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■ 研究関連メモ(20150225-20150409)
ウィキペの「平沢貞通」の項目を読んでいたら、平沢貞通が狂犬病予防接種の副作用によるコルサコフ症候群に罹患していて、それによる作話と逮捕の関連についての記載が出てきた。コルサコフ症候群の説明のためのエピソードとしてストック。
ずいぶん前にブログで大学院講義のために記憶障害についてまとめたことがあって、単純ヘルペス脳炎とかウェルニッケ―コルサコフ症候群といった、宣言記憶に特異的な障害(手続き記憶は保持される)とかの例を書きだしたことがある。
どうやらウィキペの記述の元ネタは「小説 帝銀事件」松本清張著(角川文庫)らしい。「小説 帝銀事件」・松本清張著(角川文庫) もう少し直接的な資料に当たりたいが、今日はここまで。
研究についての批判の話だけど、これは文系ゼミで著書への批判をする場面だということに注意するべき。学会での質問とかラボセミナーでの質問とかで学生に向けてこういう言い方をして詰まらない質問ができなくするのは正しくないわけで。
理系のJC発表の指導の場面においては、私なら段階を踏んで説明するだろうか。はじめは発表者は論文の隅々まで(設定したパラメーターひとつひとつまで)徹底的に読んで理解することが大事なので、そのためには重箱の隅でもいいから批判ができるようにencourageする。
引用したブログ記事に書かれていることは次の段階の話であって、そのようにしてブレインストーミング的に思いつくだけ挙げた批判が、その論文の主な主張に影響をあたえるような致命なものであるか評価をした上で、論文の主な主張が充分受け入れられるものなのか、どういう保留事項をつけるべきなのか、
というふうに自分がこれまで読んできた論文や研究を体系化した枠組みの中でいま読んでいる論文の位置づけをフェアに行う。ここで建設的だか破壊的だか、本質的なことが言えるようになるといい読みができているといえるわけで、ってJC指導と論文査読って地続きだなと改めて感じる。
論争的なトピックでどちらかの側に属する立場にいる場合には、認知的歪みでこの位置づけが(ラボ全体ですら)ずれているということはおおいにありうる。
「HMMとspike sorting」みたいな論文を漁りながら、でも究極には、「スパイクソーティングしないで波形データのすべての情報を使って電極近辺で起こっている事象を推定する」のがいちばんいいんではないかと考えた。この論文はデコーディング。
つまり、single-unitへのこだわりを一旦外して考えると、知りたいのはそこにあるニューロンへの入力様式と出力様式とその変換ルールで、記録部位周りにあるニューロンをスパイキングネットワークでモデル化した上で、それぞれのパラメータを推定するのが、ほんとうにしたいことのはず。
芥川龍之介の歯車は閃輝暗点だと思うけど、よく読むと片眼でのみ起こるって書いてる。「僕は又はじまつたなと思ひ、左の目の視力をためす為に片手に右の目を塞いで見た。左の目は果して何ともなかつた。しかし右の目の瞼まぶたの裏には歯車が幾つもまはつてゐた。」網膜片頭痛ってのもあるらしいが。
麻痺する片頭痛 「網膜片頭痛とは突然視界が狭くなったり片方の目が見えなくなったりする片頭痛のこと。目の前にキラキラしたものが見える片頭痛特有の閃輝暗点(せんきあんてん)とは違いますので区別してください。」これ見るとなんかやっぱ違ってそうなかんじ。
閃輝暗点がだんだんfoveaから周辺視野に広がってゆくのと対応して、cortical spreading depressionも後頭葉の最後端から広がってゆくわけだけど、それは一番後ろが血管支配的にいちばん虚血になりやすいからということだろうか。
EyeTribeについてひさびさに調べてみたら、PyGazeのなかにimplementされてる!これでPsychoPyで使えるようになりそう。以前Processing + SuperCollider (youtube)というのを作ったことがあるけど、いまならEyeTribe (-> json) -> Python (-> osc) -> Supercollider でいけそう。ただ、マウスでクリックするのと違って、眼球運動は一秒に数回のサッカードとそのあいだの注視の繰り返しだから、その時間特性に合った音と構成にするべき。
そうやってつらつら考えていたら、そもそもEyeTribeではそんなによい精度が出ないのだから(tobii X2-60でもそれなりに大変だった: Eye-tracking for dial tones (youtube))、キャリブレーションが正確でなくてもよいようなものの方がよい。
そこまで考えると、saccadeやblinkだけ検出すれば良いんじゃ? -> だったらそのときにchange blindnessだ! -> つかそれだったらアイトラッカーである必要すらなくって、EOG(眼電位)で充分だなとか、サッカード時のCBって音にも起こるんだろうか?とかだんだん拡散していったら、ウォーリーを探せ課題でサッカードを検出してターゲットを出したり消したりするような実験パラダイムを思いついたので、前例があるか調べているところ。(<-もはやsupercollider関係なし)