自己紹介

私、吉田 正俊がいま考えている事について日々書き足してゆくサイトです。ここではpooneilさんで通してます。よければご協力を。現在は、生理学研究所の助手として意識と脳の関係についてとりくんでいます。所属ラボの公式サイトへのリンク。私自身の生理研でのサイトへのリンク。Publicationについてなどはこちらで情報を更新してゆきます。


カテゴリー別保管庫=おすすめスレッドリスト

初めての方はこちらのアーカイブからたどるほうが話の流れが追いやすいかと思います。関連する話題ごとにまとめて読むことができます。Movable typeのカテゴリーアーカイブの機能を利用して、新しいスレッドが出来次第随時この項目は増えてゆきます。
  • ASCONE2010 「意識の実体に迫る」[4]
  • Alva Noeの知覚理論[11] UC Berkeleyの哲学者Alva Noeによる「perceptionとは、行動と結びついたactiveな過程である」という考えについてarational agentさんがコメントしています。
  • BMI, BCI and neural prosthesis[12] 脳から記録した情報を使って行動を可能とするneural prosthesisを目的としたBMI(brain-machine interface) and BCI(brain-computer interface)に関する論文が増えてきてます。どのようにして脳の情報をデコードするか、という学術的な側面だけでなく、生理学が医療に直接貢献できるかどうか、という点でも重要なトピックです。
  • Carpenter's LATER model[7] 一般に行動の反応潜時は逆数を取ると正規分布する。これをニューロン集団が表象する意思決定シグナルが時間とともに蓄積して閾値に達するというモデルにおいて蓄積速度が正規分布する、というLATER modelをCarpenterは作り、説明をしようとした。
  • Episodic-like memory[10] エンデル・タルヴィングの最新の定義によれば、エピソード記憶とは過去の出来事に自分の身をおいて追体験する'mental time travel'である。意識の存在を実証できない動物において、そのようなmental time travelは可能か、もしくはそれのアナログとなるものは存在しうるか。
  • Music[45] 聴いてる音楽についていろいろ。20050619に雑記カテゴリーから独立。
  • Paper archive[258] 古い論文コメントもしくは論文リストはべつに分けておきます。
  • Papers_unclassified[43] 分類がまだの論文コメントはこちらに入れます。
  • Saliencyと眼球運動[7] 視野の中にどれだけ注意を惹くものがあるか、という視野のボトムアップの特性であるsaliency(顕著性)が眼球運動による視野探索に関してどのくらい影響を及ぼすか、という計算論的な仕事があります。そのへんをフォローしてます。
  • Two-photon in vivo imaging[4] ニューロンの活動を電極でひとつずつ記録してゆく'single-unit recording'と、脳全体の活動を見ることはできるけれども個々のニューロンの動態はわからない機能イメージング(fMRIなど)、この両者が抱える限界を克服するために個々のニューロンの活動を広い範囲から光学的に同時に記録する方法論が発展してきている。
  • 「顔」の表象[5]
  • よっしーブログ[2]
  • オートポイエーシスと神経現象学[9] 人間が世界を見るとき、一人称の世界から環境と関係するといったある種閉じた状況としてしか捉えることができない。脳を明らかにすることで人間の心を明らかに使用とするときに見えてくる三人称的世界と一人称的世界とのギャップの問題を、あくまでシステムの中から見る立場を徹底することで克服しようと試みた体系がオートポイエーシス。だが、当時発展しつつあった自己組織化の概念と混ざりあってしまったために定式化の問題を抱えてしまった。そのエッセンスをなんらかの形で継承していくことができないか考えつづけている。
  • クオリアについての「心の哲学」[9] Qualia-MLで村上/felineさんとともにStanford Encyclopedia of PhilosophyのQualiaの項目を読みながらあれこれと議論した記録。広義のクオリア、知識論法、逆転スペクトル、逆転地球、などの基礎的な事項がおさえられてます。
  • コネクトーム・コネクトミクス[2] 脳のニューロンの結合関係を網羅的に記述するという大プロジェクトが始まっています。
  • サッカード中の知覚安定性[5] 時計の秒針に目をやった瞬間、秒針がとまったように見えることがある。これがChronostasisだ。人間は目を動かしている途中には視覚情報が入ってこないように情報をシャットアウトしている。そしてシャットアウトされている期間、人間の脳は目を動かす直前まで時間を巻き戻しているのだ。
  • セルアセンブリ (cell assembly)[19] Ikegaya '04 Science。池谷裕二君がRafael Yusteのところに留学して行った仕事。大脳皮質の切片上で自発的に活動するニューロンの活動パターンはまったくのランダムというわけではない。正確に同じ発火パターンを繰り返す'repeating sequence'がある。これと関連づけて、cell assembly関連をここにまとめた。
  • ニューロンの情報コーディング[7]
  • ネットワークの科学(small-world, scale-free)[4]
  • ヒルの意思決定[3] 「Leechのdecision makingのoptical imaging」の論文を元に「そもそもdecisionとは何だ?」という疑問へ移行。
  • 上丘、FEFと眼球運動[16]
