[カテゴリー別保管庫] 生理研研究会2009「意識の脳内メカニズム」
2009年11月27日
■ アンケート集計 / 来年は「身体性の脳内メカニズム」です!
NIPS-SSC workshopのアンケートの集計が終了したのでwebサイトにポストしておきました。PDFファイルにしてあります。全体的に好評だったのでよかったです。ぜひこれを将来につなげていきたいです。
ということでさっそく来年の研究会ですが、もう始動してます。以前のエントリでも書きましたが、日本のミスター・ミラーニューロン、近畿大学の村田哲さん(ラボのwebサイトおよび「脳のセミナー」へのリンク)といっしょにオーガナイズするということで相談を始めています。
タイトルは「身体性の脳内メカニズム」。英語で言うならembodimentです。自己・他者・身体の認知、模倣、共感などの領域で実際に手を動かしている若手の方にしゃべっていただくという方向性で、これまでと同様、議論が活発に出来るような形を目指します。学際的にいきたいので、神経生理学、脳機能イメージング、理論モデル、神経心理、発達心理、動物心理、ロボティクスなどの関連の領域から講演者の方を選考しているところです。学際的にやるときのポイントはどれだけ脳と結びつけることを意識しておられるかという点だと思っているのですが、ともあれご期待下さい。
まだわたしも勉強中ですが、どうやらいちばんの参考図書となるのは「ソーシャルブレインズ 自己と他者を認知する脳」(東大出版)になりそうです。ということで図書館から借りて読んでます。みなさんもぜひ。
さいきんはクリス・フリスの「心を作る」も読んでます。だれかあそこ行って仕事してきた人とかいたら今回のテーマ的にも適任だと思うのですけどね。わたしにとっては身体性とベイズ脳ってのは直結するんで、身体性ってのは周辺領域なんかじゃあなくって、ニューロンのcodingの本質に関わっていると思ってます。ってのがこないだのわたしの「アクティブな知覚」で言おうとしてたことに繋がります。
あー、いま思いついたけど、再来年はBMI、というか操作脳科学でcoding/decodingまで含めたあたりがテーマというのでどうですかね。毎年少しずつオーバーラップしながらテーマを移動させてゆくという意味では悪くないのではないでしょうか。技術的な面よりも、脳情報の活用・制御によって私たちの身体・知覚表象がどのように変わるのかというあたりに焦点を置ければ楽しいと思います。Coding/decodingの議論ができるほど進歩してればなお良いなあ。脳プロと連携しつつも違ったかんじでアプローチできるとよいのですけど。なんてかんじでネタは尽きないね。
話を戻すと、来年の日程は現在のところ10/15(金)-16(土)を予定してます。神経科学大会とSFNの間ということでこれもいつもと同じです。
ともあれ、まだ現在申請作業中ですので、開催できるかどうかは例年3月に確定します。随時レポートしていきたいと思います。ではまた。
追記:事業仕分け関連はいろいろ思うところはあるけど、ここには書かずにTwitterの方だけにしときます。
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2009年10月16日
■ 研究集会感想からアクティブな知覚へ
生理研国際研究集会のアンケートを今受付中です。参加された方でまだの方はworkshop surveyまでどうぞ。遅ればせながら神経科学者SNSにもトピックを作っておきました。
Webでの反響を探していたのですが、あまりありませんでしたね。わたしの方で把握しているのは以下の方たちです。どうもありがとうございます。もしほかになにか書かれた方はお知らせいただけるとありがたいです。
- 参加者によるブログエントリその1: Atsushiさんによる研究会レポート。
- 関連するブログエントリその2: 藤井さんのブログでの「ゴーストハンター」
- 関連するブログエントリその3: Vikingさんのブログでの「意識研究にまつわる与太話」
言及されている部分になんらか応答してみたいと思います。藤井さんもVikingさんも岡崎のworkshopのほうには参加されていないので、神経科学大会のシンポジウムの方を見ての感想だと思いますけど、実のところ、あんまり異論はありません。
私自身は視覚に絞るの自体は悪くないと思っていて、神経科学大会でのillusionのシンポジウムは視覚に集中することでこういうことができるよ、と研究プログラムを呈示するという意義を果たしたと思います。
これはもともとクリックとコッホの"astounishing hypothesis"にもあったように、視覚の研究系が基本的な構造・機能に関する知見がいちばん進んでいるので、そこをもとに進めてゆくということが研究プログラムとしていちばん向いているであろうということです。
(以前も書きましたが、海馬での記憶研究がその前にどういう知覚情報を保持しているのかということをすっ飛ばして海馬のplace cellもしくはせいぜいその周辺でのhead direction cellまでの話だけで閉じているというのはどうにも変だと思ってます。そういうわけで、昨今の匂い知覚の処理を使った仕事などは正しい方向へ行っているのではないかと思うのです。)
ただし、受動的な知覚研究に閉じてしまうのはよくないと思っていて、どうしたら知覚から行動までとつなげた研究になるだろうか、というのがあのシンポジウムで私が質問したことでした。もう少し具体的な質問に出来たら良かったのだけれど。(この部分は以下で膨らませます。)
藤井さんがブログで書いていることもそれとけっこう近くて、視覚オタク云々のところよりも大事なのは、「意識研究っていうなら、やっぱり視覚も身体の一部として統合しないとダメだろ。」ってところで、ここは私と問題意識が一致してます。
ただし、このふたつの問題(視覚オタク、受動的)は独立ではなくて、視覚研究は視覚入力に対してその表象がどのようにできているか、といった受動的な側面の解析に終始しがちです。その意味では、Olaf Blankeのやつとか触覚の仕事はよりアクティブな働きかけを重視していると思うので、そういう研究も紹介できたらなおよいとは思いました。
さてここからはわたしの持論をずらっと書くんですが、意外と今まで考えてきたことを総動員したものとなりましたので長いです。よければおつきあいください。
これまでもわたしはこのブログでAlva Noeのsensorimotor contingencyとかそのへんの話をしてきましたけど(関連スレッド)、知覚というものは受動的なものではなくて、環境との働きかけによって成立するだろうという作業仮説を持った上で、受動的にできる表象の議論だけしていたら足りないのであって、そのような情報をどうやって行動に利用するか、というところまで考える必要があるのではないか、というのがわたしの問題意識です。
たとえば、Milner and Goddaleの仕事(関連スレッド)に出てくるvisual agnosiaの患者DFさんはスリットの角度を報告することは出来ないけれども、そのスリットにカードを差し込むことが出来るわけです。つまり、どういう行動で視覚情報を報告するか(=どのように環境に働きかけるか)によって、使える情報は違っているわけです。しかも、どうやら患者がどのように感じているか自体はventral pathway側の情報が使われているらしいので、行動に使える情報と意識的にアクセスできる情報とは食い違っているということも起こります。
