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■ 2015年9月英国IPC2015およびSussex大学訪問記

ギリギリまでいろいろ準備してて、やっとオックスフォードに行く準備が出来た。寝室に掃除機をかけ、雑巾で畳を拭き清める。サセックス大学でのトークは今から作る。神経科学大会のシンポから半側空間無視を抜いて、上丘のスパイキングネットワークモデルを広げる方向で。

オックスフォードで開催されるinternational pupil colloquium (IPC 2015) でのトークは紆余曲折あってなぜか15分(質問込み)に。こちらは30分シンポジウム用に作ったものを改変しないといけない。無茶だ。

明日は朝早く羽田から出発。東横インから無料バスが出ていることを知った。British Airwaysは24時間前からチェックインできるし、モバイルアプリもあった。ということでだいたい準備整った。あとは寝坊さえしなければ。


イギリスに到着!ヒースロー空港の入国を通過するのに35分かかった。空港からオックスフォードに向かうバスに乗ったところ。最終目的地到着まであと80分。

飛行機の中でスライドとしゃべり完成させた。いつもの say -f talk.txt -v Alex -o talk.aiff でしゃべり音声ファイルを作って8分ちょっと。実際にしゃべるとたぶん12分くらいになるだろう。だいたい準備出来た。

会場はオックスフォード大学のうちPembroke Collegeというところで、この古めかしい建物の中はきれいな施設で、宿泊施設も講演会場もぜん揃ってる。

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昨日は22時までなんとか寝ないように粘ってから寝たら、途中4時に目覚めたけど最終的には7時まで眠ることができた。9時間睡眠って赤ちゃんかYO! 健康的だ!窓の外は雨が降っていて寒そう。イギリスだ。短パンポロシャツが使える機会はなさそう。

出張中に急ぎで対応しなければならない事項が勃発。シンポジウムもそこそこにメール作業へ。結果として飛行機に乗ってるあいだにスライドを終わらせておいて正解だった。今日は街を歩いて回る余裕はなさそう。

食事は朝昼晩TESCO express (スーパー)でサンドイッチと缶詰。つかポンド高すぎて外食できない。バーガーキングで7ポンド払ったら1300円相当とか笑える。


Pupil Colloquiumの後は @ksk_S さんに対応してもらってサセックス大学でセミナーをさせてもらうことになった。Webサイトに出てる。

時差ボケで眠いが、23時まで粘って発表練習してた。喋ってると眠さを抑えられる。通しでだいたい10分30秒。本番はもっと引っかかるから12分くらいか。まあ妥当な線。

知り合いがほとんどいない学会のうえ、座席についての夕食という状況で正直困ったが、隣りに座ったスペインから来たoptometristの院生がいい人だったので、それぞれの国の事情とか話しながら案外楽しく過ごした。


講演は無事終了!だいたい時間ぴったし。あとで名前の知らない初老の先生から"the most enthusiastic talk"と評されたので(いつものことではあるのだけれど)、それは必ずしもよくないですよね、と言ったらいい講演でしたよと言ってもらえた。今回は練習の成果があった。

一緒にチェアをしたArash Sahraieが講演前のコーヒーブレークで「フリービューイングの話、面白いね」と言ってくれたのだけど、準備していたのはSci RepsのYN課題の話なのだった。一瞬トークの内容を変更することも考えたが、練習全部ぶっ飛ぶのでそのまま行くことにした。

それから特筆するべきは、自分のトークの時間にLarry Weiskrantzが聞きに来てくれたことだ。彼は「盲視」という言葉を作った人でこの分野のゴッドファーザーだ。ずいぶんお歳を召していて耳も遠いようで挨拶するだけにとどまったが、ついにここまで辿り着いたかと感慨深い。

そして共同研究のきっかけも掴んできた。食事の後にさっそく何ができるかディスカッション。そんなに仕事増やしてどうすんの、という話もあるが、種を蒔けるときに蒔く。さいきん正直しんどい時期を迎えているのだが、なんだかもういっちょやったろうという気が出てきた。とはいえ今日は疲れた。寝る。