  • 伝染するあくび[4] あくびはうつると言うけれどもこれは「共感」などの高次な機能が備わっていることで可能な現象で、小さい子供ではあくびはうつらない。今回、霊長研の松沢先生がチンパンジーのアイちゃんはあくびがうつることを発見した。
  • 価値による行動選択 (expected value)[18] Newsome '04 Science。ある選択肢のどちらを選ぶかを決めるときに、人間や他の動物はその選択肢の持つ価値(expected value)によって選択する確率を変化させる。大脳皮質頭頂連合野のLIPニューロンはそのようなexpected valueの比をローカルな時間スケールで計算したものを表象していると言う。
  • 内側側頭葉と記憶システム[10]
  • 内部モデル、遠心性コピー、アフォーダンス[18] リゾラッティらが前運動野で発見した「ミラーニューロン」は「自分の行動遂行」と「他者の行動の観察」とでinvariantに活動するニューロンだが、これは頭頂連合野や上側側頭溝などとネットワークを作っている。Arbibがこのシステムをアフォーダンスと結びつけようと考えているが、少なくともオリジナルのJJギブソンによるアフォーダンス理論と脳科学とは食い合わせが悪いはずだ。
  • 初期視覚野[13]
  • 前頭葉および頭頂葉[11]
  • 半側空間無視(Spatial hemineglect)[8] 右頭頂葉の障害によって左半分の視野の無視が起こる半側性空間無視の原因部位は下頭頂回であるとされてきたが、側頭葉と頭頂葉の境界であるtemporoparietal junctionであるとする論文が出て論争となっている。
  • 大学院講義「注意と意識」[1]
  • 大学院講義「記憶の脳内機構」[24] 大学院講義「記憶の脳内機構」の準備のために記憶障害の患者さんの症例研究に基づいて宣言的記憶と非宣言的記憶との分類、エピソード記憶と意味記憶との分類について最新の知見までフォローする。
  • 生理研研究会2007「注意と意志決定の脳内メカニズム」[21] 2007年10月11-12日に開催される生理研研究会「注意と意志決定の脳内メカニズム」に関係するエントリです。研究会について、それから講演者の論文の予習などをここに。
  • 生理研研究会2008「動機づけと社会性の脳内メカニズム」[8] 2008年9月11-12日に開催される生理研研究会「動機づけと社会性の脳内メカニズム」に関係するエントリです。研究会について、それから講演者の論文の予習などをここに。
  • 生理研研究会2009「意識の脳内メカニズム」[10] 2009年9月19-20日に開催される「生理研国際研究集会・意識の脳内メカニズム」(NIPS International Workshop for Scientific Study of Consciousness)に関係するエントリです。研究会について、それから講演者の論文の予習などをここに。
  • 生理研研究会2010「身体性の脳内メカニズム」[13]
  • 知覚的意思決定 (perceptual decision)[7]
  • 神経経済学 (neuroeconomics)[25] Glimcher '04 Neuron。被験者対コンピュータでナッシュ均衡になるようなゲームをしているときの神経活動を記録すると、大脳皮質頭頂連合野LIPは選択肢の期待効用の比を表象していると著者は言うのだが…
  • 第一次運動野[4] 第一次運動野は何をコードしているか、という基本的なことですら現在でも論争が続いているが、StrickとScottの仕事でほぼ決着はついたといえる。Grazianoの仕事はそれに新しい切り口を付け加えたといえるが、microstimulationの特殊性と限界とを踏まえる必要がある。
  • 細胞外電位[6] 細胞外電位(extracellular field potential)がなにを記録しているかについての説明。おそらくはECoGとかBOLDとの関係とかそのへんまで含めるとテクニカルな問題だけではない広がりを持つはず。
  • 統計関連[23]
  • 脳科学メモ[103] 一つの論文についてというよりはもう少し概論的なことについてはこちらに分類してます。
  • 腹側視覚路と背側視覚路[13] Goodale and MilnerはThe visual brain in action (MIT press)において、視覚腹側路がperceptionを、視覚背側路がactionに関わる視覚処理を、というように分けて考えることを提唱したために論争が起こっている。その根拠となったvisual agnosiaおよびoptic ataxiaの症例をよく読みこんで検討する必要がある。
  • 行動の価値 (action value)[10] Samejima '05 Science。日本からも出てきた、free-choice課題によるvalueのcodingのsingle-unit study。線条体では選択肢の(相対的ではなくて)絶対的な価値をコードしている。
  • 視覚的意識 (visual awareness)[51] 両眼視野闘争の系などで、視覚野とawarenessの関係が議論されているのをここに入れる予定。
  • 論文コメントの集約[12] 論文コメントの集約について。元スレッドは文献リストをタグ付けして共有するConnoteaとfolksonomyに関して。
  • 逆相関法 (reverse Correlation)[7] Hasson et.al., Science '04を元に、Reverse Correlation (逆相関法)を非線形的な刺激応答特性を持った高次視覚野で非ランダムな刺激を使っておこなうことの是非について議論してます。
  • 雑記[388] 脳科学関連以外はここに入れてます。おもに生活雑記、ネットでの話題、さいきん聴いたCDについてとか。

