[月別過去ログ] 2022年04月

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2022年04月24日

リルケの「ドゥイノの悲歌」と「開かれ」

(20151115) なんとなく詩が読みたいと思って先週借りてあったリルケの「ドゥイノの悲歌」を読んでる。案外覚えてた。大きい数字がきっちり割り切れるところとか、軽業師についての言及とか。以前読んだのは学部の頃だろうか。当然岩波文庫の改版前のものだ。どっかにドイツ語の原書があるのだが、実家だったか?

「ドゥイノの悲歌」の第8悲歌は「動物と人間」がテーマで、「動物にとって開かれている」という表現がハイデガーの批評の対象となったとかは知らなかった。さらにまさにこれをテーマとした「開かれ 人間と動物」アガンベンという本もあることを知った。読めるかどうか分からないが借りてこよう。

『ドゥイノの悲歌』の第八悲歌の解釈 独語独文学科研究年報, 16: 53-66 良い資料も見つかったので、ドイツ語で読むか。(<-ぜったいやらない系)


(20190922) 再び「ドゥイノの悲歌」を読みたくなって、「新訳リルケ詩集」(富岡近雄 訳、郁文堂 2003)を借りてきた。ちょっと積んでおく(読むとは言わない)。つか昔丸善でハードカバーで買ったものだが、今はネットで原文にアクセスできるな。

「ドゥイノの悲歌」は第8章が動物と人間の心について比較しているところがあって、違った方面からも面白いのだった。

Wikipediaの解説を読むと、

作品の基底には「全一の世界」、つまり目に見えるもの・見えないものを含むあらゆる事象が相互に関連し一つの統合をなしているというリルケの考えがあり

とか書いてあって、また繋がったよ!とか思う。(<-Jumping-to-conclusionバイアス)


(20200721) リルケの「ドゥイノの悲歌」が好きで、たまにマイブームが来るのだけど、今回はDeepL翻訳を使って独英対応させながら読んでた。

第8悲歌で動物の意識に言及して「開かれ」Das Offeneという概念が出てくる。新約リルケ詩集(郁文堂)にリルケによる説明(書簡)があった(p.421)。

「動物の意識の程度は、(私たちが為すように)世界をあらゆる瞬間に自己に対置することなく、自己をそっくりそのまま世界の中に置くのです。私たちは、私たちの意識が取った独特の展開と強調によって、世界の前に立っているのです…動物や花はおそらく、自らは全くそれとは理解することもなく、開かれた世界のものであり、そして自分の前に、自分の上にあの名状しがたい開かれた自由を持っているのです。このような自由は、ひょっとしたら初めての愛の瞬間に…そして神への献身のうちに、私たちが(ほんの一瞬の間)その等価物を見出すようなものです」

ハイデガーも「開かれ」という言葉を使っているけど、逆に使っているらしい。「ヴェールを剥ぎ取られた存在を名指す開かれを見ることができるのは、人間だけ、いやむしろ、真の思惟の本質的なまなざしだけである。逆に、動物は、この開かれをけっして見ることがない」(「開かれ」アガンベンp.102より)

意識を考えるにあたって、どこかでこういう「実存」について考える必要があるだろうなあとは思うのだけど、なんかハイデガーのこういうところが馴染めない。リルケの言ってることのほうが理解可能に思う。仏教っぽいからかもしれない。

「開かれ」については「ハイデガーと生き物の問題」(串田 純一)の第3章で「自然全体のただ中で脱抑止の連関にとらわれているものとしての生き物」の関連で言及されている。

「開かれ」についてなんでこだわっているかというと、オートポイエーシスにおけるorganizational closureとどっかでつながらんかなと思っている。


(20220424) 今回は札幌中央図書館で「リルケ全集第4巻 詩集IV」(河出書房新社 1991)を借りてきた。これには「ドゥイノの悲歌」の翻訳に加えて250ページ分の解説がついてる。さて今回はどこまで行けるだろうか。


2022年04月16日

「バラ園、水平線、おだのぶなが」(さうして、このごろ2021年10月版)

ここが私の好きな場所。工学部前の噴水。弁当買ってきてここで食べたりする。ほんとうは大野池でゆっくりしたいのだけど、あそこは人が多くてベンチも埋まっているいことが多い。

ひさびさに東岡崎駅前に戻ってきた。ここがジョギングしたところ、ここが新しくなっている、とか思いつつ、でもさっぱりエモくならず、感情の平板化を再認識するだけだった。

水平線の距離は4.5kmという話、ウィキペの「水平線」見て計算してみた。[地球の半径R(=6378km)]と[R+身長h]と[水平線の距離x]の直角三角形で x^2+R^2=(R+h)^2 だから、 x=\sqrt(h \cdot (h+2R))\simeq \sqrt(h \cdot 2R)=\sqrt(1.8/1000 \cdot 2 \cdot 6378)=4.8km でもその理屈だと地面に這いつくばる(h=0.2m)と1.6kmになるんだがいいのか?