(この意味において、sensorimotor contingency理論は正しくないというかもしれないけど、sensorimotor contingencyの成立が進化的発達的にも先立ち、それによってventral pathwayを使うようなある意味受動的な心表象が成り立つ、というふうに考えればよいと思います。これがわたしが意識の「内部モデル」理論として考えていることです(関連エントリ)。つまり、内部モデルの生成は必須だけれども、普段は内部モデルの学習は済んでいて、フィードフォワードでやっていけるのです。内部モデル自体が意識に関わっているという話ではなくて、内部モデルの学習には意識的かつdeliberateな行動が必要となる、と考えているわけです。(これがわたしのJNS論文のタイトルにdeliberateが入っている理由なのだけれど、そのへんの議論は飛躍がありすぎるのでけっきょく消えました。) ちなみに小脳の内部モデルが心的表象にも関わっているというのはControl of mental activities by internal models in the cerebellumがありますが、わたしはparietalの方のことをイメージしてます。)
この話は脳内にある情報をどう読み出すか(read-outするか)という問題でもあります。その意味では順天堂の宇賀さんがDeAngelisのところに行ったときから続けているread-outの仕事は興味深いのだけれど、それはいつも「ニューロンがchoice probabilityの情報を持っている」といったようなある種の表象としての話になります。なんかもっとほかのアプローチがあるのではないかと思うのです。(とお会いするたびいつも絡む。)
以前のエントリ「MarrのVisionの最初と最後だけを読む 」でわたしが注目したのは例のマー流の三段階論というのは、representationの問題とprocessの問題というふたつのパラレルな問題設定があるという点でした。多層ニューラルネットワークの中間層には明示的なrepresentationは必ずしも出来ないのと同様に、実際の脳でもそういう中間表現みたいな活動がたくさん見つかります。MTやITのように外界の情報をまんま写しとっているようなrepresentationをしているニューロンはどちらかというと例外的なものなんだけど、うまいことやるとそういうのが見つかる。(そういうものをうまく見つけるということがシステム神経科学でのneural correlate of XXXを見つけるための奥義だったりする。) これはつまり、representationそのもののようなニューロンとprocessを表しているようなニューロンがあると便宜的に(個々のニューロンがそんなこと知ったこっちゃないのであくまでも便宜的に)言えるんではないか、というのがそのとき考えたことでした。そのエントリでは、
以前のLogothetisの話のときにもありましたけど、ニューロンのデータから両眼視野闘争の知覚のcontent(=representation)と選択の過程(process)との神経メカニズムがあるのかもしれない、なんて話と繋げられるかもしれません。
なんて書きました。ここで言及していたのは、以前のbinocular rivalryについてのまとめ
さてさて、話がとっちゃらかっちゃいましたが(いつもどおり)、そういうわけで、デコーディング(=read-out =読み取り可能な情報の最大量)だけでは足りない。「Processとしての神経活動」を扱いたい。そのためには、ニューロンの活動を複数記録した上で、そのダイナミクスをモデル化した上で、どういう知覚情報が入力し、表現され、使われて環境に働きかけて、その環境変化が知覚情報に影響を及ぼすというループを予想可能なものとして記述して、そのモデルの正しさを制御可能性によって検証すればよい、ということになります。これがわたしがBMI的アプローチが応用のために方向性というよりは、現在のシステム神経科学のアプローチの壁を破ってもっと拡張していくために必須なものであるという理由です…っていつのまにかなんかのプロポーザル書いてるみたいになっちゃったんですけど。
「そのダイナミクスをモデル化した上で」なんて簡単に書きましたけど、これをどのレベルでやるかというあたりが重要だと思います。1個のニューロンの発火レベルでの議論だと、例の海馬ニューロンのカオスの制御の話というのがありますが、このレベル(力学的モデルによるアプローチ)で脳内ネットワークを記述しようとしたらずいぶん先の話になるでしょうね。ですのでわたしは、ってちょっとここでする話題ではないな。コメントアウト。また議論しましょう。
えーと、なんでしたっけ、話を戻しますと(Milner and Goodaleの話まで戻る)、わたしのやっているblindsightの仕事というのはこの問題に直結していて、普通だったら「ある刺激のdetection (有るか無いかの報告)」と「その位置のdiscrimination (上にあるか下にあるかの弁別)」は乖離し得ないのに、それがblindsightだと乖離する。これはMilner and Goodaleが見たものと関連しつつもっとawarenessまでギリギリ近づいているものだと思うのです、なんて話をこのあいだの東北大電気通信研究所に行ったときに議論しました。いまできる範囲でアクティブな視覚についてアプローチしているんだけど、つぎどっちへ行こうかみたいなことをずっと考えてて、いろいろネタ出ししているところです。
あと、藤井さんが書いておられた
結果はヒストグラムとかで示すんじゃなくて、「体感せよ!」って感じになるんじゃないかな。
というのはすごく共感できる。ポイントは、意識についての操作はその結果としてやはり意識への影響として捉えるのが正しいということ。他の報告とか行動とかに翻訳するのではなくて。
でもたぶん、TMS打ったら幽体離脱が起こったとかいうシンプルなものでは足りないと思う。つまり、わたしが上で書いた言い方でいえば、「そのモデルの正しさを制御可能性によって検証す」るってことをしてゆかないと脳の話とつなげられない。そうするとけっきょくpsychophysics的にいろんなパラメータ振ってそれぞれの内観を報告して、予測と整合的なものとなるか検証する、みたいな「視覚オタク」的な作業が必要になる。こう言ってしまうと再び意識のreportabilityの問題に戻っていることがわかる。
(Binocular rivalryやchange detectionが成功したのはall-or-none的に説明が出来て、「見えたかどうか微妙」みたいな領域を排除したことにあるのだけれど、それでも確率的な表現は排除し得ない。)
このへんの、脳に結びつけるために機能的側面を記述するということと、それによってけっきょく心の内的状態(意識だけでなく、注意や意図なども含めた上でのことなので、これはハードプロブレムではない)がまったく排除されてしまうという状況については「ベイズ脳とsensorimotor contingency hypothesisとワイシャツと私」で書きました。これはつまり単純に言えば、「心の内的状態」というものは機能の記述のレベルにあるのではなくて、それを第三者が観察者として解釈するレベルにあるということであって、わたしが「オートポイエーシス」で得た気づきを違った言い方にしただけのことです。でなければ、仏教でいうさまざまの心的状況(「サティ」とか)について考えてみるのでもいいかもしんない。あんま怪しいキーワード入れると読んでもらえないんでこのへんまでにしておきますが。
