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■ Theoretical neuroscience
Kさんご紹介の"Theoretical Neuroscience" Dayan and Abbott, The MIT pressを見てみました。たしかに今回の話題の整理によさそうです。紹介どうもありがとうございます。
Chapter 1で基本的な項目としてtuning curveやspike-triggered averagingやinterspike intervalの統計などについて書かれていて、Chapter 2ではreverse correlationによるearly visual cortexのreceptive field mappingについてかなり詳しく書かれています。Receptive fieldの時間変化パターンと空間パターンとが独立でないような例(nonseparable space-time receptive field)に関する記述もあり。このchapter 1-2のところでreverse correlationとspike-triggered averagingとの関係に関する記述もあります。(ちなみにchapter 3は"neural decoding"ということでベイズの法則やROCカーブ、populationコーディングについて、chapter 4ではニューロンの発火と外界の刺激との間での相互情報量の解析について書かれています。)
というわけでこの本をもとにKさんのコメントについてまとめるとこんな感じになります。まずご指摘の式(2.6)はこちらです:
一入力のときのkernel は入力が無相関であるときに、刺激とニューロン発火との間の相関から計算することができて、しかもこれはspike-triggered average の定数倍(平均発火頻度)である、ということでした。それで、reverse correlationとspike-triggered averageとの関係は式(1.19)-(1.22)で導出されていて、この等式はtrialごとのスパイクの数が十分に大きいときに成り立つ(式1.19)、ということだそうです。よって、Spike-triggered averageを計算したときに、入力が無相関でなければシステムのWiener kernelを正確に計算したとは言えないけれども(式2.6の1番目の等式)、reverse correlationを計算した、ということはほぼ妥当に言える(式2.6の2番目の等式)、ということのようです。なるほど、どうもありがとうございます。
それから、Ringach and Shaply '04はpdfが公開されているようなので、リンクしておきます。"Reverse correlation in neurophysiology",Dario Ringach,Robert Shaply,Cognitive Science 28(2004),147-166(pdf file)
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2005年02月26日
■ Reverse correlation追記
なお、逆相関法に関する基本的な説明に関しては、大澤五住先生@阪大基礎工のサイトをご覧いただくのが一番はやいかと。
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2005年02月25日
■ Nature 2/25
- "Different time courses of learning-related activity in the prefrontal cortex and striatum." ANITHA PASUPATHY AND EARL K. MILLER。ひさしぶりにMillerのところから。あるブロックではその絵を見たら右にサッケードしなければいけないし、違うブロックではその絵を見たら左にサッケードしなければいけない、というconditional associative learningを行わせる。んでこのreversalの過程でのニューロンの発火パターンの変化のしかたがprefrontalとcaudateとで違っていて、caudateの方は非常に早く、prefrontalはもっと遅い、ということなんだけど、あまりstrikingな結果とは思えないのですが。彦坂研の一連の仕事とかとつきあわせて評価する必要があるでしょう。あと、松元健二さんのScience論文での話をcaudate-orbitofrontal-DLPFC-middlefrontalの系に拡張するとどうなるか、とか。
- "Excitatory cortical neurons form fine-scale functional networks." YUMIKO YOSHIMURA, JAMI L. M. DANTZKER & EDWARD M. CALLAWAY
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2005年02月24日
■ 「V1の人」さんへの返答
20040315のreverse corelationに関するエントリに「V1の人」さんからコメントをいただきましたのでこちらで返答を。
まずは参入ありがとうございます。Early visual関連の方でコメントされている方は少ないので、ぜひ、ほかの項目にもコメントございましたらお願いします。(たとえば、さいきんのMovshonのNature Neurscienceのplaid論文でのPack and Bornへの無視っぷり、あれはさすがにひどいと思いませんでしたか?)
「刺激への応答が線形的であって高次の作用がないこと」が保証されていないといけないというよりも、「」内のような仮定で解析を行うことにより(たとえ高次の作用があったとしてもそれをaverage outして)線形成分のみを抽出する方法である、と捉えた方が良いのではないかと思います。
なるほど、そうでした。応答するシステム自体は非線形でもよいわけで、無相関の刺激を使うことによってそれぞれの項(一次の項、二次の項、…)を独立にして、cross correlationを使ってそれぞれの項のkernelを計算する、という話でした。("Spikes"のappendixなど読み返してみたりしてます。)
そうなると私の言おうとしていたことは、「刺激が無相関でない(ホワイトでない)ときに何が起こるか」というところに集約されて、それは近年のnatural imageを使ったreverse-correlation-likeなreceptive field mappingの研究、たとえば
- Journal of Vision '02 "Receptive field structure of neurons in monkey primary visual cortex revealed by stimulation with natural image sequences." Dario L. Ringach, Michael J. Hawken and Robert Shapley
- JNS '03 "The Receptive-Field Organization of Simple Cells in Primary Visual Cortex of Ferrets under Natural Scene Stimulation." Darragh Smyth, Ben Willmore, Gary E. Baker, Ian D. Thompson, and David J. Tolhurst
- JNS '04 "Natural Stimulus Statistics Alter the Receptive Field Structure of V1 Neurons." Stephen V. David, William E. Vinje, and Jack L. Gallant
このへんあたりがやろうとしたことと関連あるのかな、と思いあたりました。
刺激空間に関して雑感ですが、reverse correlationで使うような刺激パターンは高次視覚野を充分にはdriveしないわけですが、それでも、たとえば、その刺激パターンがものすごい偶然に顔の線画のようになったら顔ニューロンをdriveすることができるわけです。そういう意味では理論上はreverse correlationで最適刺激を見つけることはできるわけです(もちろん空間的にものすごい高次のkernelを見つけるということになり、組み合わせの大爆発が起こるわけですが)。では仮想的に繰り返しを無限に行えるとしたらそういうoptimal刺激群を見つけることができたとしたら、あとはその刺激パターン群を説明できるように次元を下げてやる(「ひとことで言えばそれらは顔です」とか)だけの問題になるのでしょうか。もちろん、高次視覚野をうまいことマッピングするような刺激空間がないであろうことはわかったうえで思うことなのではありますが。
また、無相関でない刺激という意味では、いわゆる"spike-triggered averaging"、たとえば、筋電図をmotoneuronのspikeでSTAして関連する筋を見つけるといった仕事はreverse correlationと違って入力は無相関ではないわけで、その理論背景にも興味があります。
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# V1の人
お返事ありがとうございます。いきなりとりあげられてドキドキしてます。
あと理論的なところといえばJNS'04の元の
Estimating spatio-temporal receptive fields of auditory and visual neurons from their responses to natural stimuli.