北大植物園に行ってきた。昨年10/31に行って以来1年ぶり。緊急事態宣言の間ずっと閉館していたので。バラ園では赤いバラがなんか光って見えるのに惹き寄せられた。でもそれは、写真には映らない。あれは、なんでがな あつたらうか?


「江別古墳群」 へー北海道にも古墳あるんだと思って読み進めたら「北大医学部陽子線研究施設で発見された古墳」って書いてある!これ仕事場の眼の前なんですけど!調べてみたら、サクシュコトニ川沿いには擦文文化(この言葉もはじめて知った)の竪穴住居とかがある(K39遺跡)。

北大埋蔵文化財調査室というところがニュースレター詳細なレポートを出している。北大遺跡保存庭園とかもいったことがない。北大内、まだまだ知らないことが多すぎる。


札幌ではここしばらく寒い雨が降る日が続いたけど、今日は快晴で気温も17度くらいまで上がるとのこと。北13条門前のイチョウ並木にも、紅葉を観にきた人たちが今日はたくさんいる。北大のイチョウの最盛期はたぶん来週だけど。今日は私も円山公園にでも行ってこようと思う。

けっきょく出発が15時に。中央図書館に行ってから円山公園まで行って帰ってきた。14kmくらい。もうすっかり日が暮れていたので、円山動物園と円山球場からの下り坂を自転車を押して散歩した。


途中で撮った写真。 私の好きな場所1: 南21条西15交差点。電車事業所への引込線があるため、やたらとたくさん架線があるところがいい。 私の好きな場所2: 北5条西8交差点。サクシュコトニ川の水源を敷地内に持つタワマンのすぐ向こうにラーメン二郎が見える。その取り合わせがなんか味わい深い。


(10/31) 職場の前の北13条門イチョウ並木がいいかんじに紅葉してきた(金曜に撮影)。昨日土曜は紅葉を見に来た人たちで混雑して、まるで観光地のようだった。


「おだのぶなが」を"uwoda"で発音する技法を編み出した。

「どらえもん」をasahi super dryみたいにdryemonと発音する技法も編み出した。

New Radicalsの“You Get What You Give”のPVをひさびさに観て、90年代後半にメンタルタイムトラベルした。戸崎町のTSUTAYAがまだ「ディスクステーション岡崎」って名前で、試聴用のCDプレイヤーが並んでて、賑やかで混んでて、音楽が私にとって重要で、強い力を持っていた。

秋になってふたたびコバエとの闘いが始まったが、寒い季節になったらまったく現れなくなった。でも吉田は今日も生きている。吉田とコバエでは吉田のほうが生命力が高いらしい。よし、来年まで生き抜くぞ!

Turtle (タートル)もTortoise (トータス)も亀感あるけど(音韻的な意味で)、Terrapin (テラピン)って亀っぽくなくない?もっと平べったくて、流線型で、水を切って速く泳ぎそうな感じがするんだけど。


お勧めエントリ

  • 細胞外電極はなにを見ているか(1) 20080727 (2) リニューアル版 20081107
  • 総説 長期記憶の脳内メカニズム 20100909
  • 駒場講義2013 「意識の科学的研究 - 盲視を起点に」20130626
  • 駒場講義2012レジメ 意識と注意の脳内メカニズム(1) 注意 20121010 (2) 意識 20121011
  • 視覚、注意、言語で3*2の背側、腹側経路説 20140119
  • 脳科学辞典の項目書いた 「盲視」 20130407
  • 脳科学辞典の項目書いた 「気づき」 20130228
  • 脳科学辞典の項目書いた 「サリエンシー」 20121224
  • 脳科学辞典の項目書いた 「マイクロサッケード」 20121227
  • 盲視でおこる「なにかあるかんじ」 20110126
  • DKL色空間についてまとめ 20090113
  • 科学基礎論学会 秋の研究例会 ワークショップ「意識の神経科学と神経現象学」レジメ 20131102
  • ギャラガー&ザハヴィ『現象学的な心』合評会レジメ 20130628
  • Marrのrepresentationとprocessをベイトソン流に解釈する (1) 20100317 (2) 20100317
  • 半側空間無視と同名半盲とは区別できるか?(1) 20080220 (2) 半側空間無視の原因部位は? 20080221
  • MarrのVisionの最初と最後だけを読む 20071213

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