BMIの話までぐるっと回ることによってしていたのは、あくまで機能的な側面から問題を追い詰めただけなのだから、この問題が解決するわけではない。そういうわけで、この問題は独立して進めていったほうがよい。我田引水だけど、blindsightの話をやっているうちにわかったのは、awarenessってなんなのかというとdetectionでもdiscriminationでもないということでした。Consciousnessを出さなくたって、awarenessの段階ですでに情報処理とその報告というところに収まらないところが出てくる。(以前"Confidence in LIP"および"意識と信頼度"でも書いたけど、perceptual decisionの議論の中にawarenessは出る幕がない。) だからこのへんはもっと進めていってみようと思ってる。
というわけでこうやって書きながら浮かんだことをまとめておくと、意識の現象的側面というハードプロブレムにいかなくても、すでに心の内的状態の記述と脳のダイナミクスの機能的記述とはすでに二元論的な状況にあるわけで、そういうところをちゃんとやることはシステム神経科学全体にとって役立つのではないかと思う。これまでも注意や意図や意思決定をどうやって定義するか議論しつつ、ある種の不毛さを感じたりして、「注意なんてものは操作的概念でしかない」なんて考えたりするわけだけど、そこをきちんと推し進めて、実のところすべての心的状態を表す言葉が操作的概念であることを理解した上で、どうしてそのようなひとかたまりとして我々は心的状態を捉えるのか、と問う必要があるのではないだろうか。以上の解釈学的ドメイン(というような言い方をオートポイエーシスではするのだけれど)を考えるときには心の中の表象をメタに扱う(内的モニタリングを行う)みたいな側面が出てくる。意識でのhigher-order theory的な表象主義アプローチの出番もそこなのでしょう。
わたし自身は動物を扱っているということもあって、そういうメタな表象みたいなものについて正直充分深く考えているとは言えないのだけれど、awarenessにおけるconfidence ratingやrecognition memoryにおけるrecollectionとfamiliarityの問題のように、内観報告の問題のいろんな場面にそういった内的モニタリングが出てくるのは間違いない。
というわけで、これまで書いてきたことをつなげるようなおしゃべりを意識的にしてみたのだけれど、読み直してみるとまだ道途上という感じがします。いつかちゃんとひとつながりで書いてみたいとは思うのだけれど、それよりかは、俺ははやく次のステージに行かないとね。
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# 土谷
土谷です。
私は、クオリアがなぜ脳内の神経活動から生じてくるのか、という謎を解くには、「アクティブな知覚」とか、Alva Noe, Kevin ORegan の sensory motor hypothesis とかは、あまり意味がないと思っています。
一番シンプルに、この類いの説に対しての痛烈な批判を言うと、「じゃあ、なんで、全く動けない、外部からの入力が閉じた状態である、睡眠時に、あんだけはっきりした意識的な夢をみるのか?」という問いにつきます。これらの類いの説はこの問いにちゃんと答えられない。
外部からの入力がなくても、自分が能動的に動かなくても、はっきりした意識は成立する。神経活動があれば、クオリアが生じる。神経活動が必要かつ十分条件。外部の世界への働きかけ、もしくは外部世界からの入力は、必要条件でもなく(i.e., 夢)、十分条件でもない(i.e., 様々なイリュージョン、rivalryなど)。
だから、極端なことを言えば、クオリアの神経科学研究をするなら、
目を完全に閉じていて、体を全く動かさずになんらかの映画の場面を想像している人が、どんな場面を想像していたかをニューロン活動をもとに当てて(=ディコーディング)、その後にどんな場面を想像してたかを実際にその人に聞く、
とかいう完全受動的実験でいいわけです。私には能動的なコンポーネントが、意識の、クオリアの研究に入ってくる余地がわかりません。
ここでは、発達、発生、進化の話しは除外しています。大人の我々が今感じている意識を支えるのに、現時点での外部からの入力と、能動的なコンポーネントが全く必要ないということだけが重要です。もちろん、大人として意識経験をできるように正常に発達するには、発育の過程において、外部入力が必要だし、外部への能動的な働きかけも大事でしょう。進化の過程でも、意識をもつようになるまでには、外部入力が必要だったろうし、外部への能動的な働きかけがクリティカルだったのは疑いません。
sensory motor contingency とか、「視覚も体の一部」とかそういう考えは、人間の人間らしい振る舞いや、生きていることの意義とか、よりでかい話しへとつなげていくには、もっともらしく聞こえるアプローチかな、とかすかに私は思ったりもします。意識があることの意義とか、意識の機能とか、そういうのもこの辺の話しとそりがあうでしょう。
私は、クオリアは、ある一定の条件がそろえば勝手に生じてしまう類いの、案外、シンプルな、この世に存在するメカニズムだと思っていて、上のようなたいそうなテーマとは全く関係ないと思っています。ただ単に、どんなメカニズムか全く想像がつかないので興味があるのです。
ただ、シンプルに、何で夢を見るのか、どんな脳活動が夢のクオリアを経験させているのか。それを知るには、能動的研究アプローチから得るものってあるんでしょうか? 私には想像できません。
私自身は視覚は研究の道具としてしか見ていません。夢の中で感じる触覚や聴覚がなんで生じるかを知りたいのであれば触覚や聴覚の研究をすれば良いと思うし、それはただ、研究がやりやすいかどうかだけの話しでしょう。視覚のイリュージョンより、感情とか社会性の話しとかの方が現実生活に近いので面白いと思いますし。
同じように、能動的なことを取り入れた研究の方が現実に近くなるし面白くはなるとは思うけど、それが意識の、クオリアがなぜ神経活動から生じるか、という謎の解明につながるとは思いません。意識がどういう風に役立っているか、のような機能的なことはわかる鴨知れませんが、それは別の問題意識でしょう?
なんか事務的なこととか、そういうのに追われてこういう話し、全然しませんでしたね。(私としては議論の余地はないと思ってますが。。。。)その辺また今度会うときにはなしましょう。
アンケート集計作業もお疲れさまです。
土谷
# nishiokov ブログを楽しみに拝見させて頂いている者です.
意識のワークショプにも参加させて頂きましたが,わたしも意識の神経科学研究のvisual psychophysics主義に少々違和感を持ちました.
「じゃあ、なんで、全く動けない、外部からの入力が閉じた状態である、睡眠時に、あんだけはっきりした意識的な夢をみるのか?」
「外部からの入力がなくても、自分が能動的に動かなくても、はっきりした意識は成立する。」
...しかし,外部からの入力,能動的な行為の経験・記憶がなければはっきりとした意識や夢は成立しないのではないでしょうか? このような経験・記憶は,クオリアが勝手に生じてしまう」前提となる「一定の条件」になる思います.
クオリアが成立する前提条件を明らかにすることは,その神経基盤を明らかにすることと不可分であると思います.幻覚・妄想を有する患者においては,この前提条件が健常者と異なるため,知覚,クオリアに変容を来します.知覚における能動性,もしくは内的・外的な事前バイアスの神経基盤と,意識・クオリアの神経基盤とはオーバラップするのではないでしょうか?