Theunissen FE, David SV, Singh NC, Hsu A, Vinje WE, Gallant JL.
Network. 2001
とかでしょうか。求めたいのが空間受容野とか周波数領域での受容野であれば、この辺のように刺激の自己相関で補正するなどしてやれば刺激がnatural sceneでもなんとかなるようです。
一方で、選択性のある軸がそもそもよく判らない場合は補正の仕様もないし、もうあんまり数学的な枠組みとは関係ないところで、活動が起きたちょっと前の刺激を集めてきて何が良かったのか「人が」「後付で」検討しましょうというのが元ネタ(Hasson et al. Science 2004)の考え方なんでしょうねえ。刺激セットを刺激間インターバルなしで与えて後ろ向きに相関を求めれば何でもreverse correlationということでしょうか。
おっしゃる通り、理論上はホワイトノイズ刺激の反応からもっと高次の選択性(顔など)を求めることは可能だと思います。実験する立場からしてもassumptionfreeで使えるホワイトノイズはいろいろ便利です。(assumptionは解析時に入れてやればいいわけですね。いろんな空間を探索して選択性のある軸を探すと)。高次でもV4ぐらいまではノイズで解析できたという話が去年のSFNでありました。
そのSFNで発表していた人(たしかLivingstone labの人)はまた別のアプローチも行っていて、V4細胞の受容野にnon-Cartesian Grating等の刺激(Gallant et al 1993,1996)を高速に提示してreverse correlationすることで、刺激セット内のどの刺激クラス(たとえば同心円等)に対してよく反応するのかということを計測していました。これが出来るのなら藤田先生@阪大が使われているような「1:顔 2:手 3:唇 4:白衣を着た人 ・・・」みたいな任意の刺激空間(?)でIT細胞に対するreverse correlationをすることも出来る??
筋電図をSTAするというのは不勉強ながら知りませんでした。なるほどいろんなところで使われているのですね。
# K>また、無相関でない刺激という意味では、いわゆる"spike-triggered averaging"、たとえば、筋電図をmotoneuronのspikeでSTAして関連する筋を見つけるといった仕事はreverse correlationと違って入力は無相関ではないわけで、その理論背景にも興味があります。
はじめまして、神経科学についてほとんど知らず、意味のあることが言えるかどうか分からないのですが、理論的背景については少し分かるところがあると思うのでコメントさせてもらいます。
まず、"spike-triggered averaging"についてですが、これはある程度調べる対象に仮定をおけば、reverse correlationから出てくる結果と定数倍を除いて等しいことが証明されています。具体的には
"Theoretical Neuroscience",Peter Dayan,L.F.Abbott,MIT Press,2001
のChapter1,2に詳細が載ってあります。より具体的にはその中の式(2.6)です。但しこれは、1入力1出力の系におけるものなので、実際に使われるような入力が平面における刺激s(x,y,t)の入力の場合の正当性については結果だけが示されているだけで、証明されていません(式(2.25)を参照)。
余談ですが、
"Analysis of Physiological Systems:THe whoite noise approach",Marmarelies P.Z,Marmarelies VZ,New York:Plenum Press,1978
のChapter4の最後のほうに多入力1出力の系について載ってあるので、それをもとにがんばれば上のことも証明できるかもしれません。
次に、一般に無相関でない刺激を入れた場合についてのreverse correlationについてですが、
"Reverse correlation in neurophysiology",Dario Ringach,Robert Shaply,Cognitive Science 28(2004),147-166
の記述を見る限りでは
"A Subspace Reverse-correlation Technique for the Study of Visual Neurons",D.L.Ringach,G.Sapiro,R.Shapley,Vision Res,vol37,No 17,2455-2464,1997
において数学的な証明が扱われているようです。(おそらく線形でStatic Nonlinearityをかましたシステムとして扱っていると思います、読んでないので間違ってたらすいません)
そもそも、reverse correlationのもととなったのは
"Nonlinear Problems in Random Theory",N.Wiener,New York:Wiley,1958
においてWienerがVolterra expansionをGaussian white noiseに対して直交化するように変形したのが始まりだったと思うので、WienerのCyberneticsと関係して、制御理論(もしかしたら関数解析学)の方で、このことに関する厳密な理論が展開されているかもしれません。(まったく調べていないので分かりませんが)
# pooneilKさん、ご紹介どうもありがとうございます。さっそく"Theoretical Neuroscience"読んでみました。2/28のエントリでまとめておきましたのでよければご覧ください。
2005年02月22日
■ 「う」
昨日うなぎ屋さんに夕食を食べに行ったのだけれど、それがうれしかったらしく、その行き帰りに娘が「んなぎ」とか「なぎやさん」とか連呼する。
そういえば「おうまさん」は「おんまさん」だし、「うさぎさん」は「しゃぎしゃん」だなあ。うちの子は言わないけれども、「旨い」のことを「んまい」と書いたりしますよね。というわけで、これはひとつの活用パターンなんですな。
かといって、「う」がいつも「ん」もしくは無声化するかといったらかならずしもそうではなくて、「うみ」「うた」「うえ」「うんち」あたりではこのような変形は起こらないのです。つまり同じ「う」のようで違う「う」なのですな。たぶん言語学的に解明されていることなんでしょうけど。追記:cogniさんより、phonology(音韻学)的にわかっていることでは、というレスポンスあり。なるほど。「言語学」ではあまりにおおざっぱすぎました。