注意書き

運営方針:

  • ちゃんと続ける。
  • がんばらない。無理はしない。
  • 自分を楽しませるためにやっていることを忘れない。
これらを守りつつだんだんコミュニティを作ることができたらいいな、と考えます。

コメント書き込みのお願いなど:

  • 論文のディスカッションへの参加をむちゃくちゃ歓迎します。関連する議題を出してくださるのも歓迎です。リクエストもありですが期待はしないでください。
  • 長文コメント超歓迎。長文にしないと十分な議論が出来ません。
  • 書き込みのための登録も不要です。匿名でも書き込みできますが、議論の継続のために識別できる名前を付けていただくことを推奨します。
  • このサイトはMovable Type 3.33-jaを使用して作られています。過去の記事への書き込みでも、メールで著者に知らせてもらえるようになっています。いつでもどこの記事にでも書き込み歓迎です。
  • とくに、googleで探しものをしてこのページを見つけた専門家または関係者の書き込みを激しくencourageします。

使用上の注意:

  • 書き込み送信にけっこう時間がかかるみたいです。お手数かけます。
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  • また、入力フォームから起動して編集したテキストをフォームに流し込めるAreaEditorというのがあります(ソース)。Internet explorerをご使用の方はこれを使うのが便利です。

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  • コメント書き込みをしてくださった方の本名を書き込むことはしません。一方、公に発表された情報に関してはハンドルネームではなく本名で言及し、ハンドルネームと本名とをつなげる情報を書き込むことはしません。

