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■ 「盲視の神経現象学を目指して」がオンラインで読めるようになりました

2014に書いた紀要原稿「􏰀􏰀􏰀􏰀􏰀􏰀􏰀􏰀􏰀􏰀􏰀􏰀􏰀盲視の神経現象学を目指して」がオンラインで読めるようになりました。東北大学機関リポジトリ> 100 文学研究科・文学部 > モラリア >「盲視の神経現象学を目指して」

関連するブログ記事はこちらにまとめてあります: [カテゴリー別保管庫] ギャラガー&ザハヴィ「現象学的な心」

2013年6月29日(土)に一橋大学で開催された第2回自然主義研究会:ギャラガー&ザハヴィ『現象学的な心』合評会で「神経科学の立場から」ということで発表を行いました。このときの内容を「科学基礎論学会 秋の研究例会 ワークショップ 「神経現象学と当事者研究」」での発表内容とともにまとめて、東北大学倫理学研究会発行の学術雑誌 Moralia に紀要原稿を書きました。このカテゴリーではこのときの準備などで考えたことについて書いたエントリをまとめてあります。

内容をかいつまんで書くとこんなかんじになります:

盲視の神経現象学はどうすれば可能かという問題意識から、ギャラガー&ザハヴィ「現象学的な心」(以下G&Z本)を読みこんだ。

G&Z本で「神経現象学」の実践例としてあげられている研究は実のところ「内観的に異なる状態AとBに対応する脳状態CとDを見つけるという対比的手法」を用いており、デネットの言う「ヘテロ現象学」の枠組みを超えてない。

現象学を「現れや所与の次元そのものを検討し、その内的な構造や可能性の条件を暴き出す」ことに使い、神経科学を「状態CとDの間を遷移する全体と部分の構造という力学系的な取り扱いをする」ことに使えるようになったときにはじめて「神経現象学」が目指す意識の科学が可能になるのではないか。

ブログの記事を見てもらうと、たったこれだけのことを書くためにかなり労力をかけて自分の専門の領域を広げようとしている様子がわかるのではないかと思います。

今後もこういう活動を続けてゆく予定です。乞うご期待。


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