2005年02月21日
■ 民明書房論法
ポール・グラハム論法(via http://www.hyuki.com/tf/200502#i20050221000037)の逆で民明書房論法を提唱。オリジナルなことを考えて論理的な議論と説得力のある証拠を付けておいて、しかし出典に民明書房刊と書くことですべてを台無しにするというやつ。いや、あれって本のタイトルがかなめっすよね。私には無理です。
2005年02月18日
■ 論文いろいろ2/18
Plaidのスレッドが止まっているのだけれど、とりあえずいろいろメモメモ。
Science 2/18
- "Learned Predictions of Error Likelihood in the Anterior Cingulate Cortex." Science 2005 307: 1118-1121. Brown, Joshua W., Braver, Todd S.
- "Flexible Control of Mutual Inhibition: A Neural Model of Two-Interval Discrimination." Machens, Christian K., Romo, Ranulfo, Brody, Carlos D. Science 2005 307: 1121-1124. Romoの触覚への振動刺激のdurationを比較する課題(Nature '99 "Neuronal correlates of parametric working memory in the prefrontal cortex.")でのdecisionの過程をCarlos Brodyがモデル化。というわけでdecision関係続いてます。刺激のコードも、ワーキングメモリーとしての保持も、比較して意思決定する過程もみんな同じ単一のネットワークでconnectivityを変えずにできる、というのが売り。しかし、振動数をコードする座標と二つの振動数を比較してdecisionする過程とが同じ横軸でいいのかよくわからん。
Neuron 2/17
- "Adaptation of Oriented and Unoriented Color-Selective Neurons in Human Visual Areas." Neuron, Volume 45, Issue 4, 17 February 2005, Pages 613-623. Stephen A. Engel
- "Activation in Posterior Superior Temporal Sulcus Parallels Parameter Inducing the Percept of Animacy." Neuron, Volume 45, Issue 4, 17 February 2005, Pages 625-635. Johannes Schultz, Karl J. Friston, John O'Doherty, Daniel M. Wolpert and Chris D. Frith
- "Cortical Function: A View from the Thalamus." Neuron, Volume 45, Issue 4, 17 February 2005, Pages 485-488. Michele A. Basso, Daniel Uhlrich and Martha E. Bickford
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2005年02月17日
■ Science 2/11 leech decision
"Optical Imaging of Neuronal Populations During Decision-Making." K. L. Briggman, H. D. I. Abarbanel, W. B. Kristan, Jr@UCSD。
んで、今回のleech論文はdecisionなのかchoiceなのか、という質問ができるわけです。いろいろ書いたようになかなか難しい問題はあるのだけれど、行動をbiasさせるためのパラメータを振っていないという点で今回の論文は単に「行動選択」でもよかったわけです。ただ、そのような行動選択に関わるニューロンの中で一番早く行動分岐に相関して発火の分岐が起こるものを見つけた、その点でactionやchoiceに先立つdecisionである可能性を持ったものを見つけた、ということは言えるのだと思います。もちろんべつにJeff Schallのパラダイムに乗っかる義理なんて全くないわけですし。それに、進むべき方向はそちらではなくて、そのような行動分岐がどういうネットワークのメカニズムによって起こるか(nonlinear dynamicsでのbifurcationと行動選択との関係)、というあたりでしょうし。
もちろん、行動選択の回路解明という意味で重要な知見で、その意味では小田洋一先生@阪大の金魚のMauthner cell刺激による逃避行動の仕事とか、lamprey(ヤツメウナギ)やcrayfish(ザリガニ)でのlocomotionとかの膨大な知見と比較して読む必要があることでしょう。(すいませんわかっておりません。)
それからもう一件:哺乳類で脳活動をsingle-unitなどで記録してさまざまな認知行動のneural correlateを見つける、というのはいわば博物学的な仕事です。そのとき問題になるのは、「ある認知行動のneural correlateを見つけた」というときにそれを引き起こした上流のニューロンはどこにあるか、という無限退行が起こることです。たとえばmovitationでも、SNrの上流にcaudateがあって、caudateの上流にSNcがあって、ではSNcの上流は何か、と遡ってゆくわけです。また、このように遡っていく課程でmotor-premotor-SMA-preSMA-cingulateという順番で研究が進んだのだと思うし、prefrontalの研究で10野の機能を明らかにしようとしている人は、どんなに遡っていっても結局知覚と運動のコンビネーションとしてしか情報がコードされていないprefrontalにまだ何かあるのではないか、とフロンティアを探しているのだと思うのです。(かなり無理をしたのでツッコミよろしくお願いします。)
