024pixels、500 fps、ギガビットイーサで300万円。だいたいこの辺がこのクラスの相場らしい。
会社はwikipediaからも探せる。
調べてると、高速度カメラ自体がいろいろ面白い。例の風船が割れる瞬間の写真とかそれ系の世界で好事家が多いことがわかる。
コンシューマ向けでも、カシオからEXILIM PRO EX-F1というのが出てて、336x96pixelだと1200fpsまで出る。
こちらのサイトは神:http://www.anfoworld.com/。ものすごい情報量。歴史とかについても詳しい。
歴史については外国語のサイトで101 History of High-Speed Imagingというのもあって、これもよさそう。
サイエンス関連で調べていると、チューリッヒ大学のSteven N. Fryという人のショウジョウバエの飛行について研究しているラボが出てくる。これはめちゃおもしろい。Real time path trackingをするTrackitとか、飛行に従ってリアルタイムで刺激を変えるTrackFlyとか。固定された状態で飛行を6KHzで記録してその空力特性調べてScienceとか。あ、共著のMichael DickinsonはCtraxの人だ。オー、繋がった。
さて、話を戻すと、ちょっとオーバースペック過ぎるので、もうちょっと安いのを探す。
Point Greyから出ているGrasshopper(GRAS-03K2M)は640x480pixel, 200fps、IEEE1394bで、画素数減らすと350fpsくらい出る。プレスリリース見る限り、10-30万円くらいでいける。
ところがさいきんPoint Greyから新製品の宣伝メールが来て、次の世代の製品が準備中らしい。これがかなりいけてる。CES2010でUSB3.0カメラをデモしてる。ZDnetでも今後のノートPCにHDビデオが撮れるカメラが付くみたいなレポートが出てる。Upcoming Productsとしていくつかの商品がリストにあがっているのだけれど、スピード的には、Gazelleってのが2048 x 1088pixelで340fpsでカメラリンク。たぶんこれまでの価格からしてこれも10-30万円あたりでしょう。"Series production of the first Gazelle models will begin at the end of Q1 2010."だそうな。かなり期待できる。
とはいえ、実際にそのスピード出せるかどうかはいろいろたいへんらしい。たとえば、openFrameworksのフォーラムでのやりとりとか。あとはてなでみつけたDragonFly Expressで340fpsだしてる例とか。
とここまで書いてきたけど、しょせんビデオ法だと瞬きしたらデータは取れないわけで、サーチコイル法がいいとは思わないけど、光学的方法ではなくて、違ったセンサーを使うのがいいわけで、磁気による記録とかはなんとか使えないもんだろうか。Magnetic inductionだと電気生理に干渉するのが問題なのではあるのだけれど。
Van Opstalの"Double Magnetic Induction"がどのくらいいけるのか知りたい。つーか、オランダの人なんだから、FENS2010のときに帰りにでも寄ってくるってのはどうだろうか。いいかも。(自分で合点がいくいつものパターン。)
まあ、そんなことが気になる日々。
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- / 投稿日: 2010年02月01日
- / カテゴリー: [Saliencyと眼球運動]
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