IPC2015、最終日のディナーも終了。隣りに座った大御所の先生に「君はとてもいい声をしているから歌を歌ったほうがよい。これが君にとって今回の学会における最大の教訓だ」と言われた。そんなこと言われたことないですよ、と答えても大真面目だった。明日から歌手に転向することにしますた。

Sussex大学のスライドもだいたい完成。前半awarenessで後半saliencyという構成。いま思案しているのは、[皮質下でのsaliency]と[皮質でのPE(bayesian surprise ~= saliency)]との関係の議論まで盛り込むかどうか。

皮質ではPEはpredictionとカップルしていて順逆ループを構成しているけど、皮質下でのサリエンシーはたぶん別の構造を持っている、みたいなことを議論してみたい。そういうことするのと、スパイキングネットワークの話を入れるのとどっちが面白がってもらえるかどうか。

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ブライトンに到着した!例の観覧車のあたり。B&B(と言っても朝食は出ない)の小さい部屋に入って、ベッドに寝転がって、さてくつろごうと思ってドクペを開封したら泡が噴出して、ベッドとズボンが台無し。ラップトップにも一部かかったがギリギリ回避。というわけでいきなりブルー。

Sussex大学でのセミナー終了! 参加人数は25人くらいで部屋の椅子は8割がた埋まる感じだったので、盛況と言ってよかったと思う。けっきょくYes-no課題、電気生理+ムシモル、サリエンシーで話をしたら時間いっぱいに。真ん中は削ってしまうくらいでバランスとしてはよかったようだ。

トークのあとで聞いた感じでは、データと結論がはっきりしていて説得的だとか褒めてもらえたので、だいたい良かったかんじ。あと、Michael F. Landが聞きに来てくれたのは良かった。日常生活での視線計測の大家だから期待していた。

Michael F. Landからのコメントは「フリービューイングでは被験者はimplicitなゴールを作ってしまうものだがどう対処している?」というものだった。これはFAQかつ難問で、Yarbusの課題の影響の議論を踏まえている。

答えとしては、「これは難問であって、複数の課題(たとえばwhere’s Waldo課題を含める)で比較しないと解決しない」「ただし現在のデータに関しては、centerに向かう傾向を除くために、peripheryに向かうサッカードだけで解析しても同じ結果が出る」ということを伝えた。

Anil Sethも来てくれてサリエンシーについて質問があったけど、こちらは「トップダウン注意はどう考慮すればいいと思う?」というこれまたFAQかつ難問。「課題のゴールを明示的にマーキングするなどの方法、そしてBayesian Surpriseで現在のモデルからの予想外を検出」というアプローチについて答えて、サリエンシーの問題がpredictive codingでのprediction errorとして捉えられることについてセミナー後に話をした。Friston 2012論文での顔を見ているときの視線データのモデル化についての話になったので、マカクは目を見ないけどマーモセットは目を見るので、そちらはデータを既に持っているのでモデル化するかも、とかそういう話をしてた。というわけでSussex大学への来訪もいろいろ収穫大きかった。


夜の帰り道(23時)に「ブライトン日本フェスティバル」に通りがかったらKissみたいなかぶりものしたバンドが演奏してた。観客に混じって一緒に踊っていたら「日本おめでとう!」とか言われて一緒に肩くんで踊った。帰ってきてから、ラグビーWCで日本が南アから大金星というニュースを知った。

UK出張の全行程が終了。ヒースロー空港に到着。3時間以上前に到着して、チェックインオープン前から並んだが、安全審査は5分で通過。拍子抜けした。

昨日の夜の寝苦しい時間から、バスに乗っている時間までのあいだに将来のいろんな可能性について極論含めていろいろ考え、なんだか頭が疲れた。それでも一休みすればもう一度なんとかしようという気持ちが湧いてくる。レジリエンス!


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