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■ ポスター見に来てくれたひと

見に来てくださった順に名前がフォローできた分だけ。


まず見に来てくださったのは茂木研の方々。それからあと、茂木さんも見に来てくださいました。2000年ごろはqualia-MLでいくつかコミュニケーションを交わしたことがありますが、リアルで会うのははじめて。握手を交わしました。


うちのブログとも何度も交流させていただいているShuzoさんも訪れてくださいました。分野は離れているのですがよく理解してくださって感謝。やはり握手を。


大阪市立大学経済学部の橋本文彦さんとはバンケットなどでもお話をさせていただきました。哲学と数学のバックグラウンドを持っていて、経済学部の教授で、逆さメガネのプロジェクトへの参加などによって知覚と環境の関係を研究されているというすごく幅広い方です。こういう方とお知り合いになれるのもASSCならではというかんじで。そういう立場からコンセプチュアルな問題点を指摘していただきました。


土谷尚嗣さん。ものすごくenthusiasticに評価していただいて感激しました。後述のAlexander Maierと一緒に食事に行ってさらにいろいろ議論しました。土谷さんは元Kochラボ@Caltechで、Kochの"quest for consciousness"(「意識の探求」岩波書店)の訳者(現在Shimojoラボの金井良太さんとともに)としても有名。現在は同じCaltechのRalph Adolphsラボ(Damasioのところでのamygdala損傷患者の研究で有名)に所属しています。金井さんのブログの5/14のエントリでわたしのVSSのポスターに言及してくださったところにわたしがコメントして、それを見た土谷さんがポスターを見に来てくださった、といいかんじに繋がった次第。

Trends in Cognitive Sciences, Volume 11, Issue 4, April 2007, Pages 158-167 doi:10.1016/j.tics.2007.01.005 "Emotion and consciousness" Naotsugu Tsuchiya and Ralph Adolphs

Trends in Cognitive Sciences Volume 11, Issue 1, January 2007, Pages 16-22 "Attention and consciousness: two distinct brain processes" Christof Koch and Naotsugu Tsuchiya

Journal of Vision, 2006 Volume 6, Number 10, Article 6, Pages 1068-1078 doi:10.1167/6.10.6 "Depth of interocular suppression associated with continuous flash suppression, flash suppression, and binocular rivalry" Naotsugu Tsuchiya, Christof Koch, Lee A. Gilroy and Randolph Blake

Nature Neuroscience 8, 1096 - 1101 (2005) Published online: 3 July 2005; | doi:10.1038/nn1500 "Continuous flash suppression reduces negative afterimages" Naotsugu Tsuchiya & Christof Koch


Hakwan C. Lau。OxfordのWellcome TrustのPassinghaのところに所属していたのですが、現在はニューヨークのColumbia UniversityでAssistant Professorになっています。この方にも私がやろうとしていることをものすごくわかってもらえて、非常に良く評価していただけて感謝。もう少し話をする機会があったら良かったのですが。Decision関連のことをやってる人だと思っていたのですが、彼のサイトを見るともうconsciousness一直線というかんじで驚きました。たとえば、"A Higher-Order Bayesian Decision Theory of Consciousness"(PDFファイル)とか"Are we studying consciousness yet?"(PDFファイル)とか。また、blindsightのこともよく知ってる。というかほぼ当事者。いろいろ教わりました。

The Journal of Neuroscience, May 23, 2007, 27(21):5805-5811; doi:10.1523/JNEUROSCI.4335-06.2007 "Unconscious Activation of the Cognitive Control System in the Human Prefrontal Cortex" Hakwan C. Lau and Richard E. Passingham

PNAS | December 5, 2006 | vol. 103 | no. 49 | 18763-18768 "Relative blindsight in normal observers and the neural correlate of visual consciousness" Hakwan C. Lau and Richard E. Passingham

Science 20 February 2004: Vol. 303. no. 5661, pp. 1208 - 1210 DOI: 10.1126/science.1090973 "Attention to Intention" Hakwan C. Lau, Robert D. Rogers, Patrick Haggard, Richard E. Passingham。この論文に関しては20040225のエントリで言及してます。