んで、こういう状況に関して私は、個々のニューロンは入力を足しあわせて計算して出力しているだけであり、どこかで全体をモニタしているところなどない(prefrontalであってさえも)し、直接知覚や行動とカップルしているのはretinaやmotoneuronだけに限られるのであって、そういう分散処理されているなかでsingle neuronがたまたま知覚や行動とcorrelateしているのを「表象」として扱っている、ということだと言うわけです。つまりこの表象はVarelaがいう「弱い意味での表象」であって、観察者から見たcorrelation自体のことなわけです。
今回の無脊椎動物での仕事はこのような状況をみもふたもなく示しているわけです。In vivo optical imagingのときに書いたことと重なるけど、すべてのニューロンの活動がモニタされて、どこにもすべてをモニタしているニューロンがないことが明らかな状況で、どう私たちの概念構成(sensory-decision-motorとか)が変化し、どうやってニューロンのコードの読みかたが確立するか、という問題がより明確になってゆきます。しかしそれ自体はいまでもわかっていることなのであって、もっと違った問題の捉え方、定式の仕方が出てくるのではないか、と期待しているのです。実験科学者としては、やってみて初めてわかること、手を動かすことで問題がより明確になってゆく、ということにかなり素朴な信頼を寄せているわけですな。うーむ、とりとめなくなってきた。ここまでか。
# がや
お、ひさびさに読む論文が一致しました。
そうですね、ロジック上の「無限退行」は避けなければいけません。この意味で「総合モニタ系が存在しない」という意見に激しく同意しますし、案外、“かなり低い次元の回路”に含まれるニューロン個々のongoing membrane fluctuationが一種の“stochasticity”としてdecisionに効いているのでしょう。このScience論文はまさにそういう内容なりますね。つまり、回路だけでも、また神経だけでも、説明できないわけで、これはとりわけ、Cell208の同定の仕方と刺激実験の“いまいち切れ味の悪い結果”が、それを物語っていると思います。いずれにしても、そう、実験科学者は「弱い意味での表象」の観察(傍観)者にすぎないことを忘れてはいけませんな ← ポジティブな意味です。そして、それを踏まえたうえで、今回の論文は、「真実」をきわめて鋭利な刃で切った、その一面(のみ)を見せてくれています。こういう論文は私の好みです。
あと、一昨日の記述。イントロの3種類のストラテジーは、あくまで実験者側からのストラテジーの分類ですので、pooneilさんの「現象側」から批判は当たらないかもです。あ、些細なことっすね、これは。
2005年02月16日
■ Science 2/11 leech decision
"Optical Imaging of Neuronal Populations During Decision-Making." K. L. Briggman, H. D. I. Abarbanel, W. B. Kristan, Jr@UCSD。
つづき。Jeffrey D. Schallは以下のレビューでchoice(行動選択)とdecision(意思決定)との区別およびそのneural correlateに関して議論しています。
Jeffrey D. Schall, Decision making, Current Biology, Volume 15, Issue 1, 11 January 2005, Pages R9-R11
Nature Reviews Neuroscience 2, 33-42 (2001) "NEURAL BASIS OF DECIDING, CHOOSING AND ACTING" Jeffrey D. Schall
ここで書かれていることをまとめるとこんな感じ:"choose"とは、取れる行動に選択肢があるときに、選択肢に対して行う行動のことで、どういう目的でそうしたのかを説明できるようなもの。"Choose"は選択肢に関する予備知識があればどちらをchooseするかを予測することが可能である。いっぽう、"decide to"とはある選択肢の中から行動を選ぶこと。"Decide to"は本人によってすら予測可能ではない。なぜなら何をdecide toしたかをいったん予想してしまうとすでにそのdecisionは済んでしまっているのであって、decisionよりも先にその予測が先立つことができないから。だから、"choose"と"decide to"との違いとは予測可能性の違いにある。また、"Choose"が最終的な行動まで含んでいるのに対して、"decide to"は行動に移る前に考える過程を指す。
またさらに"neural correlate of choosing"と"neural correlate of deciding"に関しても区別しようとして例を出しているのだけれど、こちらはいただけない。"choosing"としてodd ball taskのような例を挙げて、そこではchoiceがautomaticに、effortlessに起こっているのに対して、"deciding"では、moving random dotでの方向選択のtaskのような例を挙げて、そこではchoiceはもっとeffortfullで時間がかかる、とするのです。それでは質的な差ではないでしょう。まあ、気持ちはわかります。昨日も書いたように、"decision"というときにはそのdecisionに影響するような様々なパラメータを振ってやって、どう最適行動を選択するか、というところに主眼がいっているわけです。だから、最終的な行動と分離するような形でなければいけない。しかし完全にこれを分けることはできない。Attentionとintentionとかで毎度出てくるのと同じ議論に戻るのです。(そういう意味ではSFNレポートで挙げた「足し算のneural correlate」なんてのは行動に直結しないdecisionそのものの途中の結果が見えているのでいい線いっていると思います。いま書いたように、原理的な問題はあるにしても。)
