[月別過去ログ] 2005年03月
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■ 論文いろいろ
このエントリは後付け過去日記です。
Vision Research 6月号
- "Attention enhances contrast sensitivity at cued and impairs it at uncued locations." Marisa Carrasco。
Neuropsychologia
- "The case of K.C.: contributions of a memory-impaired person to memory theory." Endel Tulving。エピソード記憶が選択的に傷害されていて、意味記憶が比較的保持されているという患者K.C.さんについてのこれまでの知見のレビュー。K.C.さんの症状に関しては20041130にまとめがあります。
Nature 3/17
JNS 3/16
Nature Neuroscience 4月号
- "Optic ataxia errors depend on remapped, not viewed, target location."
- "Receptive field structure varies with layer in the primary visual cortex."
- "Attending to local form while ignoring global aspects depends on handedness: evidence from TMS."
- "Spatial selectivity in human ventrolateral prefrontal cortex." Richard A Andersen。HumanのvPFCのspatial selectivity。Neuroprosthesis関連。
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2005年03月28日
■ 顕微鏡で遊んだ
ご無沙汰しております。元気です。
- 愛する妻が部屋を掃除していたら彼女のお兄さんが使っていたという顕微鏡が出てきました。検印に昭和40年とか書いてある。もの持ち良すぎ。というわけでさっそく子供たちとこれを使って遊んでみました。
- むかし理科の授業で使ったような正立顕微鏡で、ミラーを使って光を集めてやらないといけない。出来合いの標本(竹の切片を染色して封入したもの)があったのでまずはこれが見えるか試してみました。部屋の蛍光灯の電気で充分かと思ったらぜんぜん見えない。暗いなりに見えるように鏡の位置を合わせて息子たちに顕微鏡をのぞかせてみるが、いまいち要領がわからないようす。もっと徹底的に明るくしてやらないといけないということに思いあたり、寝室のスタンドを持ってきてミラーの前に置いてやると画像が劇的に改善。子供たちも竹の維管束の構造をみておおすごい、とおおよろこびです。親の面目回復。
- いろいろ標本を作ってみます。まずは髪の毛。透明でないのでいまいちおもしろくない。お次は息子が提案した、口腔の上皮細胞。口の中の粘膜をスプーンでこそぎとる、という定番のやつなんだけど、なんでそんなこと知ってんだ。無染色なのでミラーの位置を少し斜めにしてやって暗視野っぽくしてやると平べったい細胞が見えます。息子は人間がたくさんの細胞からできていることを実感して感慨深げ。あれ見たいこれ見たいとおもしろがっている様子で私もうれしい。
- 標本は薄いものがいいのだということを教えてあげると、じゃあティッシュペーパーを見たいという。なるほど。というわけで見てみると繊維が絡まっているのが見えて、これは予想外だったらしく驚いていました。ニューロンみたいだね、なんて言ってる。そんな言葉教えたことないんだが。こんど私の作った標本を見せてやろう。CTBでゴルジ染色っぽくニューロンの細胞体と軸索と樹状突起とが染まってるやつを見せればお父さんがどういう仕事をしているのかもう少しイメージできるかもしれない。
- 娘が飽きてきたのでそろそろ野外に出て標本探しをしてみます。私はタンポポの綿毛を発見して確保。息子はタンポポの雌しべを見ることに決めました。タンポポの綿毛は拡大すると箒のようで、毛の部分に細かいギザギザがある。顕微鏡の対物レンズの回し方や接眼レンズの取り替え方などを少しずつ教えると、息子はだんだん一人でできるようになってくる。スライドガラスをずらして見たいところを変えられることを教えてあげると、綿毛の根元の部分を拡大するとごっついトゲトゲがある(これで風に飛ばされるまでは引っ付いているのでしょう)ことを発見してお母さんにも報告している。タンポポの雌しべには花粉がついているのを発見。
- そうこうしているとなぜか私の鼻から鼻血が垂れてくる(花粉症で鼻のかみ過ぎ)。ちょうどいいや、ということで鼻血をカバーガラスで封入して血液を見てみました。これが赤血球だよ、なんて言うとそんなこと知ってるよ、という口ぶり。
- そろそろきりがないのでまた今度やることを約束して終了。
- そんな楽しい休日でした。
2005年03月15日
■ 論文いろいろ
このエントリは後付け過去日記です。
Science 3/11
- "Adaptive Coding of Reward Value by Dopamine Neurons." Wolfram Schultz。
JNS 3/9
PNAS 3/8
- "Cortical processing of a brightness illusion." Anna Wang Roe
Current Biology 3/8
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2005年03月05日
■ 論文いろいろ
このエントリは後付け過去日記です。
Science 3/4
- "How Visual Stimuli Activate Dopaminergic Neurons at Short Latency." Peter Redgrave。以前のNature Neuroscience '03 ("A direct projection from superior colliculus to substantia nigra for detecting salient visual events.")の続編ですな。