何を対象にするにしたって、科学者がやることなら、それに最適な道具立てを準備しないと駄目です。ツール無しに科学は成り立たない。言葉はツールじゃないです。
視覚を用いたアプローチは一つのツールに過ぎなくて、別な切り口はきっとある。でも、みんなツール探しの努力をしないから、安易にすでにあるツールに頼る。2匹目のドジョウはいないっていうことを、もっと意識した方がいい。
ツールのユーザーじゃなくて、ツールを作るという強烈な指向性がない科学者は、結局2番煎じの仕事しか出来ないんじゃないか?既存技術の精緻化では、次のステップには進めないっていうことが分からないヒトが多いのが残念。
# pooneil家族でリンゴ狩りに行って帰ってきてみたら、たくさんコメントが。みなさんどうもありがとうございます!
ウィークデー始まっちゃったので、週末にまたレスポンスします。
ではまた。
先週は風邪で寝込んだりしてお返事遅れました。
返答を書いてたら長くなりましたので、べつのエントリにしておきました。
2009年09月22日
■ 国際研究集会ぶじ終了しました
国際研究集会ぶじ終了しました。正直今年はほんとうに大変だった。でもすごく楽しんだと言えます。俺は幸せもんだ。そうだろ?
ということで丸一日爆睡したあとで、エントリ作成。ポスターアワード発表と締めのスライドを貼っておきます。
最後のあたりの形式は今年のBerlinのASSC13でJohn-Dylan Hanesがやってたのをちょっと真似させてもらいました。
ポスターアワード受賞者は近畿大学の村田哲さん。まったくの偶然なのですが、来年の研究会は村田哲さんとやります。発表したら会場ではウケてた。Hakwanもツッコミ入れてたけど、いや、ほんとガチですよ。(村田さんとのco-organizeに関しては去年のうちにすでに打診してあって、ポスターアワードの方は投票者に私は入ってないので、これはまったくの偶然。)
来年の生理研研究会「認知神経科学の先端」はミラーニューロン、自己と他者、自閉症、あたりの話になると思います。来年もご期待ください。
- 追記9/27: 参加者によるブログエントリその1: Atsushiさんによる研究会レポート。
- 追記10/13: 関連するブログエントリその2: 藤井さんのブログでの「ゴーストハンター」
- 追記10/13: 関連するブログエントリその3: Vikingさんのブログでの「意識研究にまつわる与太話」
追記書いてたら長くなりましたので別のエントリにします。
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- / 投稿日: 2009年09月22日
- / カテゴリー: [生理研研究会2009「意識の脳内メカニズム」]
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# 土谷
お疲れさんです。メール返信の遅さから、多分、吉田さんは昨日爆睡してたんだろうと思ってました。俺も燃え尽きてました。伊佐さんは元気ですね〜〜〜 もう回復してるみたいだし。。。 カラオケもすごかった。
私の中では、神経科学大会のシンポジウムも、ワークショップも大成功で嬉しいです。
色々思うことはありますが、他の人が書くであろうブログや、ここのコメントなどでの感想がポジティブであることを願いつつ。再来年のASSCを成功させるべくまた頑張りましょう。
いろいろの裏方仕事一般ほんとにありがとうございました。
土谷
# pooneilどうもおつかされまでした。わたしも、自分でいろいろ書くよりは、どんな反響があるか見ておきたいです。
再来年のASSCもどういう形であれ、お互い関わることになるでしょう。またいろいろアイデア練っていきましょう。
お疲れ様です。
昨年度もそうでしたが、テーマ選びが秀逸ですね。社会性と動機付けは、今考えると、絶妙なタイミングだった気がします。意識も、きっと。
来年も期待してます!
2009年09月07日
■ 懇親会締め切りました
どうもどうも、いよいよ2週間を切った生理研・国際研究集会「認知神経科学の先端 意識の脳内メカニズム」(NIPS-SSCワークショップ)の方ですが、もう大変なことになってます。懇親会の参加人数が90人越えてしまいました。懇親会の会場がポスター会場を兼ねてますんで、これ以上になると広さ的に無理ですので、懇親会への参加申し込みは締め切らせていただきました。みなさまどうもありがとうございます。
ワークショップへの参加申し込み自体は打ち切らない予定ですので(200人入る会場ですので)、ぜひ参加をお待ちしております。人数確認のため、ご面倒でもregistrationをしておいていただけると助かります。
それでは岡崎にて。
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- / 投稿日: 2009年09月07日
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2009年08月07日
■ おすすめ本:「『意識』を語る」
さあさて、生理研国際研究集会「認知神経科学の先端 意識の脳内メカニズム」NIPS-SSCが近づいてきたので今年も「予習シリーズ」(この言い方は四谷大塚なのだそうです)を始めようかと言いたいところなのですが、その余裕がないんで、参考図書を紹介:
「意識」を語る スーザン・ブラックモア (著)
「ミームマシンとしての私」で有名なスーザン・ブラックモアがツーソン会議やASSCに参加するような科学者や哲学者にインタビューをしたものです。各章が短いのでどこからでも気軽に読めるのでおすすめです。この問題でみんなもういろんなこと言ってるってのがわかります。今回の生理研国際研究集会「認知神経科学の先端 意識の脳内メカニズム」NIPS-SSCではこの中でインタビューされている3人がトークしに来ます。ここがポイント。まずNed Block。それからChristof Koch。それからPetra Stoerig (原書には入っているが、訳書ではページ数の都合上、webからのダウンロードのみとなっている)。この本を読んでも今回のトークでしゃべることがわかるかっていうとわからないと思うけど、もっと雑談レベルでそのような考えの根っこがどんなものなのかってのを読んでおくときっと岡崎でのワークショップも楽しめるはずです。
というわけで訳書の中からおもしろかった部分をピックアップしてみます。(原書を元に多少訳をいじっているところあり。) まずNed Block。
わたしが心の哲学について講義をするとき、いつもは「逆転スペクトル」の話をします。「あなたには緑に見えるものが私には赤に見えて、その逆も成り立って」という形で話をする人もいますが、
(中略)
で、これについて入門編のコースで説明すると、普通は三分の二くらいの生徒が「ああなるほど、言っていることはわかりますよ」と言うし、中には「ああ、そういえば、子どものときからずっと不思議に思っていたんですよ」とさえ言う生徒もいます
(中略)
でも、三分の一くらいの人々は「いったい何の話やらさっぱりわかりません」と言うんです。そしてこの三分の一というのは、デネットやオリーガンみたいに、何らかの形で機能主義者か行動主義者なんだと思うんです。つまり、こういう人たちはどういうわけか、現象性や、それがもたらす難しい問題を理解できないのです。
ここでの、ある人にとって問題となり、ある人にとっては問題でない、というかんじが面白いですよね。こういうanecdoteをもとに議論しちゃいけないんだろうけど、けっこうここが本質なような気もしてる。つまり、「どの段階で納得がいくかの問題なんじゃん?」っていう。
しばしば誤解される気がするのだけれど、「機能では説明できないような意識があるかもしれない」ということ自体をだれかがなんか積極的に証明したいと思っていると考える必要はないように思うのです。少なくとも意識の「科学的解明」においては。ある種のオカルト的考えと結びつきやすいので、科学者はそういう気配に対して反発するんだと思うのですけどね。わたしは「意識の機能的側面を説明したら現象的側面を説明したことになる、というのは自明ではないでしょ?」って言い方の方が科学者には伝わるんではないかと思う。
このあいだのASSCで金井さんと高橋さんと会ったときにこんな主張をしたんですけど、ASSCとかでいろんな人が議論してるときのモティベーションはなにかというと、科学的に話を詰めていけば意見の相違はそんなにはあり得ないんで、けっきょくそれぞれが譲れない点というのがあって、それが各論者の個性を作ってるんじゃないか、なんて思うんです。その意味ではネッドとかは「機能的に説明できれば十分である」という必ずしも自明ではない立場を取る人に対してものをしゃべっているように思うんです。(クリックの"astounishing hypothesis"での「およそすべて人間が体験することはニューロンに表現されている」というのは、べつにこれとは抵触しない。)
つぎはChristof Koch。
(注:脳が免疫系などには「意識的アクセス」を持っていないことについての説明を求められて、)
クリストフ 脳内や体内にはそれを神経的に表現するものがなく、明白なやり方でこの情報を表現している「脳の計画段階」にアクセス可能にできないということ。
ブラックモア ではここで重要なのは「脳の計画段階」なのですね。
クリストフ そう。フランシスとわたしはそれこそが意識の機能だと考えてる。つまり、意識の機能とは「現在自分の周りで関連していることすべての要約を作成すること、そしてこれから自分がなにをするかについての意思決定を行うために、その要約を「計画段階」に送ること」だ。
(中略)
ブラックモア ではあなたの見解では、意識そのものに機能があると?
