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■ カテゴリー別保管庫=おすすめスレッドリスト

これまでのエントリをサブカテゴリでまとめて読めるようにしました。随時更新されてゆきます。最新のものはreadmeページで読めるようにしてあります。
  • Paper[314]
    • Carpenter's LATER model[6] 一般に行動の反応潜時は逆数を取ると正規分布する。これをニューロン集団が表象する意思決定シグナルが時間とともに蓄積して閾値に達するというモデルにおいて蓄積速度が正規分布する、というLATER modelをCarpenterは作り、説明をしようとした。
    • Episodic-like memory[6] エンデル・タルヴィングの最新の定義によれば、エピソード記憶とは過去の出来事に自分の身をおいて追体験する"mental time travel"である。意識の存在を実証できない動物において、そのようなmental time travelは可能か、もしくはそれのアナログとなるものは存在しうるか。
    • Glimcher '04 Neuron 神経経済学[16] 被験者対コンピュータでナッシュ均衡になるようなゲームをしているときの神経活動を記録すると、大脳皮質頭頂連合野LIPは選択肢の期待効用の比を表象していると著者は言うのだが…
    • Newsome '04 Science 選択行動[9] ある選択肢のどちらを選ぶかを決めるときに、人間や他の動物はその選択肢の持つ価値(expected value)によって選択する確率を変化させる。大脳皮質頭頂連合野のLIPニューロンはそのようなexpected valueの比をローカルな時間スケールで計算したものを表象していると言う。
    • Two-photon in vivo imaging[3] ニューロンの活動を電極でひとつずつ記録してゆく"single-unit recording"と、脳全体の活動を見ることはできるけれども個々のニューロンの動態はわからない機能イメージング(fMRIなど)、この両者が抱える限界を克服するために個々のニューロンの活動を広い範囲から光学的に同時に記録する方法論が発展してきている。
    • ガヤScience article論文[14] 池谷裕二君がRafael Yusteのところに留学して行った仕事。大脳皮質の切片上で自発的に活動するニューロンの活動パターンはまったくのランダムというわけではない。正確に同じ発火パターンを繰り返す"repeating sequence"がある。
    • 伝染するあくび[4] あくびはうつると言うけれどもこれは「共感」などの高次な機能が備わっていることで可能な現象で、小さい子供ではあくびはうつらない。今回、霊長研の松沢先生がチンパンジーのアイちゃんはあくびがうつることを発見した。
  • 脳科学メモ[126]
    • Chronostasis[2] 時計の秒針に目をやった瞬間、秒針がとまったように見えることがある。これがChronostasisだ。人間は目を動かしている途中には視覚情報が入ってこないように情報をシャットアウトしている。そしてシャットアウトされている期間、人間の脳は目を動かす直前まで時間を巻き戻しているのだ。
    • Goodale and Milner[6] "The visual brain in action"において、視覚腹側路がperceptionを、視覚背側路がactionに関わる視覚処理を、というように分けて考えることを提唱したために論争が起こっている。その根拠となったvisual agnosiaおよびoptic ataxiaの症例をよく読みこんで検討する必要がある。
    • オートポイエーシス[7] 人間が世界を見るとき、一人称の世界から環境と関係するといったある種閉じた状況としてしか捉えることができない。脳を明らかにすることで人間の心を明らかに使用とするときに見えてくる三人称的世界と一人称的世界とのギャップの問題を、あくまでシステムの中から見る立場を徹底することで克服しようと試みた体系がオートポイエーシス。だが、当時発展しつつあった自己組織化の概念と混ざりあってしまったために定式化の問題を抱えてしまった。そのエッセンスをなんらかの形で継承していくことができないか考えつづけている。
    • クオリアについての「心の哲学」[9] Qualia-MLで村上/felineさんとともにStanford Encyclopedia of PhilosophyのQualiaの項目を読みながらあれこれと議論した記録。広義のクオリア、知識論法、逆転スペクトル、逆転地球、などの基礎的な事項がおさえられてます。
    • 内部モデル、遠心性コピー、アフォーダンス[9] リゾラッティらが前運動野で発見した「ミラーニューロン」は「自分の行動遂行」と「他者の行動の観察」とでinvariantに活動するニューロンだが、これは頭頂連合野や上側側頭溝などとネットワークを作っている。Arbibがこのシステムをアフォーダンスと結びつけようと考えているが、少なくともオリジナルのJJギブソンによるアフォーダンス理論と脳科学とは食い合わせが悪いはずだ。
    • 大学院講義「記憶の脳内機構」[24] 大学院講義「記憶の脳内機構」の準備のために記憶障害の患者さんの症例研究に基づいて宣言的記憶と非宣言的記憶との分類、エピソード記憶と意味記憶との分類について最新の知見までフォローする。
    • 第一次運動野は何をコードしているか[2] 第一次運動野は何をコードしているか、という基本的なことですら現在でも論争が続いているが、StrickとScottの仕事でほぼ決着はついたといえる。Grazianoの仕事はそれに新しい切り口を付け加えたといえるが、microstimulationの特殊性と限界とを踏まえる必要がある。

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