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■ Trends in Cognitive Sciences 6月号

"Neuronal representations of cognitive state: reward or attention?" John H. R. Maunsell。世で研究されているattentionやreward expectancyのneural correlateはしばしば分離できていないことを指摘している。その理由としてabstではreward contingencyのパラメータのみがそれらの研究では振られていることを挙げています。このへんの分野の概念の複雑化と曖昧さとを考えるととても重要です。将来この辺の概念はもっと整理され、それぞれの概念間の関係がより確立していくことでまだしばらく先はやることはあるでしょうが*1、次は何か、それが問題なのです。

*1:実際には今まで40年の歴史を見て考えればしばしば複雑化の道を進むだけだったりするのだけれど。

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# mmmm

全般的にMaunsellの述べていることはもっともですが、reward or attention?という問いに意味があるのかどうかは疑問です。概念としてはattentionの方がreward expectationよりも上位だと思います。例えばMounsellはtask-difficultyとreward expectationとは逆相関するからそれらを分離することを提案してますが(それ自体は面白い実験であるし、Shidara & Richmond 2002やWalton et al. 2002はそれに関連したデータを示していると思いますが)、両者ともある種のattentionと見るのが妥当という気がします。passive attentionはともかく、active attentionの一般性を脳がどのように実装しているかというのは難しい問題で、reward expectationを含め、多くの詳細な研究の先にある問題だと思います。もちろんreward expectation意外のattentionという言い方はありで、そのうちのひとつがtask-difficultyとかeffortであったりするのではないでしょうか。

# pooneil

ありがとうございます。「Active attentionの一般性」、「Shidara & Richmond 2002やWalton et al. 2002」、このへんキーワードですね。もう少し読んどきます。それで、うーむ、Maunsellも挙げているように、Platt and Glimcherのreward probabilityにselectiveなLIPニューロンがじつはattentionによるものではないか、という問題はじっさい、このあいだのNewsome論文でも当てはまる話でして、ここはよくよく考えるべき問題ではないかと考えます。じつはこの間のjournal clubでもそういう指摘が出たのですが、Platt and Glimcherでとりあえず片はついていると思う、と言ってお茶を濁してしまいました。ふつうreward or attention?といった問題はより簡単な説明で済むほうで説明されるべきなのですが、attentionとrewardではどちらがより簡単な概念かとは言えないわけで、そこが難しい点なのだと思います。それが私が書いた、それらの概念が整理されていくことが必要である、と書いたことの動機でもあります。あと、mmmmさんが書いたことを展開すると、attentionというのは必ず何かほかのものに付随していて、reward expectationやtask difficultyやeffortというものがあるときにそれらに付随してくる、というふうに捉えられるかもしれません。この辺でattentionの心理学的研究についてもう少し知っておきたいところです。つまり、attentionがそれ以外のcognitiveなfactorとどのように関連付けられているか、といった点について。もしくはWilliam Jamesでも読んだ方がよいのかも。


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