Consciousness and Cognition 3月号
- "Neurobiology of Animal Consciousness"という特集です。たとえば以下のやつ。
- "Identifying hallmarks of consciousness in non-mammalian species." David B. Edelman, Bernard J. Baars and Anil K. Seth
Neuron 3/3
- "Neural Correlates of Reaching Decisions in Dorsal Premotor Cortex: Specification of Multiple Direction Choices and Final Selection of Action." John F. Kalaska。
- "Spatial Structure of Complex Cell Receptive Fields Measured with Natural Images." Yang Dan。[Reverse Correlation (逆相関法)]スレッドで扱ったnatural stimuliによるreceptive field mapping関連。
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2005年03月03日
■ 論文いろいろ3/3
Nature 3/3
- Synaesthesia: When coloured sounds taste sweet 文字に色を感じる共感覚者でのストループ課題、という話は前にあったけど(MattingleyのNature)、今回は音程に味を感じる共感覚者(E.S.さん)で同様なストループ課題を行った話のようです。
- Image segmentation and lightness perception コンテキストによって明るさが違って見える、という錯覚の話なんだけれど、あの市松模様に影が当たっているところと当たってないところが同じってやつ(「脳と視覚」Richard Gregoryとかに載ってるやつ)の発展形みたいな話でしょうか。
JNP
- "Contrast Dependence of Suppressive Influences in Cortical Area MT of Alert Macaque" Christopher C. Pack, J. Nicholas Hunter and Richard T. Born
- "Analysis and Design of Behavioral Experiments to Characterize Population Learning." Anne C. Smith, Mark R. Stefani, Bita Moghaddam, and Emery N. Brown。JNSの載ってたやつの続きみたいなもんでしょうか。
- "Visuotopic Mapping Through a Multichannel Stimulating Implant in Primate V1." D. C. Bradley, P. R. Troyk, J. A. Berg, M. Bak, S. Cogan, R. Erickson, C. Kufta, M. Mascaro, D. McCreery, E. M. Schmidt, V. L. Towle, and H. Xu
- "Peaked Encoding of Relative Luminance in Macaque Areas V1 and V2." Xinmiao Peng, and David C. Van Essen
- "Object Perception in Natural Scenes: Encoding by Inferior Temporal Cortex Simultaneously Recorded Neurons." Nikolaos C. Aggelopoulos, Leonardo Franco, and Edmund T. Rolls
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■ アナウンス
サイトを無理せず続けてゆくため、更新は不定期にしてペースを落とします。というわけで、タイトルを少々変えました。アンテナやRSSリーダなどで更新を検出したときにでもぼちぼち見ていただけたら幸いです。
お勧めエントリ
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- 総説 長期記憶の脳内メカニズム 20100909
- 駒場講義2013 「意識の科学的研究 - 盲視を起点に」20130626
- 駒場講義2012レジメ 意識と注意の脳内メカニズム(1) 注意 20121010 (2) 意識 20121011
- 視覚、注意、言語で3*2の背側、腹側経路説 20140119
- 脳科学辞典の項目書いた 「盲視」 20130407
- 脳科学辞典の項目書いた 「気づき」 20130228
- 脳科学辞典の項目書いた 「サリエンシー」 20121224
- 脳科学辞典の項目書いた 「マイクロサッケード」 20121227
- 盲視でおこる「なにかあるかんじ」 20110126
- DKL色空間についてまとめ 20090113
- 科学基礎論学会 秋の研究例会 ワークショップ「意識の神経科学と神経現象学」レジメ 20131102
- ギャラガー&ザハヴィ『現象学的な心』合評会レジメ 20130628
- Marrのrepresentationとprocessをベイトソン流に解釈する (1) 20100317 (2) 20100317
- 半側空間無視と同名半盲とは区別できるか?(1) 20080220 (2) 半側空間無視の原因部位は? 20080221
- MarrのVisionの最初と最後だけを読む 20071213