クリストフ あるいは意識の神経相関に機能があると言ってもいい。ネッド・ブロックの言うP意識とA意識の区別は信じないよ。
ブラックモア 両者は同じものだってこと?
クリストフ ネッド・ブロックはこれらを区別するはっきりした実証方法や操作手段を一度も示していないんだ。概念が異なる可能性はあるが、操作的にこの二つを区別できない限り、気にかけるつもりはない。
「脳の計画段階」ってわかりにくい言葉ですけど、原文でも"planning stages"です。以前このブログでperceptual decisionとの関連について言及したことがありますけど、decisionをするステージそのものというよりはその手前なんですよ。ただし、なんらか抽象化したサマリーであって、感覚データをのものと言及してないところからして、perceptual decisionよりはもっとprefrontalとかを使うような認知的過程のことをイメージしていると言えます。
さっきのネッドの話につなげると、科学者もまっとうだったら「機能的に説明できるところから明らかにしていこう」というあたりに意見が落ちつくと思います(*注)。かならずしも消去主義的な立場を取る必要はないわけで、その意味ではクリストフの言っていることは踏み外してはいないと思います(上で言ってることは、ネッドの分類が操作的にこの二つを区別できるなら、気にかけることにしよう、ということなわけで)。ちなみにさっきの私の主張でいけば、クリストフとか、その他多くの科学者は「科学的な手続きを取らずに確定的にものを言う」ということに激しく反発するのであって、それ以外のところに積極的な立場を取る必要をとくに感じないんじゃないかと思う。その上で科学的な作業仮説を立てる。たとえば、「シングルニューロンレベルからネットワークレベルまでの可能性を踏まえた上でのNCCの存在」とか「脳と環境との相互作用」とか。だから、わたしとかAlva Noeとかは「脳は受動的な計算機で、環境との相互作用を考えなくても意識を含めた認知活動が説明できる」みたいな前提に基づいた考えには反発する。でもこれは科学的アプローチの中での作業仮説のレベルの違いでしかない。
*注: いや、もっとずっと多くのpopulationで「意識のような定義自体が不確かなものを対象とするのは筋が良くない」って考えてる、というのが正しいですね。でも、以前のサールのまとめにあったように、意識のanalytical definitionとcommon-sense definitionはべつに分けるべきだし、科学を始めるには後者があれば充分で、さいごに前者が出来ればよい、というので充分だと思う。
NCC論について言えば、「シングルニューロンレベルであれネットワークレベルであれ、意識の機能的側面を解読・制御できるような脳のサブセットを見つけるところからはじめるのが一番早道でしょう」って言ってるだけなんで、そういうものがあろうがなかろうが、それが科学的に検証できれば問題ない。このくらい一般化してしまえば、わたしもとくに反論はない。たぶんクリストフを含む意識の科学的アプローチの推進者は「意識の問題は難しいから科学的にアプローチするのは無駄だ」みたいな意見にしか反発しないと思う。「ハードプロブレムとイージープロブレムを分けるべきだ」という主張と、「イージープロブレムを解くことはハイドプロブレムを解くことにはまったく役に立たない」という主張は別。
せっかく二人来てくれたのでネッド vs. クリストフという構図を煽ってみたいとは思うのだけれど、実際にはネッドの論敵はチャーチランドみたいな消去主義者で、クリストフの論敵は哲学的にはいないし、無理矢理入れればコリン・マッギンみたいな懐疑主義者ですかね。クリストフの論敵はNCCの作業仮説に基づいた上でのエビデンスの解釈の相違に基づいたものとなるでしょう。つーかそれが科学だ。デネットは創発の概念を持っているし、けっして消去主義者ではないですよね。デネットは神秘的な要素を入れることに反感があるだけで、そういう部分は創発なり進化なりで説明できるとする部分こそが核なのではないかと思う。あと、意識とはある種のillusionに過ぎない、って議論のバリアントがいくつかあるけど、わたし自身はそういう議論の意義がわからない。Illusionかどうかってのは存在論的問題に過ぎなくて、現象的意識を体験しているというのは認識論的問題なんでべつもんだ、ってのがじっちゃんからの教え(つーかわたしがサールから学んだこと)ですけど。
ってわたしの意見はべつにいいや。いろいろとボロが出るしw ここでクリストフのところからもう一つ引用。
クリストフ もしこれらの小動物がたんなるオートマタではなくて、じつは感覚を持ち、感じることができるとしたら、何の権利があって彼らを殺せるかね?
ブラックモア 肉は食べますか?
クリストフ (ため息) うん。
ブラックモア 難しい問題ですよね?
クリストフ そうです。あまり食べないようにしているけれど、とにかくうまいからなあ。
最後の文がなんか素朴でワラた。原文では"Yes. I try to eat less meat but it just tastes so good."と言ってる。スチャダラパーの"5th Wheel 2 The Coach"でのフレーズを思い出したり。
あとPetra Stoerig。これは盲視の患者さんが能力を獲得するのにはトレーニングが必要だって言っているところ。わたしのJNS論文と関連してます。
学習が早い人もいれば、この能力(盲視)を身につけるのに時間を要する人もいる。ほとんど最初からうまくできる人もいるのです。
(中略)
もっとも長くかかった例では、(弁別テストの成績が)偶然のレベルを超えるのに2年ほどかかり、そこからは普通に伸びていきました。いったん伸びると、続けているうちに、(非常に長い間彼らとつきあっているのですが、)なにかがそこにある感じがすると言い出すことがあります。この感覚が必ずしも正しいわけではありません。間違っているかもしれないし、最初はあまり当てにならない。それでも、だんだん成績がよくなっていくのです。
Type 2 blindsightでの「何かがあるかんじ」というのにも言及してる。でもこのあいだ彼女に会って話をしたときには、type 2という言い方は私は好きでない、って言ってました。
というわけなのですが、残念ながらペトラは参加できなくなっちゃいました。このエントリを書きはじめたのは7月だったのですが、訳文丸写しはまずいので引用になるように間とか埋めるのが遅れてたら予定が変わっちゃった。
ともあれ、岡崎でお会いしましょう! ではまた!