おまけ:VanderbiltでのSchallの心理学の講義のサイトにも関連する資料があります(Psychology 216およびChoosing, Deciding & Doing)。なお、Schallが準拠している P. H. NOWELL-SMITHは倫理学者で、倫理学の教科書も書いてます(Ethics. by P. H. Nowell-Smith; Penguin Books, 1954)。ま、話としてはデカすぎるネタであります。倫理学的文脈ということは自由意志との関連ですからね。
さいごに少し続きます。
2005年02月15日
■ Science 2/11 leech decision
"Optical Imaging of Neuronal Populations During Decision-Making." K. L. Briggman, H. D. I. Abarbanel, W. B. Kristan, Jr@UCSD。
ふだん無脊椎動物の仕事はスルーしてしまいがちなのですが、これは何とかフォローしておきたい論文です。Leech(ヒル)のdecisionだそうです。LeechのDP nerveを電気刺激してやると、それに対してあるときはswimming行動を起こすし、またあるときはcrawl行動を起こす。このような行動分岐が起こるときのmidbody segmental ganglionのmembrane potential変化をvoltage sensitive dyeとFRETでimagingしてやる。すると、行動分岐に先だって一番早くニューロンの応答も分岐するものとしてcell208というのを見つけた。(Leechなので個々のニューロンが番号付けしてidentifyすることが可能なわけです。)じっさいにこのcell208を過分極させるとswimming行動が起こり、脱分極させるとcrawl行動が起こった、というものです。
いま調べたところ、behaviorに関してはすでにJNSにThe Journal of Neuroscience, December 15, 2002, 22(24):11045-11054 "Evidence for Sequential Decision Making in the Medicinal Leech."として出版されております。
んで、論文そのものに関してもいろんな点で興味を抱くのですが、私が考えておきたいと思うのは、「はたしてこれは"decision"なのだろうか」、「そもそもdecisionは行動としてどう定義すべきか」ということです。
たいがいperceptual decisionの仕事というものは、ランダムドットのようなambiguousな刺激に対して行動(左右どちらかへサッケードする)が確率的に変わる状況において運動指令自体ではないものを見つけ出そうとするわけです(刺激は同一で行動が分岐する場合)。可能性としてはほかにも「刺激は別だけど行動が同一な場合」とかいくつかのバリエーションが考えられますが、一番取り組みやすいのが前者の「刺激は同一で行動が分岐する場合」というやつでしょう。この論文のイントロでは3種類のストラテジーとして"sensory discrimination"、"choice competition"、"choice variability"という言い方をしてますが、どれも「刺激は同一で行動が分岐する場合」の話なので差があるように思えないんですが。
Glimcherなど、現在のdecisionの研究者たちがdecisionというときにはそれは「たんなる行動の確率的な分岐」だけではなくて、状況を規定するパラメータの変動させることによってどのように合目的に行われているか、というところに主眼があります。(Neuroeconomicsというときにはさらにそのようなパラメータが明示的に示されていない状況、"decision under uncertainty"を取り扱っているわけです。Glimcher論文でもinspection cost Iというやつは明示的に示されていませんでしたよね。) よって、あまりdecisionとは何か、というような根本的な問題には直面しなかったりします。じっさい、decisionのような認知心理学的なタームを議論するというのはじつのところ鬼門で、ちゃんと定式化するなら行動分析学的に取り扱わないといけない、ということになることでしょう。このへんに関して、ちょうどJeffrey D. SchallがCurrent biology 1/11にChoice-Decision- Intention-Actionを分けて説明しようとしている(Jeffrey D. Schall, Decision making, Current Biology, Volume 15, Issue 1, 11 January 2005, Pages R9-R11)のでそれをまとめてみましょう。というかこれの元ネタはNature Review neuroscience '01なんでそちらも読みましょう。(つづきます。)
2005年02月14日
■ 風邪
風邪を引いて寝込んでいたのですが、そうしたら娘がみょうに優しいんです。うれしい。
■ PLoS Biology 2月号
"Parsing a Cognitive Task: A Characterization of the Mind's Bottleneck." Mariano Sigman and Stanislas Dehaene。反応潜時の分布をperception-decision-motorの3段階のモデルで説明して、decisionのところがボトルネックになっている、と主張する論文。以前うちでも取り上げたCarpenterのLATER modelのスレッドとおおいに関係があります。
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2005年02月11日
■ サンボマスターすごい
サンボマスターは君に語りかける と
新しき日本語ロックの道と光 と
を聴いたのですけど、すばらしすぎます。むりやり形容すれば、スリーピースのギターロック+ジェームス・ブラウンなんだけど、ボーカルがすばらしすぎます。私にとってはエレカシ宮本以来の衝撃です。これはライブに行かなくては、と思って調べてみたら、名古屋クラブクアトロ2/17 SOLD OUT。まさにブレークしたところで、アルバムもチャート上位にきているではないですか。ああ、遅かった。(さいきんロッキンオンジャパンとかもう読まなくなったからこういう盛り上がりに疎くなった。)
もうこれは友人に勧めてまわらないと。つーかご無沙汰してますけど元気にしてます?
