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■ Reverse correlation
いまだ読んでないんでreverse correlation自体の話に逸れてみる。そもそもreverse correlationって刺激に独立性がなくても成り立つんだろうか?(V1のreceptive fieldを決めるとかの時にはランダムな刺激を使うし。) とくに刺激への応答が線形的であって高次の作用がないこと(時間-t,-t+1,...-1での刺激S(-t), S(-t+1),...S(-1)への時間0での応答がf(S(-t) )+g(S(-t+1) )+...z(S(-1)であって、二次以上の項、たとえばinteraction term h(S(-t),S(-t+1) )などに依存しない )が保証されてないといけない気もするのだけど、どうなんだろう。とくに、今回の刺激には時間的相関があるわけだから。いや、世ではLIPのニューロンのRFにreverse correlationを使ってたりするのもあるし、名前は違うけどspike-triggered averagingなんてやってることはreverse correlationと同様だと思うんだけど、いろんなところで行われているし、fMRIでのevent-relatedっていうのもevent-triggered averagingなわけで、変な相関(呼吸とか低周波成分とか)がでないように苦労したりするはずで。このへんってほんとのところどうなんだろう。
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- / 投稿日: 2004年03月15日
- / カテゴリー: [逆相関法 (reverse Correlation)]
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# V1の人
はじめまして。最近こちらのページの存在を知り、楽しく拝見させて頂いています。
# pooneilだいぶ前の話なのでコメントを書いても見てもらえるか判りませんが・・・
reverse correlationについてですが、通常使われている意味でいえば(たとえばJones & Palmer 1987; DeAngelis et al 1993のような使い方をするならば)
「刺激への応答が線形的であって高次の作用がないこと」
が保証されていないといけないというよりも、「」内のような仮定で解析を行うことにより(たとえ高次の作用があったとしてもそれをaverage outして)線形成分のみを抽出する方法である、と捉えた方が良いのではないかと思います。
たとえばV1の単純型細胞にしても完全に線形成分のみで反応が説明できるかというとそうではない(Baker 2001等)わけですが、高次相関のないノイズで十分長い時間記録を行えば高次作用の影響はaverage outされます。そうして得られた結果がたとえばV1のいわゆるlinear receptive fieldという形で観察されるものになります。
逆にいうと、線形(+average outされた高次)成分が全くないシステムでない限りreverse correlationを行えば何らかの信号は出てくると思います。それがどの程度意味のある信号なのかはそのシステムの線形成分がどの程度dominantなのか?によると思います。
NHKさんもご指摘の通り、「未知のneural correlateをスクリーニングする」ための(著者らは"pilot searches"とも言っていますが)最初の一歩として線形性という最も単純な仮定を用いるというのはまあアリなのかなあと思います。
(高次作用を可視化するためにもreverse correlationを使うことはできますが、上ではよく使われている線形受容野を求める際の解析法について述べました)
刺激に時間的相関があるのにそれを補正せずに解析している点は問題があると思います。といっても刺激空間が自明でないのでどうやって補正したらいいのかというとちょっと謎ですが。
いきなりいっぱい書いてすみません。
どうもはじめまして。コメント書き込みがあるとメールで連絡されるようになっているので、コメントがあったこと自体はすぐにわかっていたのでが、お返事が遅れました。どうもすみません。新しいエントリの方(http://http://pooneil.sakura.ne.jp/archives/2005/02/v1_1.html)に返答を書きました。また、関連スレッドを一つのサブカテゴリに分類しました(http://pooneil.sakura.ne.jp/archives/cat2/reverse_correlation_/index.html)。よければご覧ください。いきなりいっぱい書いちゃってください。よければ直メールでこっそり自己紹介していただけるとさらにありがたいです。