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■ 「方位」と「方向」ってどう違うの?

JNS2013 Emergent Properties of the Optic Tectum Revealed by Population Analysis of Direction and Orientation Selectivity メダカの場合は網膜と上丘の両方で方向選択性が作り上げられる。それにしてもなぜ霊長類の上丘では方向選択性がないのだろう?

必要なphotoreceptorとかが足りないわけでもないので、二色性、三色性色覚の話とも違う。だから、大脳皮質で損傷が起こると、皮質下の方向選択性が再生したりとかしないだろうかと考えてる。でも直線的な進化を反映しているようにも思うし。まだわからん。

Lettvin and MaturanaによるFrogのbug detectorはきっとprimateにもあって、それがsaliency detectorとして働いているんだろうと思う。そういう「お話」をどう持っていったら意味のあるものにできるだろうか?

V1ニューロンの選択性とかで、orientationのことを「方位」って訳して、directionのことを「方向」って訳して別物として取り扱っているけど、元々の「方位」の語自体は必ずしも0-180degの範囲ではない(方位磁石とか)。どういう経緯でこういう訳になったんだろう?

こっちのフォーラムでのorientationとdirectionの違いを見るとさらに分かってきたようなわからないような。

たとえば"direct our gaze"という言い方はするがorientは使わない。gaze(見ている位置)は動く。一方でorienting of attentionというときは私を中心にしてそこから注意を向けている。orientって自分は動かずにrotateするかんじか。

方位=orientationには基準があって、方向=directionには基準がないという説明をいくつか見つけたけど、方位というのは(自分からの)向きといったエゴセントリックな含意があるということを反映してのことなのだろう。

追記:「方位」の話はけっきょく、orientationという言葉自体には(たとえば)90度と270度が等価になるような意味はないのだから、正確には「傾きtilt」とでも言うべきなのではないだろうか?こっちなら、水平(0度)から右縦(-90度)までと左縦(90度)までで定義できるし。


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