# ii
脳科学入門ほやほやの学部4年のiiです。
まだ1つづつ論文読むのがやっとで、分野全体を幅広く見渡せないので、
いつも学習の参考にさせていただいています。
コメントつけたのは、サンボマスターはさておき(まだちゃんと聴いていない)、
僕もエレカシ(宮本)大好きなので。
同じ分野で同じ趣味の人がいるとうれしいです。
バックナンバーにはかつて聴いていたロックがずらり列挙されていて、ああ、ロック好きでも立派な科学者になれるんだ、と少し胸をなでおろしました(笑)。
これからもロックな脳科学者として活躍お祈りしております。
では。
どうもはじめまして。いやいや、べつに「立派な」科学者ではないですけどね。サンボマスターはエレカシやイースタンユースが好きでしたら間違いなくハマると思います。ということでぜひまた書き込んでください。
# マコちんずっと前の記事にコメント失礼します。私も今現在学部4年でして、まったく知らない脳科学の世界を知るのに、いつも参考にさせて頂いています。
僕も音楽が好きでバンドやったりしてるので、pooneilさんのmusicカテゴリを見て、すごく反応していました。pritty thingsとか^^;
音楽関連のエントリ期待しております。
ども。反応するポイントがpretty thingsですか!!
たしかにここ最近musicカテゴリで書いてないですね。
あまり新しい音楽聞いてないのが如実に出てます。
これからもぜひまた見に来てください。
2005年02月09日
■ Plaid (Movshon vs. Born)
続きです。図2-4はおまけです。繰り返しますが、あくまで簡素なデモですので、いろいろ正確ではありません。たとえば、図3の赤と緑は等輝度ではないし。
図2
(追記:記述をアップデートさせました。)図2はAdelson and Movshon '82 Natureを元に。格子模様(plaid)が一つの固まりとして動いて見えるか、それとも二方向に独立して動く縞模様(grating)として見えるかどうかはいくつかのパラメータに依存しており、図2のように縞模様のコントラストが方向によって違うときには独立した二方向の縞模様として見えることを報告しました。なお、のちにStoner and Albrightは'98 Vision Researchにてこの効果が、コントラストが高い縞模様のほうがコントラストが低い縞模様よりも手前に見えるように脳が推測するためである、とする証拠を提出しています。
図3
図3はKingdom FAA '03 Nature Neuroscienceを真似したものです。輝度変化に基づいた縞模様(黄色と黒)と等輝度での色相変化だけによる縞模様(赤と緑)とを重ね合わせると、手前に色の縞模様が、奥の方に輝度による縞模様が見えて別々に動いているように見えるわけです(輝度による縞模様は川の流れの波紋の影のように見えると思います)。つまり、図2のような見かけの前後方向の知覚がここでは縞模様のパターンが色相によるか輝度によるかの違いによってできるというわけです。著者はこれを脳が格子模様を解釈するときに、実生活での陰の付き方の知識を援用しているためであるとしています。
図4
図4はAlbright and Ramachandran '90 Natureを真似したものです。格子模様が一つの固まりとして動いて見えるか、それとも二方向に独立して動く縞模様(grating)として見えるか、の決定要因としてここで彼らは縞模様が交わっている部分の輝度に注目しています。図3では重なりの部分の輝度をいくつか変えたものを切り替えて示しています。0が一番暗い場合、0.5が一番明るい場合で、どちらとも格子模様は固まって動いているように見えると思います。いっぽう、その中間(0.1-0.3)あたりのどこかでは二方向の縞模様が独立して動いているように見えるところがあると思います。これはこの中間の輝度では、重なり部分が透明になっているように脳が解釈しているためである、というわけです。ガラスの向こうに景色が映っているように解釈する、というわけで、つまりは脳はこのような格子模様を解釈するときにそのような知識を援用している、というわけです。
2005年02月08日
■ plaid (Movshon vs. Born)
図1
いつも先走りぎみなのですこし丁寧にいってみます。
"Dynamics of motion signaling by neurons in macaque area MT." J Anthony Movshon。格子模様(plaid:発音注意。pl[ae]dです)の話。Gifアニメーションで作ってみました(図1)。縞模様が動いているところ(右上方向)にもうひとつ角度の違う縞模様が動いているの(右下方向)を重ねると格子模様が右真横方向に動いているように見えるわけです。なお、この図はガンマ補正のことをまったく考慮していない簡素なつくりですのでご注意を。以下がmatlabのコード。
clear all;close all; M=[]; angledeg=60;anglerad=angledeg*pi/180; freq=15;f=2*pi/freq; [XW,YW]=meshgrid(-63:63,-63:63); gauss=exp(-(XW/32).^2-(YW/32).^2); a1=cos(anglerad)*f; b1=sin(anglerad)*f; for j=1:3 for theta=5:25:1000 [XI,YI]=meshgrid(1-theta:127-theta,1-theta:127-theta); ZI1=gauss.*sin(a1*XI+b1*YI); ZI2=flipud(ZI1); ZI3=(ZI1+ZI2)/2; if j==1, Z=ZI1; elseif j==2, Z=ZI2; elseif j==3, Z=ZI3; end ZR(:,:,1)=(Z+1)/2; ZR(:,:,2)=(Z+1)/2; ZR(:,:,3)=(Z+1)/2; h=imshow(ZR); M=[M;getframe]; end end
これをmovie2avi.mでaviファイルに変換して、それをフリーソフトでGIFアニメに変換しました。(ところで、いつのまにかUNISYSのGIF特許は失効していたのですね。)
いまだにmeshgridの使い方がマスターできていないのでYahoo groupのPsychophysics ToolboxでのDenis Pelli@NYUのリプライを元ネタに改変しました。なお、Denis Pelliは Psychophysics Toolboxの元となったThe VideoToolboxの作者として有名だと思いますが、わたしはQUEST: a Bayesian adaptive psychometric method (pdf file)の著者としてはじめてその名を知りました。