本当に訪問者が知りたい20の質問

1.サイト名とそのアドレス、あなたの希望する呼ばれ方(ハンドルネーム)についてお答えください
pooneilの脳科学論文コメント」。本名は出していますが、「pooneil」で通してます。読み方は「プーニール」です。
2.あなたのサイトがどんなところか、一言でご説明ください
おもに論文コメント日記、たまに生活雑記など。内容はかなり専門家向けで、やさしく説明しようという努力はあまりしてません。脳科学は学際領域であり、一人で全部をカバーできるものではありません。それぞれの分野の本職の方のコメントを期待して書いてます。
3. このサイトへのリンク、サイト内各ページへの直リンクについてどうお考えかお答えください
どこへでもリンクしてもらってけっこうかつ歓迎です。
4. 「サイト上で訪問者にこれだけは絶対にして欲しくない」ということをお答えください
書き込み時のハンドルネームを「通りすがり」や「名無し」にするのはまったく推奨しません。私の本名も出さないでおいてもらえると助かります。
5. このサイトを運営していく上であなたが何を一番重視しているかについてお答えください
「ちゃんと続ける。がんばらない。無理はしない。」という形を保ったうえで有意義な議論ができること。
6. このサイトの更新頻度についてお答えください
一日一回。土日は休み……だったのだけれど、最近は不定期更新です(20070203現在)。テキスト作成自体は書き溜めてから貼っているのでリアルタイム性はありません。勢いで書いて失敗するのを減らすのが狙いです。
7. 1回の更新にかかる時間についてお答えください
30分。調べものをしてると長くなることもあるが、なるたけ短くしたい。ネットにはまる時期は乗り越えたと思うので、うまいこと定常状態を保ちながらいきたいと考えております。
8. 現在の訪問者数と、今後希望する訪問者数についてお答えください
1300 visits/day、3500 pages/dayくらい(20070203現在)。訪問者数よりは、論文コメントへの濃い書き込みが増えることを期待しております。
9. あなたにとって訪問者はどんな存在かお答えください
私の閉じがちな世界を破壊する<他者>。馴れ合いにならずにしかし殺伐とせずにやっていけたらよいと思っています。
10. 閉鎖の予定についてお答えください
将来どこにいるかはわからないけれど、どこかでやり続けるつもりです。
11. あなたの性別についてお答えください
超愛妻家。超子煩悩。
12. あなたの生まれた年代、できればズバリ何年に生まれたかお答えください
ガンダム世代だが、ガンダムは知らない。どちらかというとオタク第三世代のほうにシンパシーあり。そんな多感なバブル世代。
13. 現在のご職業について差し障りない程度にお答えください
研究所の助手。
14. 出身と現住地について差し障りない程度にお答えください
東京生まれの東京育ちにして、現在は地方の30万都市在住。ニセ三河弁が混じる。
15. 振られたときに得意な話題、分野についてお答えください
脳科学のうち、ニューロンの神経活動から個体の行動までのあたりのスケール。細胞内情報伝達や分子生物学的なところはわかってない。
16. あなたが一番良く使っているパソコンの性能、接続環境について分かる範囲でお答えください
Windows XP。
17. 毎日あなたが閲覧するサイトの数をお答えください
Firefoxのプラグインsageを使ってRSS feedで読むようにします。科学雑誌を含めて70くらい登録してあるけど、その中で読んでいるのは20程度。
18. Webを閲覧し始めた時期についてお答えください
1996年。
19. 初めてサイトを公開した時期についてお答えください
1998/7/19にニフティでサイト開設。そこでのコンテンツをはてなダイアリーに移動しました(2003/11/30)。さらにさくらインターネットでのレンタルサーバ上で稼動するmovable typeにコンテンツを移しました(2004/12/23)。
20. 影響を受けた or 大好き or ここが閉鎖したら落ち込むかも、というサイトがありましたらお答えください
niftyでのwebサイトもはてなでのブログもガヤのサイトからの影響で始めたことだけは明記しておきます。