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■ 上丘についていろいろ(1) オシレーション
BBS2007で上丘が意識に関連してる説がある。"Consciousness without a cerebral cortex: a challenge for neuroscience and medicine" 水頭症で大脳皮質のない幼児が意識を持っているとおぼしき行動をする、というショッキングな例も出ている。外在説的考え方からすれば、可能な知覚運動変換の能力に従ってさまざまなレベルの意識経験があってよいように思うので、意識の生成要因を脳のある特異な構造に結びつけるアイデアにたいする反論みたいになる。私の仕事でもどっかで言及する必要が出てくるかもしれない。
このBBS論文の中では、Watkins et al 2006 (Geraint Rees)というのが言及されていてaudio-visual illusionを経験したときだけSCの活動が上がる、という話が出ている。cortico-tectalでなんか統合やってるんでしょうというのはcortico-pulvinarでbindingやってるって説と同じで、あってもいいけど本当のことはわからない。
ただ、上丘でのoscillationに関してはやっぱやっときたいなあと思う。CatではBrecht et al (W Singer)の一連の仕事というのがあって、麻酔下ではcortico-tectalでalpha-beta辺りが出る。JNP1998 "Correlation Analysis of Corticotectal Interactions in the Cat Visual System"
面白いのは、awakeのときだけgammaが出るって話。"Synchronization of visual responses in the superior colliculus of awake cats." これでalphaとgamma両方あるとなると、Tallon-Baudryのこれを思い出す。JNS2009 つまり、gammaがawarenessでalphaがattentionで、どっちもpre-stimulusで出てくるけど、影響の出方が違う。
これはあくまでvisual cortexでの話だけれども、私の話でも上丘ニューロンのhit-missの差はprestimulusにも出てきていて、しかもphasicなので、なんらかoscillationっぽいことが起こっていて、それとの位相によって行動が決まっている節がある。
あいにくdetectしたスパイクのデータしか残ってないので、いまは議論のネタにしかならないけど。ともあれ、前述のJNS2009はprestimulusとvisual responseのcorrelationをとってきっちりとした議論をしているので、これは参考にしたい。これは先日書いた、Victor Lammeの質問へのいちばんしっかりとした答えになるはずだ。
いま気づいた。上丘ガンマ論文のファーストのMichael Brechtってこの人だ。Nature 2004 "Whisker movements evoked by stimulation of single pyramidal cells"
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- / 投稿日: 2012年04月28日
- / カテゴリー: [上丘、FEFと眼球運動]
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# tkitom
>あいにくdetectしたスパイクのデータしか残ってないので、
# pooneilInstantaneous firing rateをアナログデータとして扱ってやってみるという手は使えないでしょうか?取っ掛かりとしてでも。
ども。たしか元基生研の廣川さんにもそう言われました。最近の小林康さんの仕事とかもそういうかんじですよね。論文のデータにはしにくいけど、行けるかどうか見るためには使えると思います。じつはpre-stimulusは見た感じあんまoscillatoryではないです。
# pooneilつーか、FBユーザーはぜひFB用コメント使ってください。そのほうが手元に残るし。けっしてエロいサイトへのリンクとか飛ばしたりしないので。
# tkitom>つーか、FBユーザーはぜひFB用コメント使ってください。
# pooneilそれは作法を知らずにすみませんでした。こちらはこちらなのかと思っとりました。
今度からは気をつけます。
いや、失礼、どっちでもいいんですがたぶんそっちが便利ってだけの話です。