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■ 3/25に京大でジュリオ・トノーニと意識のシンポジウム
3月にGiulio Tononiが来日することをきっかけに、意識の神経科学をテーマとしたワークショップを3/25(月)、京都大学にて開催します。詳細はウェブサイトにて。皆様お誘い合わせの上ご参加ください。https://t.co/tjWQ9gQD
— Masafumi Oizumi (@oizumim) February 14, 2013
Giulio Tononi来日案内の続き。3/22(金)は理研で睡眠に関して講演があります。http://t.co/3JotJ43T 意識研究に関する講演は今のところ3/25(月)だけとなります。https://t.co/tjWQ9gQD
— Masafumi Oizumi (@oizumim) February 14, 2013
3/25、京都ワークショップ。Giulio Tononiの講演から始まり、非常に面白そうな講演のラインナップとなっている。このワークショップを可能にした津田新学術領域の支援に感謝。自分も少しでも面白い話ができるようにしたい思う。https://t.co/tjWQ9gQD
— Masafumi Oizumi (@oizumim) February 14, 2013
大泉さん@oizumimから情報が出たので宣伝開始。ジュリオ・トノーニが3月に来日する際にシンポジウムを開催します。"Measuring Consciousness - Theory and Experiments" 吉田もオーガナイザー及び講演者として参加。
ジュリオ・トノーニは睡眠の仕事で有名。たとえば睡眠中にTMS打ってeffective connectivityを見た、Massimini et.al.のScience 2005 "Breakdown of Cortical Effective Connectivity During Sleep"とか。
だけど、基本精神科医で、しかしジェラルド・エーデルマンと90年代にcomplexity measureというのを出してるのがキャリアの始まりか。たとえばScience 1998。
トノーニはASSC(国際意識学会)の前presidentでもあって、意識研究に深くコミットしている。ちなみに現presidentはVictor lamme。
トノーニは前述のcomplexity measureというのをさらに深めた結果「意識の統合情報理論」(Integrated Information Theory: IIT)というのを提案している。基本文献はこれ:"Consciousness as Integrated Information: a Provisional Manifesto" ほかにもwikipediaの"The Integrated Information Theory"の項とか。
これは脳が局所的に活動しているのではなくてグローバルに活動している度合いを評価しようというもので"phi"という値で定量化される。一時期「意識高い就活生」ネタが流行ったことあったけど、その頃には「よしphiで定量化しよう」というネタが一部で流行った。
トノーニは最近その名も"Phi"というタイトルの本を出版して、ガリレオに意識を語らせる、みたいななんかすごげなことを書いているらしいが、読んでないんで正直分からん。
統合情報理論がどのくらいpromisingかというと正直よくわからんのだが、経験的事実からではなくて、情報理論的に天下りにphiというのを持ってきたのが特徴で、私の印象としては、まあよくわからんがとにかくempiricalに検証してみればいいんでは?というかんじだった。
以前書いたブログの記事(20081017)ではもっと懐疑的なスタンスで書いていた。
いっときクリストフ・コッホもさんざん宣伝していた。トノーニと共著でいくつか書いてる:"The Neural Correlates of Consciousness An Update"、それからScientific Americanの"A Test for Consciousness"。後者は日経サイエンスに訳が出てる。
それで、ASSC14のときにクリストフ・コッホが統合情報理論を解説するトークを聞いたのだけど、結局のところ実際にphiを計算しようとすると、ほ乳類の脳のような複雑なシステムでは事実上不可能であるということを知って、正直そのあたりで私の興味は低下した。
しかし、Anil SethがPLoS Comp Biol 2011に"Practical Measures of Integrated Information for Time-Series Data"というのを出したり、さらに大泉さん@oizumimがphiを実際の脳データ(ECoG)でも計算できるような簡便なものにするという仕事を進めている。ASSC15での要旨 およびLISA2012の記事「温度計に意識はあるか?」
そんなこんなで、また興味が戻ってきたのだが、とにかくよくわからんので、この機会に理解したろう、というのが私のいまの意気込み。
今回のシンポジウムは大泉さん->北城さん(理研繋がり)->水原さん(新学術繋がり)、大泉さん->吉田(ASCONE繋がり)みたいなかんじで広がっていって、この四人で企画をオーガナイズした。あとは東大の四本さん、多賀さんと多賀さんのラボの笹井さん、というのが講演者の顔ぶれ。
年度末のこの時期であるにも関わらず、津田先生の新学術のサポート(ヘテロ複雑システムによるコミュニケーション理解のための神経機構の解明 )をいただくことができたのでここでお礼申し上げたい。
会場は京大 総合研究 8 号館 1 階 講義室 1 ( http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_y.htm の59番の建物)。参加費無料、参加登録不要。会場は120人くらい入るとのことなのでキャパ的にはよっぽど大丈夫でしょう。
というわけでカムカム・エブリバディー。 https://sites.google.com/site/consciousnessworkshop/
@pooneil 解説ありがとうございます!IITに関する吉田さんの率直な感想が良い感じです。その「まあよくわからん」感が今回のワークショップで変わるかどうかが焦点ですね。ちなみに私のASSCのアブストラクトは初期のころの解析で、今は全然違うことになってるんで無視して下さい。
— Masafumi Oizumi (@oizumim) February 14, 2013
.@oizumim 了解です。あれは2011年ですものね。期待しております。
— Masatoshi Yoshida (@pooneil) February 14, 2013
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- / 投稿日: 2013年02月14日
- / カテゴリー: [トノーニの意識の統合情報理論] [視覚的意識 (visual awareness)]
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