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■ EyeLinkってどうなんですかね
Saccadeを使って研究するにあたって、将来的には非侵襲的方法が主流になってくると思うのだけれど、ビデオ法(video-oculography)ってどんなもんなんでしょうかね。
げんざいcommercially availableなものといえば、SR ResearchのEyeLinkです。
論文もいくつか出てます。ぜんぶhumanがsubjectのものだけど:
Journal of Neuroscience Methods Volume 114, Issue 2 , 15 March 2002, Pages 185-195 "Recording eye movements with video-oculography and scleral search coils: a direct comparison of two methods" J. N. van der Geest and M. A. Frens。"EyeLink version 2.04, SR Research Ltd/SMI"と明記されてます。Sampling rateは250Hz。Scleral coil法と同様なmain sequenceなどのデータが取れるが、小さいamplitudeのサッケードに関しては誤差があるかも、というかんじ。サッケードの時間プロファイルの図は出していないので、どのくらいとびとびなのかはこれでは評価できない。ちなみにサッケードにかかるdurationはせいぜい40ms(eccentricity=20degにて)であり、250Hzだと10点しか取れない。
The Journal of Neurophysiology Vol. 88 No. 2 August 2002, pp. 692-698 "Scleral Search Coils Influence Saccade Dynamics" M. A. Frens and J. N. Van der Geest。上のと同じ著者が、ビデオ法を元に、Scleral coilを付けているときと付けていないときとを比べて、Scleral coilを付けるとSaccadeが遅くなり、durationとして長くなる、と言ってます。
この論文ではサッケードの時間プロファイルを出してる。でも、eccentricityが30degのときの図で、durationが70-80msあるので20点くらいデータポイントが取れるからそれらしく見える。もしeccentricity 5degくらいのサッケードを記録しようとしたら、ダイナミクスの議論はほとんど無理そう。
J Neurophysiol 90: 12-20, 2003. First published February 12, 2003 "Nature of Variability in Saccades" Jeroen B. J. Smeets and Ignace T. C. Hooge。Scleral coil法でのサッケードのダイナミクスのばらつき(velocity, amplitude and duration)はコイルを付けたことによるdiscomfortによると言う。
Investigative Ophthalmology and Visual Science. 2006;47:179-187. "Recording Three-Dimensional Eye Movements: Scleral Search Coils versus Video Oculography" Mark M. J. Houben Janine Goumans and Johannes van der Steen。これだけEyeLinkではなくて、Chronosのvideo-based infrared three-dimensional eye tracker deviceというのを使ってる。3次元の眼球運動の動き(torsion)を計算するにはvideo法はまだ不十分とのこと。
まだまだnhpのサッケードを扱うには厳しそうな雰囲気。一方で、EyeLinkのサイトを見るとEyeLink 1000という、1000Hzのsampling rateのものが出てきたもようなので、こんどのSFNでは見に行ってこようと思います。Sampling rateが上がれば、取り込める光は少なくなり、画像はよりノイジーになるので、そのへんがどのくらい克服できているかだと思います。
気になるお値段の方ですが(回し者かYO!)、サイトに書いてない。こういうのってどこも書いてくれないんですよね。グラント書きのときに調べないといけないからめんどくさい。このファイルを見る限り("Computer vision, eyetracking, spoken dialog systems, and evaluation: Challenges and opportunities")、tens of thousands dollarsですが、200万か800万かで大違いですな。
……ってエントリ作って放置しておいたらSFNの後になってしまった。SMIのブースも見逃してるし。ダメだこりゃ。
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- / 投稿日: 2006年10月24日
- / カテゴリー: [Saliencyと眼球運動]
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# kenken
Pooneilさん、こんにちは。
# bいままでブログを読ませてもらって、色々勉強させて頂いておりましたが、今回はじめての書き込みです。
赤外線だと、比較的廉価なのは、Iscan http://www.iscaninc.com/ で、私も2台入れておりますが、さらに高時間解像度のものだと、1000 Hzのものが Thomas http://www.thomasrecording.com/en/cms/front_content.php?idcatart=63&lang=1&client=1 から出ていますね。これはどうなんでしょう?
Eyelink IIですと,計測モードによっては500Hzで取れたはずです.
また,CambridgeResearchSystemsでもHighSpeedVideoEyetracker(ビデオ法)で250Hz,本来はMRI用のMR-Eyetracker(強膜反射)ですと1000Hzでの計測が出来ます.
# pooneilhttp://www.crsltd.com/
コメントどうもありがとうございます。CRSのやつはサイトを見たことはありましたが、他のは知りませんでした。
Human MRIでの用途とか、動物の時でも視線の位置をモニターする(サッケードを使って課題の応答をさせる)用途ではすでに実用化していると思うのですが、眼球運動じたいのダイナミクスとかを扱う精度があるだろうか、というのが元のエントリでの意図でした。
その意味ではやはり500-1000Hzで記録できないとeye coilに追いつかないよなあと思っていたのですが、そのへんまでかなり近づいてきているようですね。