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■ Christof Koch

セミナーの準備でdetection taskをfMRIで使ってるやつとしては、以前採りあげたHeegerのNature Neuroscience '03 "Neuronal correlates of perception in early visual cortex"を使おうと思ってます。Detection/perceptionのneural correlateとしては、activation patternがhit=false alarm>miss=correct rejectionになってるところが重要なポイントなのですな。Early visual cortexであるにもかかわらず。これが運動系だと、たんなるmotor-related responseである可能性を排除するのが大変なわけだけど。

VikingさんがとりあげているShulman and CorbettaのJNP 2003 "Quantitative Analysis of Attention and Detection Signals During Visual Search"およびその元となっているPNAS 2001 "Multiple neural correlates of detection in the human brain"はstimulus+/-とresponse+/-とが直交する形になってないので、少なくともわたしの目的にはそぐわない。Ventral pathwayがdetectionでdorsal pathwayがsearchであるというストーリーは、本当かどうかは置くとして重要なので読んでおかなくてはならないのだけれど。

ともあれ、Heegerのみたいな結果のものを探していたら、Oliver SacksによるChristof KochのThe Quest for Consciousnessに関する記事を発見。調べたところ、まだ未発表みたい。でも、スゲー関連してるじゃんか。がぜんKochまわりを押さえておこうということに。これで本題へ。前置き長い。

まずcaltechのラボサイト

表紙画像

ご存じのとおり、さいきん、Kochの"The Quest for Consciousness: A Neurobiological Approach"の和訳が岩波から出ました。「意識の探求―神経科学からのアプローチ」。ざっと見、これまでの研究のまとめ的な部分がけっこう多い。上記のOliver Sacksの記事にもあったけど、クリックの"The Astonishing Hypothesis"のsequel (=続編)的な側面が強いようです。訳者であるコッホラボの土谷尚嗣さんのサイトに一章のサンプル有り。これと原著の一章のサンプルとを見比べてみたら、和訳に原著にない文章がある。どういうことなんでしょう。和訳時にコッホがappendした?

Kochはかなり多岐にわたる仕事をしているけど、以前言及したLaurent IttiはKochの仕事のうち、saliency-baseなattentionのcomputational modelの方向を伸ばした人です。ほかにも、ニューロンのcompartment model的な取り扱いについては、local field potentialのモデルの話のところでSTさんの紹介でHoltの論文に言及しました。さいきんもGyörgy Buzsákiとの共著でJNP 2006に関連する論文が出てましたね。(コッホラボから落とせるpdfへのリンク:"On the Origin of the Extracellular Action Potential Waveform")

UC BerkeleyのConversations with Historyでのインタビュー。Transcriptあり。Real audioインストールしてないけど。サールのインタビューもあって、これについては以前なんとかしてoggに変換して、iRiverで聞いてたのだけれど、どうやったのか忘れた。

Strange Angelsでのコッホとクリックとのインタビュー。mp3ファイルへの直リン。クリック味わい深い。おすすめ。音悪いけど。


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