Alexander Maier。現在はNIMHに所属。もともとはMax Planck InstitutのLogothetisのところにいたのだけれど、David A. LeopoldがNIMHに異動するのといっしょにNIMHに来たらしい。彼はnhpでのデータを持っていて、かなり近いところにいます。こちらのこともよくわかってます。土谷さんと3人で食事をしながらunpublishedなデータなど見せてもらって興奮。こういう方たちとこれから一緒にこの分野を切り開いていければ良いなあと思います。じつのところわたしはこれらの方たちよりはたぶん年食ってるのですが、ま、同世代と言ってよいでしょう。

PNAS | March 27, 2007 | vol. 104 | no. 13 | 5620-5625 "Context-dependent perceptual modulation of single neurons in primate visual cortex" Alexander Maier, Nikos K. Logothetis, and David A. Leopold。この論文の意義については金井さんのブログの5/28のエントリに記載があります。

Journal of Vision, 2005 Volume 5, Number 9, Article 2, Pages 668-677 doi:10.1167/5.9.2 "Global competition dictates local suppression in pattern rivalry" Alexander Maier, Nikos K. Logothetis and David A. Leopold

Current Biology, Volume 13, Issue 13, 1 July 2003, Pages 1076-1085 "Perception of Temporally Interleaved Ambiguous Patterns" Alexander Maier, Melanie Wilke, Nikos K. Logothetis and David A. Leopold


Alison Gopnik@UC Berkeleyはbabyのconsciousnessについてトークをしてました。McGlll大学の院生のDiego MendozaはChardhuri研でcontinuous flash suppressionをやってるそうですがトークは見れず。などなど、あとほかにも何人か話をしたのですが名前をメモれず。

みなさまどうもありがとうございました。

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# 土谷

吉田さん、

なんか色々書いていただいてどうもありがとうございます。
(論文の宣伝もしていただいて!)

Alex と3人での昼ご飯は、今回の学会のイベントの中で、
イチバン興奮しました。

正直、吉田さんのポスター一番面白かったですよ。意識の問題がよけいわけわらなくなった。

1.Hakwan が言ってた、DB(original blindsight)はできないが、
有名なGYは3秒待ちサッカードができること。
2.吉田さんのblindsightサルが2秒間待ってサッカードできること、
3.Petra Storig の3人のblindsightが全員 cueless でdetection できること。

この一連のblindsight spontaneous behavior は、
今の意識のモデルには、大概大問題なんじゃないでしょうか?
意識ってなんの為にあるのか?

最終日は一泊してからクリストフとクリストフのポスドクと3人で車で
5時間かけて帰ったのですが、そのときに、これらの blindsight が提示する
「意識の機能とは?」という謎に、クリストフは相当困ってました。
(ところで、彼がポスターに来れなかったのは、朝8時発でUCLAの学会に
向かっていたかららしいです。次の日の夜には帰ってきてたけど)

まだ心かわりしておられなければ、10月の学会の話、もうちょっとつめましょう。
メール頂けますか?

土谷

# pooneil

コメントどうもありがとうございます。
Petra Storigの話は驚きでしたが明らかにひとつの線で繋がる現象だと思います。残念ながらStorigとは話が出来なかったのですが。
DBさんの症例はあまりにstrikingすぎて、その後のblindsightの印象を決定づけてしまいましたが、DBさんはV1切除手術前から偏頭痛で対応する視野に幻覚を見るなどのこともあったようですし、かなりV1切除以外のhistoryの要因が大きい、特殊な例なのではないかと思ってます。たとえば、DBさんはtype I blindsight(どんなに明るい刺激でもawarenessが報告できない)なのに二択の弁別能が90%を越えていますが、それ以降報告されているtype I blindsightでの弁別能はだいたいずっと低いです。(たとえば、StoerigのCerebral Cortex 2002でのHKさんの弁別は二択でせいぜい60%程度。)
それではまたあとでメールしますので。

# Shuzo

ポスター発表お疲れさまでした。内容的に馴染みのない私にも丁寧に説明して頂きありがとうございました。私は表面的にしか理解できていないと思いますが、大変精力的な、非常に面白い研究だと思いました。

あれは?これは?と次々とシンプルな疑問が湧く研究というのは、なかなかないです。今後のご発展、非常に楽しみにしております。

# pooneil

Shuzoさん、どうもありがとうございました。以前もgeneralized flash suppressionを採りあげていたり(http://blog.livedoor.jp/brain_network/archives/50649530.html)、この分野のことをよく調べてらっしゃると思っておりました。それではまたの機会に。


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