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■ 研究関連メモ2015年9月
まじかよ、phantom limbのrewiring説に見直しが必要? Brain 2015 Reassessing cortical reorganization in the primary sensorimotor cortex following arm amputation このネタ、Hurley and Noeのexternalist説vs Internalist説で使ってきたけど、アップデートが必要そうだ。
いいもんみつけた:「興奮・抑制均衡入門」「内容は, ほぼ van Vreeswijk & Sompolinsky (1998) “Chaotic balanced state in a model of cortical circuits”の解説です. 」
Yellowish blueの話はScientific American 2010ではじめて読んで、それからいつかやりたいと思ってる。これは意識の研究になると思う。
ふと思い立ってdeep learning + saliency mapで検索してみたらざくざく論文出てきた。これで大手を振ってdeep learning論文を読める。(<-え?) ともあれ、すくなくともventral visual pathwayではsaliencyの計算だけを独立でやっているというよりは、object recognitionと一緒にやっているであろうから、この考え方は正しいだろう。一方でsubcorticalのサリエンシー検出回路はobject recognitionをしていないのでまったく違った原理で動いている可能性がある。
こういう視点からうまいこと特徴付けてやることができると、cortical vs subcortcal saliency検出のシステムという議論を説得的に行えるかもしれない。よ~し、お父さん、ヒントン2006のmatlabコード動かしちゃうぞ!(<-その前にあれとあれとあれやれ!)
これはMarrの計算論的原理の違いまで持ってきて議論できるからインパクトあるんでないの?だれかやって!
しかもこれやると、ボトムアップの低レベル特徴によるサリエンシーだけでなくて、object recognitionまで含めたfaceとかそういったオブジェクトまで含めて視線データの推測に使うことができる。つまり、サリエンシーモデルの後付け拡張でなくて、サリエンシー+物体認知でやる。
けっきょく我慢できずHintonのScience 2006のコードを動かしてる。いま2hrかけてBPを24/200回したところだがファン回りまくり。もう収束してるしから休め、と言いたい。
mnistdeepauto.mの結果(左)は200epoch回してもまだerrorが下がり続けている。mnistclassify.mの結果(右)は35epochで止めたがもう充分というかんじ。あとで重みを見てやる。面白い。
昨日の飲み会(飲んでないけど)では「マーモでrubber hand illusionを!」とか言ってみたけど、マカクでGraziano et al Science 2000があったのを思い出した。
でもラバーハンドイルージョン的な自己(parietal)と離人症でいう自己(anerior insula)って多分別モンで、石田さん、鈴木さんの論文みたいにSII-aINSで繋がってもいいのかもしれないけど、「自己」にも背側経路と腹側経路とかあったりしないかな、とか昨日話をした。
あとマーモやマカクでTPJ刺激でOBEって話もした。でもどうやって検証しろと?(<-自分で自分にツッコミ)
Grazianoのパブリケーション・リストを見たら、小説や音楽作品まで入っていて、なにこの人、ダ・ヴィンチ?と心底震え上がった。
「内容は情報と熱力学を使って生体通信を理解しようという話です」こういうの勉強したい。
でもたぶん無理。高3ときの物理の試験で5/100点とって校内下位5%に入ってから私は物理は諦めている。いまさら「自由エネルギー最小原理」とかちゃんちゃらおかしい。俺は微分方程式など捨てて「お話としての説明」だけに満足しようと思う。
だから俺は「モテない男のミソジニー」みたいなものを物理に対して持っており、物理帝国主義を嫌悪し、そして密かに憧れる。それはたぶん、計算主義や表象主義を徹底させた合理主義を密かに嫌悪し、(わかりもしないくせに)直接知覚や反表象主義に半可通的に接近しようとする俺の傾向と通底している。
PsychoPyとEyeLinkを組み合わせるとPyGameの制限で刺激提示をプライマリモニタにしないといけない。で、しばしばPsychoPyがセカンダリから帰ってこなくなる。Spectacle https://spectacleapp.com/ というので対処できることを知った。
Walter Pittsの生涯については、Lettvinの証言とかの短い記事は読んだことがあるが、これだけ詳しいものは初めて見た:The Man Who Tried to Redeem the World with Logic
この部分とか:“Nature had chosen the messiness of life over the austerity of logic, a choice Pitts likely could not comprehend.” messinessキタ!
元ネタのひとつはこれか。あいにく読めない。Walter Pitts by Neil R. Smalheiser Perspectives in Biology and Medicine 43.2 (2000) 217-226