つづきます。
2005年02月07日
■ Nature Neurosceince 2月号
- "Invariant computations in local cortical networks with balanced excitation and inhibition." Mriganka Sur。V1のSimple cellのorientation tuningが刺激のコントラストによらず一定のwidthを保っている(gainだけが変わる)というcontrast invarianceの問題というのがずっと議論されてきています。なんでこれが問題なのかというと、もし単純なモデルで、単にいろんな位置の点に反応するLGNニューロンからの出力を足し合わせてそれを閾値で切ってsimple cellの応答が出てくる、というものを想定すると、刺激のコントラストによってorientation tuningのwidthが変わってしまう、つまり入力によって切られる閾値の位置が変わるので氷山の頭みたいなtunin curveになってしまうので実験データにあわないのです。このため、V1内での局所回路による修飾でこのようなinvarianceを実現しているのだろう、ということが議論されてきたわけです。Fersterのin vivo intraでのstochastic resonanceか?って論文(Science)もこの問いに答えるためのものでした。つまり、この議論はV1 simple cellのorientation tuningがLGNからのfeedforwardの入力だけで決まっているのか、それともV1内での局所回路による修飾が不可欠なのか、という議論と直結しているわけです。んで、今回の論文では「局所回路の結合が興奮性、抑制性ともにanatomicalにランダム=等方性になっている」ことによってこれが実現されている、というのですな。このあいだのHenry MarkramのPNASとも関係してくる様子。
- Nature Neuroscience 8, 123 (2005) "Editorial: Running the numbers" Editorialにて、Nature Neurscienceの投稿者へのinstructionに統計のガイドラインが付いたことに関して書かれてます。以前JNPの統計の使い方のガイドラインがアップデートされたときにまとめを作りましたが(20040816および20040817)、それと比べるとほんとうに最小限のことだけで、(1) 多重比較でtype I errorの調整をする、(2) データの分散が正規分布の仮定を満たしているかどうかチェックする、(3) サンプルの数が少ない(10以下)場合にはそのサンプルサイズで有意差検定をしていいというjustificationが必要、とどれもがあたりまえのことばかりです。あ、チェックリスト(word文書)は重要ですな。
- "Is the extrastriate body area involved in motor actions?"
- "Using visual direction in three-dimensional motion perception."
- "Dynamics of motion signaling by neurons in macaque area MT." J Anthony Movshon。今度採りあげるネタはこれにするので、また次回。
- "Striate cortex (V1) activity gates awareness of motion." Vincent Walsh。これに関してもScience. 2001 Apr 20;292(5516):510-2 "Fast backprojections from the motion to the primary visual area necessary for visual awareness." Pascual-Leone A, Walsh VおよびNeuroreport. 2000 Sep 28;11(14):3269-73 "Magnetically induced phosphenes in sighted, blind and blindsighted observers." Cowey A, Walsh Vと併せていつかは採りあげましょう。
というわけで当分は採りあげるネタには困らないのではありますが。
2005年02月04日
■ Lab Beer
楽しく飲んだ。カタカナ語を使わないゲームから本題へと。いい飲み会だったです。帰ってきてこれからMATLABでGIFアニメを作るのを試行錯誤。
2005年02月03日
■ Transient Attention Enhances Perceptual Performance and fMRI Response in Human Visual Cortex
"Transient Attention Enhances Perceptual Performance and fMRI Response in Human Visual Cortex" Neuron, Volume 45, Issue 3, 3 February 2005, Pages 469-477. Taosheng Liu, Franco Pestilli and Marisa Carrasco。
Carrascoはpsychophysicistで、convert attentionが検出能を上げるというときになにを向上させているのか、spatial resolutionである(Nature '98)とか、appearance=perceived brightnessも変わる (Nature Neuroscience '03)とかいろいろ成果を上げています。基本的にbottomn-upのattentionに関して。
今回の論文はfMRIでgoal-directedの要素がない(prior probabilityに変化をもたらさないprecueを使った)attention taskでもearly visual cortexの応答が増加していること、しかもそれがprecueとtargetのシグナルのsummationによらないこと、を示しています。