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2009年08月03日
■ ポスター締め切りは8/14に延長です
生理研国際研究集会 「認知神経科学の先端 意識の脳内メカニズム」のほうはポスターが7/31いっぱいが閉めきりでしたが、おかげさまで全部で26名の方からお申し込みいただきました。どうもありがとうございます。
しかし、まだスペースがあります。多くの方に参加していただいて盛会にしていきたいと思いますので、締め切りを8/14(金)に延長して募集を続けます。
Webサイトにも記してありますが、神経科学大会と同じ要旨を使ってくださってもかまいません。より多くの方に研究成果を宣伝するチャンスとしてご利用ください。ポスターの内容の範囲としても、「意識」そのものの研究としてしまいますとスコープが狭まりますので、より広く考えてくださって結構です。たとえば思いつくものを挙げますと、さまざまなillusionを用いた知覚や運動の研究、脳損傷患者での感覚認知の研究、感覚認知や意志決定のニューロンメカニズム、神経情報のデコーディング、脳内のエンコーディング過程に関する計算脳科学的アプローチ、ロボティクスにおけるembodimentの問題などは充分スコープに入っていると考えています。
あと、優秀なポスターを選んでポスターアワードを行う予定です。こちらに関してはポスターの内容に加えて、いかにうまくプレゼンするかが鍵となるかと思います。バンケット会場でたっぷり時間を使って行う予定です。こちらも楽しんでいただけるとありがたいです。
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2009年07月23日
■ トークのタイトルと要旨を掲載しました
どもども。体重の方はキープしてますよ。去年の12月から半年で18キロ落としたところで安定、というか停滞してます。ベスト体重まではあと7キロ落とす必要がありますが、それは生理研の国際研究集会終わったくらいから再開する予定です。それまでは国際研究集会の方で超ダッシュってかんじです。
生理研国際研究集会「認知神経科学の先端 意識の脳内メカニズム」NIPS International Workshop for Scientific Study of Consciousnessの件ですが、準備が着々と進んでおります。講演者の方の要旨がだいたい出そろいました。[Program]からどうぞ。
神経科学とダブってトークをする方には、岡崎では別の内容のお話をしてもらうようにお願いしてあります。クリストフ・コッホなんて3回トークがあるんですけど、全部別ネタですよ。タフすぎる。オリビア・カーターも神経科学の方はMIBで、岡崎の方は幻覚とかそれ系らしいです。前者は台北で聞いたけど、後者は聞いたことがない。楽しみです。ジョン=ディラン・ヘインズも7秒ネタとデコーディングネタと分けて話してくれるはず。というわけで、神経科学大会に参加する方は岡崎の方もぜひぜひどうぞ。
若手の方の運営手伝いを募集しておりましたが、多くの方に応募していただきましたので、募集を終了しました。もうすぐ個別にご連絡差し上げますので(ほんとうは今晩のつもりだった)。
ポスター発表の申し込みの方もそろそろ締め切りが近づいてきました(7/31)。応募がお済みでない方はぜひ期日までにどうぞ。出すか出すまいか迷ってる方は基本出す方向でご検討ください。(すんません、すんません、「基本」ってのを使ってみたかっただけなんです。)
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2009年06月19日
■ 視覚研究会でビラ配り
どうもこんにちは。ASSCから帰ってきました。そのうちレポートします。
小松 英彦先生と西田 眞也先生が行っている生理研研究会 (「視知覚研究の融合を目指して ― 生理、心理物理、計算論」) に参加してきました。といいつつ、金井さんの講演と神谷さんの講演だけ聞いてきて、質問して、夜の宴会は欠席させていただくというかんじで。
フライヤーを作って研究会終了後に配布してきました。思い立って一時間で文章作成。以下に掲載しておきます。ポスター発表募集中です。みなさまよろしくお願いします。またあらためて宣伝メールなど送付する予定ですが、きょうはここと研究会サイトにファイルを置いて失礼します。
生理研国際研究集会 「認知神経科学の先端 意識の脳内メカニズム」
NIPS International Workshop for Scientific Study of Consciousness
開催のお知らせ --- 今年は9/19(土)-20(日)です!
「認知神経科学の先端」研究会は今年が3年目となります。2年前は「注意と意思決定」がテーマでした。昨年は「動機づけと社会性」をテーマとして行いました。今年は「意識」をテーマとして、「国際研究集会」として行います。多くの外国人研究者を招き、発表、議論は英語で行います。国際研究集会としての性格上、昨年までとは形式が変わりますが、議論の時間を多く取る方針はこれまでと変わりません。ぜひお誘い合わせの上、ご参加ください。
ポスター発表募集中です。
(「意識」にこだわらず知覚関連での研究を広く募集します。ポスターアワードを行う予定です。)
若手の方の運営手伝いを募集予定です。
(旅費または宴会代の援助あります。)
くわしくは以下のweb siteまでかもしくは吉田までメールでどうぞ。
日程:2009年9月19日(土)12時~9月20日(日)16時 (時間は多少変更する可能性あり。)
会場:自然科学研究機構 岡崎カンファレンスセンター
オーガナイザー: 吉田 正俊 (生理研・認知行動発達機構)・土谷 尚嗣(カリフォルニア工科大学)
Web site: http://www.nips.ac.jp/%7Emyoshi/workshop2009/ (NIPS-SSCでググれば見つかります)
問い合わせ先: 吉田 正俊 myoshi@nips.ac.jp
講演者(敬称略)
- Ralph Adolphs (カリフォルニア工科大学)
- Ned Block (ニューヨーク大学)
- Olivia Carter (メルボルン大学)
- John-Dylan Haynes (ベルリン医大)
- 金井 良太 (ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン)
- Christof Koch (カリフォルニア工科大学)
- 西田 眞也 (NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
- Petra Stoerig (ハインリヒハイネ大学)
- 土谷 尚嗣 (カリフォルニア工科大学)
- Melanie Wilke (カリフォルニア工科大学, NIMH)
- 山本 隆充 (日本大学医学部)
- 吉田 正俊 (生理学研究所)
講演者の方の紹介など。(文責:吉田 正俊)
さて、ここからはもっとくだけたかんじで講演者の方の紹介を書いてみます。今年は12人ですので、かいつまんで、ということで。
Christof Koch (カリフォルニア工科大学)は今年は神経科学大会のプレナリーーレクチャーおよびシンポジウムを担当していただいて、さらにこちらでもお話をしていただく予定です。多彩な仕事をしていますが、クリックとの活動で、意識の科学的研究を進めるために、「Neural correlate of consciousness (NCC)」を見つけるという研究プログラムを提唱する、というあたりがいちばん知られているかと思います。おばあさん細胞的発想が突っ込まれがちですが、さいきんはinformation integration theory を提唱するGiulio Tononiとの共著を書いたりして、NCCが必ずしも局在論的なものに限らないことを強調しているようです。の参考文献:「意識の探求」(岩波書店); "A framework for consciousness." Crick F, Koch C. Nat Neurosci. 2003 Feb;6(2):119-26; "The neural correlates of consciousness: an update." Tononi G, Koch C. Ann N Y Acad Sci. 2008 Mar;1124:239-61.
