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■ Theoretical neuroscience
Kさんご紹介の"Theoretical Neuroscience" Dayan and Abbott, The MIT pressを見てみました。たしかに今回の話題の整理によさそうです。紹介どうもありがとうございます。
Chapter 1で基本的な項目としてtuning curveやspike-triggered averagingやinterspike intervalの統計などについて書かれていて、Chapter 2ではreverse correlationによるearly visual cortexのreceptive field mappingについてかなり詳しく書かれています。Receptive fieldの時間変化パターンと空間パターンとが独立でないような例(nonseparable space-time receptive field)に関する記述もあり。このchapter 1-2のところでreverse correlationとspike-triggered averagingとの関係に関する記述もあります。(ちなみにchapter 3は"neural decoding"ということでベイズの法則やROCカーブ、populationコーディングについて、chapter 4ではニューロンの発火と外界の刺激との間での相互情報量の解析について書かれています。)
というわけでこの本をもとにKさんのコメントについてまとめるとこんな感じになります。まずご指摘の式(2.6)はこちらです:
一入力のときのkernel は入力が無相関であるときに、刺激とニューロン発火との間の相関から計算することができて、しかもこれはspike-triggered average の定数倍(平均発火頻度)である、ということでした。それで、reverse correlationとspike-triggered averageとの関係は式(1.19)-(1.22)で導出されていて、この等式はtrialごとのスパイクの数が十分に大きいときに成り立つ(式1.19)、ということだそうです。よって、Spike-triggered averageを計算したときに、入力が無相関でなければシステムのWiener kernelを正確に計算したとは言えないけれども(式2.6の1番目の等式)、reverse correlationを計算した、ということはほぼ妥当に言える(式2.6の2番目の等式)、ということのようです。なるほど、どうもありがとうございます。
それから、Ringach and Shaply '04はpdfが公開されているようなので、リンクしておきます。"Reverse correlation in neurophysiology",Dario Ringach,Robert Shaply,Cognitive Science 28(2004),147-166(pdf file)
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- / 投稿日: 2005年02月28日
- / カテゴリー: [逆相関法 (reverse Correlation)]
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