これをどうやっているかというと、precue条件(cueが先でtargetが後)とpostcue条件(targetが先でcueが後)とを比較することによって、刺激への暴露時間は揃えておいて比較する、ということをやっています。これはfMRIが時間分解能がないからこの二つの条件を時間ドメインで分解できないだけで、電気生理でやるならかなりアホな条件、というか解釈が難しくなる(すくなくともprecueとtargetが物理的にまったく同じ条件にしておく必要がある)実験デザインです。行動データを見ててもpostcueによるマスキングの効果を考慮しないといけなさそうだし。MRのシグナルchangeへのprecueの効果がV1<V2<V3<V3a=V4(Fig.6)というのはもっともらしいけれど。
■ 論文いろいろ
Neuron 2/3
- "Positive Feedback in a Brainstem Tactile Sensorimotor Loop." Neuron, Volume 45, Issue 3, 3 February 2005, Pages 447-457 Quoc-Thang Nguyen and David Kleinfeld
- "Navigating a Sensorimotor Loop." Neuron, Volume 45, Issue 3, 3 February 2005, Pages 329-330. Erika E. Fanselow and Barry W. Connors
JNS 2/2
- "Neural Correlates of Relational Memory: Successful Encoding and Retrieval of Semantic and Perceptual Associations." J. Neurosci. 25: 1203-1210; Steven E. Prince, Sander M. Daselaar, and Roberto Cabeza [EndNote format] Source memoryまたはsource monitoringのことをわざわざrelational memoryと言い換えているのはなんらかの深謀遠慮があるのだと思うけれど、ご存知の方、教えてください。
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- / 投稿日: 2005年02月03日
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2005年02月02日
■ 生理学会要旨
の提出間に合いました。締め切りが後ろにずれたので駆け込みセーフ。で一息ついてたらまた大変でtrouble coming everydayというかんじです。
# nikkei225
みんなの科学改めnikkei225です。
日本神経科学大会の方もお忘れなく。
演題締めきりは2月14日です。
あー、おつかれさまです。準備のほうはいかがでしょうか。神経科学会も演題を出します。要旨の文字数が生理学会よりもさらに少ないんですよね。いまのところuminのサイトにはダミーデータだけ入れてあります。ということで、横浜で会いましょう! 仙台には行かないですか? 私は4-7月は学会ラッシュです。
ハンドルネームはべつに英数字である必要はないと思いますよ。たんにはてなダイアリーのidが英数字でないといけないので自動的にidが入っているだけでして。
もし参戦されるならはてなダイアリーが一番楽だと思いますが、movable typeはタダで3つまでサイトが構築できるので、私の借りてるところにサブドメインを作ってそこでやってもらうことも可能ですよ。
ご隠居さんのとこでの話題ですが。
以前ちょっと長い日本語ハンドルネームを使ったら拒否されたことがありまして、それで勘違いをしてたんですね。
この場をお借りして日本神経科学大会の宣伝をしてしまってすみません。もうオープンにしてもよいのかも知れないですが、確か鳥のエピソード(的)記憶をやっている方なんかもシンポジウムに来られる予定ではなかったかな。この機会に学会員、非学会員問わず、たくさんの神経科学の研究者のご参加をお願い申し上げます。7月26-28日パシフィコ横浜です。<しっかり宣伝してる。
2005年02月01日
■ 敬称続き。
cogniさんの20050131を見てて「氏」のことを忘れていることに気付きました。20040116でも自分で書いてるし。最近見た関連記事:小林Scrap Book Heartlogic。
というわけで、「ネット上で知り合った人」と「それ以外の人」、という分類では足りなくて、「それ以外の人」というのには「面識のある人」と「面識のない人」というのがあって、後者では「氏」を使ってきたわけですな。さいきんほとんどそういう機会がないので忘れてました。ネット上で著名人に言及したりすることはほとんどないし(ミュージシャンくらいだけどたいがい外人だし)、まだコミュニケーションを取ったことのない有名サイトに言及するときとかはURLだけで示すことで回避してきたわけだし。このへんは距離感覚のとり方があらわれてくる、ということなのでしょう。
ryasudaさんのところでも関連コメントが。私も似たような文化にいたのですが、はじめは驚きました。中学生のときに50歳も年上の大先輩を「さん」付けしなければならなかったのですから。もちろんこれはタメ口使っていいということではまったくなくて、そういうグループに属しているという自負とともにあることだったのですが。
お勧めエントリ
- 細胞外電極はなにを見ているか(1) 20080727 (2) リニューアル版 20081107
- 総説 長期記憶の脳内メカニズム 20100909
- 駒場講義2013 「意識の科学的研究 - 盲視を起点に」20130626
- 駒場講義2012レジメ 意識と注意の脳内メカニズム(1) 注意 20121010 (2) 意識 20121011
- 視覚、注意、言語で3*2の背側、腹側経路説 20140119
- 脳科学辞典の項目書いた 「盲視」 20130407
- 脳科学辞典の項目書いた 「気づき」 20130228
- 脳科学辞典の項目書いた 「サリエンシー」 20121224
- 脳科学辞典の項目書いた 「マイクロサッケード」 20121227
- 盲視でおこる「なにかあるかんじ」 20110126
- DKL色空間についてまとめ 20090113
- 科学基礎論学会 秋の研究例会 ワークショップ「意識の神経科学と神経現象学」レジメ 20131102
- ギャラガー&ザハヴィ『現象学的な心』合評会レジメ 20130628
- Marrのrepresentationとprocessをベイトソン流に解釈する (1) 20100317 (2) 20100317
- 半側空間無視と同名半盲とは区別できるか?(1) 20080220 (2) 半側空間無視の原因部位は? 20080221
- MarrのVisionの最初と最後だけを読む 20071213