Ralph Adolphs (カリフォルニア工科大学)は扁桃体の損傷患者の研究で有名です。意識下のemotionの情報の処理の話などが意識研究という意味では関わってくると思います。参考文献:"A mechanism for impaired fear recognition after amygdala damage." Adolphs R, Gosselin F, Buchanan TW, Tranel D, Schyns P, Damasio AR. Nature. 2005;433(7021) 68-72.; "Processing of the arousal of subliminal and supraliminal emotional stimuli by the human amygdala." Glascher J, Adolphs R. J Neurosci. 2003;23(32):10274-82.
John-Dylan Haynes (ベルリン医大)はimageryのような外的刺激に依存しないものをfMRIでdecodingする仕事で有名です。今年のベルリンでのASSC(「意識の科学的研究に関する学会」)ではオーガナイザーをされていました。神経科学大会で神谷さんのシンポジウムでトークした後にこちらでもトークをしていただけることになりました。参考文献:"Decoding visual consciousness from human brain signals." Haynes JD. Trends Cogn Sci. 2009 May;13(5):194-202.; "Unconscious determinants of free decisions in the human brain." Soon CS, Brass M, Heinze HJ, Haynes JD. Nat Neurosci. 2008;11(5):543-5. "Predicting the orientation of invisible stimuli from activity in human primary visual cortex." Haynes JD, Rees G. Nat Neurosci. 2005;8(5):686-91.
Ned Block (ニューヨーク大学)は哲学者ですが、認知神経科学の成果に基づいた上で話をされるので科学者と対話ができる方です。意識を機能的な側面access consciousnessと現象的側面phenomenal consciousnessとに分けた上で議論していますが、最近は少し言い方を変えて、cognitive accessとphenomenal consciousnessという分け方をしています。参考文献:"Consciousness, accessibility, and the mesh between psychology and neuroscience." Block N. Behav Brain Sci. 2007;30(5-6): 481-99; "Two neural correlates of consciousness." Block N. Trends Cogn Sci. 2005;9(2):46-52.
Melanie Wilke (カリフォルニア工科大学, NIMH)はLeopold研でflash suppressionの電気生理をやってきました。最新の仕事ではpulvinarのgammaリズムとの関連を見てます。参考文献:"Neural activity in the visual thalamus reflects perceptual suppression." Wilke M, Mueller KM, Leopold DA. Proc Natl Acad Sci U S A. 2009 Jun 9;106(23):9465-70.; "Generalized flash suppression of salient visual targets." Wilke M, Logothetis NK, Leopold DA. Neuron. 2003 Sep 11;39(6):1043-52.
Petra Stoerig (ハインリヒハイネ大学)は長年盲視患者および盲視サルでの研究を行ってきました。ヒト患者の研究では色弁別についての仕事が、サル動物モデルの研究では検出課題の仕事がNatureに掲載されています。参考文献:"Blindsight in monkeys." Cowey A, Stoerig P. Nature. 1995;373(6511):247-9.; "Wavelength sensitivity in blindsight." Stoerig P, Cowey A. Nature. 1989;342(6252):916-8.
金井 良太 (ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン)は心理物理、TMS、tDCSなどを用いて多彩な仕事をされています。現在はUCLのWalsh研に在籍しておられます。最新の成果は"Frequency-dependent electrical stimulation of the visual cortex." Kanai R, Chaieb L, Antal A, Walsh V, Paulus W. Curr Biol. 2008;18(23):1839-43.; "TMS over the intraparietal sulcus induces perceptual fading." Kanai R, Muggleton NG, Walsh V. J Neurophysiol. 2008 Dec;100(6):3343-50.
紙面が尽きました。それでは、みなさまぜひお越しください。
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2009年04月15日
■ フリーのConference management system / Abstract management system
以前、生理研のCOE国際シンポジウムの準備をしていたときに、webベースでabstract submissionとかを受け付けるためのConference Management Softwareについて調べてリスト化してエントリを作成したことがあるのですが(20050412)、結局そのときはソフト自体は使わずにメールベースで処理することになりました。
あれから5年が経って、国際シンポジウムのオーガナイザーをするにあたって、このへんが使えるかどうか調べてみることにしました。学会だったらScholarOneとかOASIS (Coe-Truman Technologies)とかをサポート込みで買えばいいんでしょうけど、そんなふうにお金はかけられません。フリー版を探してみることにします。
要は今わたしがブログで使っているmovable typeみたいなCMSソフト(webサーバーにインストールして、phpでmySQLとかのデータベースをいじくる)さえあれば同じようなことはできるわけです。いまどきだったらajaxとかでUIが良くなっていたりとかするんじゃん?とか。グループの管理が必要だから、XOOPSとかPloneとかのほうがよいでしょう。でもって、会議、ワークショップ用のモジュールとかを探せばいいのかもしれません。ちょっと調べたかぎりはすぐわからなかったのだけれど。
そこで、もしかしたらConference management system / Abstract management systemに特化したフリーのCMSソフトをというのがあるんではないかと思って調べてみたらいくつかありました。以下にリストを。
-
Open Conference Systems (OCS)
ライセンス:GNU General Public License v2
特徴:British Columbia大学も関わっているPKPが作成
-
IAPR COMMENCE Conference Management System
ライセンス:Mozilla Public License 1.1 (MPL 1.1)
特徴:国際パターン認識連盟 (IAPR)が関わってる。コードはsourceforgeにあり
-
CDS Indico
ライセンス:GPLライセンス
特徴:CERN(欧州原子核研究機構)が関わってる
-
OpenConf Community Edition
ライセンス:専用のライセンスがwebページにあり
特徴:商用ソフトのサブセット
-
ConfTool standard version
ライセンス:参加者150人以下、non-commercial conference、などのしばりあり
特徴:商用ソフトのサブセット
-
e-Conf online Free
ライセンス:参加者120人以下、英語サイトのみ、などのしばりあり
特徴:商用ソフトのサブセット
-
Continue 2.0
ライセンス:不明。入手には作者への連絡が必要
特徴:AJAX-based
-
ConfSys
