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■ ポスター見に来てくれた人
無事Annual Meeting of the Society for the Neural Control of Movement(NCM)から帰ってきました。
学会としてはoculomotorよりはlimb movement系のほうが多い感じ。参加者は全体で300人程度。常時ひとつのシンポジウムかポスターセッションというかんじで、一体感があってよいです。以前の生理研COEシンポジウムとかがイメージとしては近いです。
わたしのポスターの方はほぼ常時だれかと話しているというかんじで、皆さんおもしろがってくれて、なかなか手応えを感じました。来てくれた人でバックグラウンドのわかる人をメモっておきました。日本人の方は割愛ということで。
- Brian D. Corneil@University of Western OntarioはDoug Munoz familyのひとり。R. A. Andersenのところでparietalのシグナルを使ったBMIの仕事(Science 2004 "Cognitive Control Signals for Neural Prosthetics")に加わった後でカナダに戻ってきた。以前からeye-head coordinationの仕事をしていて(Neuron 2004 "Visual Responses on Neck Muscles Reveal Selective Gating that Prevents Express Saccades")を出してる。
- Kevin JohnstonはStefan Everling@University of Western Ontario(こちらもDoug Munoz family)のところの人。最近Neuronを出したけど("Top-Down Control-Signal Dynamics in Anterior Cingulate and Prefrontal Cortex Neurons following Task Switching")、今回のポスターはJNS 2006 "Monkey Dorsolateral Prefrontal Cortex Sends Task-Selective Signals Directly to the Superior Colliculus"がpro- anti-saccadeだったのをmemory-guided saccadeにしたものを出してました。
- Neeraj J. Gandhi @University of Pittsburghは以前はDL Sparksのところにいた人。今回はeye-head coordinationのシンポジウムで、Vision Research 2001 "Experimental control of eye and head positions prior to head-unrestrained gaze shifts in monkey"の延長上の仕事として、上丘からの記録やOPNの刺激の話をしてました。この人は回路の人なので、私の話でどのくらい厳密に回路の議論ができているのか、というような質問が来た。
- H.H.L.M. GoossensはVan Opstal@Netherlandsのところのひとで、上丘のニューロン記録の論文あり:"Dynamic Ensemble Coding of Saccades in the Monkey Superior Colliculus"。
- Peter Bremenも同じラボで、外部への出力が不要な眼球運動測定法をポスターで出してました。Journal of Neuroscience Methods 2007 "Using double-magnetic induction to measure head-unrestrained gaze shifts. I. Theory and validation"。Van Opstal自身は来訪せず。いろいろ聞いてみたいことはあったのだけれど。
- Thomas Schenk@DurhamはもともとZihlのところでV5(=MT)損傷の神経心理をやってた人(Neuropsychologia 1997 "Visual motion perception after brain damage: I. Deficits in global motion perception")。今回は患者DFさんの話(Nature Neuroscience 2006 "An allocentric rather than perceptual deficit in patient D.F.")をポスターに出してたけど見逃しました。
- Pierre Baraduc@CNRSはWolpertのところにいた人で、reachingで内部モデル関連。Current Biology 2004 "Consolidation of Dynamic Motor Learning Is Not Disrupted by rTMS of Primary Motor Cortex"とか。この人はすごくこちらの話がよくわかってて、根掘り葉掘り質問されたけど、なんとか最終的には納得してもらえたと思います。
こう並べてみると、どういう人が客層なのかということがわかって収穫。場所柄か、比較的ヨーロッパの人が多い印象。なお、今回の学会はoculomotorに関しては上丘かその下流(OPNとかEBNとか)の人が中心で、FEF,LIPとかのひとはほとんどいませんでした。そのへんはたぶん7/8-13に行われるGordon Research Conferenceのoculomotor system biologyの方に流れてるのでしょう。こちらも参加したかったけどさすがにちょっと無理。