ライセンス:不明。入手には作者への連絡が必要
特徴:サイトに行くとweb認証でエラーが出る
-
EasyChair
ライセンス:サーバへのインストールをしない
特徴:インストール済みのWebサーバーを借りて使う
みんな英語なんですよね。そうでなければだれか別の方に頼む方が良いのですが。(そういう意味では、たとえ有料でサポート付きのものを使ったとしても、それに対応できる人がいない限りけっきょく動かせないわけです。)
ともあれ、リストの頭の三つあたりが開発が継続していて良さそうです。Webサイトのドキュメントの充実度とかから考えて、"Open Conference Systems"をローカルにインストールして試してみることにします。
"Open Conference Systems"に関しては、日本語のwebサイトではsourceforge.jpでとりあげられてました:「オープンアクセスとオープンソースを融合させたPublic Knowledge Project」それから「国際会議開催を支援するFLOSS」
つーかだれかこういうのくわしい人が日本語ローカリゼーションとかやって信用を得てから、webベースで保守サービスをすれば小遣い稼ぎが出来るんじゃないんですかね。
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- / 投稿日: 2009年04月15日
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2009年03月29日
■ 今年の生理研研究会のテーマは「意識」。参加応募、ポスター募集始まってます
(3/17に投稿したものを増補して新たなエントリとして作成し直しました。神経科学大会のwebサイトのアップデートがありましたので、それに対応していろいろ情報を追加しております。)
どうもご無沙汰してます。ダイエットの方は順調に18kg減少して、今日118日目で79kg/179cm (BMI=24)となりました。前回の報告( 20090121)のときには「ここからはこの倍のペースぐらいにスローダウンして体重を落としていけるといいのですがね」なんて書いていましたが、それ以降もslopeはぬるくなりつつも低下し続けてます。だいたい狙い通り。本当ですよ? (グラフを載せたがるのは、筋トレをしているやつがすぐに上半身裸になりたがるのと同じ心境。)
さて、今年で3年目の生理研研究会ですが、国際研究集会としての開催が確定しました。つまり、会じたいの規模としてはこれまでの研究会程度のもの(トータルで100人程度)を想定していますが、海外の演者を呼ぶためのお金が付いて、英語での発表、質問を前提とした国際ワークショップとして開催されます。
今年のテーマは「意識」。以前のエントリ(20080913)でも予告しましたように、カルテクの土谷さんとわたしのふたりでオーガナイズしてます。
Webサイト作りました。日時は2009年9月19-20日、名古屋で行われる神経科学大会(2009年9月16-18日)にひきつづいて岡崎に移動して(電車で30分です)の開催となります。
神経科学大会のほうでも関連する企画が3つあります。
まず一つめがChristof Kochによるplenary lecture。
もうひとつが企画シンポジウムでの「意識の脳科学の最前線」です。オーガナイザーが伊佐教授とカルテクのChristof Koch。演者はKochと私吉田、それからハインリヒハイネ大学のPetra StoerigとNYUのNed Block。外国からの招待が3人、Petra StoerigもNed BlockもBlindsightとは関係の深い方です。
ちょっとここらで補足説明。Petra StoerigはAlan Coweyとともにnhpでもblindsightになることを示したNature 1995の著者であるだけでなく、ヒト患者でのblindsight研究で色識別能力の残存を見つけてNature 1986を出してます。Ned Blockは哲学者ですが、consciousnessを[報告などの行動と結びついたaccess-consciousness]と["what-it-is-like"というふうに表現されるような現象的な意識phenomenal-consciousness]とに分けるという議論(Behavioral Brain Sciences 1995)などから神経科学のデータに基づいた議論を行ってきた方です。ちなみにこの1995年のBBS論文で一番最初に出てくる話がblindsight。
それからもうひとつが公募シンポジウムで、カルテクの土谷尚嗣さんとロンドン大の金井良太さんとがオーガナイズしている「錯覚・視覚イリュージョンの脳内メカニズム - 心理物理、脳刺激、電気生理、薬理学的アプローチ」です。こちらも海外で研究中の日本人2人と外国人2人です。
でもって、国際ワークショップのWebサイトの方を見ていただきたいのですが、もう参加応募、ポスター募集が始まってます。海外からの参加者による応募のことを考慮して、今年は早めに受付を始めてます。思い立ったらぜひすぐお申し込みを。
確定している演者のリストももう出てます。以下の通りです。いまのところ、外国人6人、海外で研究中の日本人2人、日本人3人という顔ぶれでして、国際色豊かと言っていいかと思います。旅費どうやって捻出すんの、ってかんじ(<-言っちゃダメ)。
演者の顔ぶれは、昨年台北で行われたASSC12 (Association for scientific study of consciousness)を引き継ぐことを強く意識したものとなっています。オーガナイザーとしては、国際シンポジウムを日本で開催するプレASSCミーティングというかんじを目指したいと考えているわけです。
台北のASSC12に関しては今年はわたしはレポートを作りませんでしたが、予習編がこちら:20080524。UCLの金井良太さんのブログでの感想がこちら:ASSCが終わってから考えたこと。
Ned Blockを呼んでp-consciousnessとa-consciousnessとの関係について話してもらってみんなで議論する、というのを日本でもやろうというわけです。また、台北でのわたしのセッションはLeopold研のAlex Maier、次が私吉田、そのつぎがOlivia Carterのmotion-induced blindnessの話、そして次が金井良太さんのfadingの話、というかんじだったのですが、Alexは昨年神経科学大会でしゃべってもらったので、今年はMelanie Wilke(Leopold研からRA Andersen研へ移りました)にしゃべってもらうとして、そのままそっくりのメンバーに今回の国際シンポジウムにも来てもらったというわけです。しかもそれぞれにいくつかネタを持ってますので、神経科学大会の方でしゃべることと岡崎の国際シンポジウムで話すこととは極力別のことになるような報告で話が進んでます。
会の内容としては、これまでの生理研研究会のポリシーを引き継いで、いくつかテーマを絞った上で議論の時間を取れるようにしたいと考えております。プログラムに関しては近日中に発表予定。もう骨組みは出来てます。プログラムの都合上、以前の予告で書いた日本語チュートリアルはなくなる予定です。
ポスターセッションは一日目の夕方。Poster awardも作る予定です。応募される方は国際シンポジウムWebサイトをごらんいただきたいのですが、まず参加登録をしていただいて、そのあとでwordで要旨提出、という順番になります。
さあ、いよいよ始動しました。ひきつづき演者の方の仕事について予習シリーズなどを始めてこのブログでも盛り上げていく予定です。多くの方の参加をお待ちしています。それではまた! ダイエット後の私が体重を維持できているかどうかを見るという目的でもけっこう!! 今年の秋の連休は意識週間ということでよろしく!!!
Confirmed speakerのリスト:
- Ralph Adolphs (Caltech)
- Ned Block (NYU)
- Olivia Carter (U of Melbourne)
- John-Dylan Haynes (Humboldt-University Berlin)
- Ryota Kanai (UCL)
- Christof Koch (Caltech)
- Shin'ya Nishida (NTT Communication Science Lab)
- Petra Stoerig (Heinrich-Heine-University)
- Naotsugu Tsuchiya (Caltech)
- Melanie Wilke (Caltech, NIMH)
- Takamitsu Yamamoto (Nihon Univ.) (lab web site)
- Masatoshi Yoshida (NIPS)
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- / 投稿日: 2009年03月29日
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