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■ マッカロー効果

Nature Neuroscience 7月号 "Contingent aftereffects distinguish conscious and preconscious color processing" Edward Vul and Donald I A MacLeod
マッカロー効果を使った話です。マッカロー効果じたいについてはマッカロー効果The McCollough Effect - An On-line Science Exhibitなどで体験することができます(注意事項有り。後述)。緑の縦縞とマゼンタの横縞をしばらく見といてから白黒の縞を見ると補色が色残効(after effect)として見える、というやつなのですが、おもしろいのは色残像などと比べて、効果がかなりあとまで残ることです。だから、気になる人はデモは避けた方がよいかもしれません。Wikipediaでみると、10分かけて効果を誘導してやると24時間持続するとのことです。
(色残像:after imageのほうは、たとえばOptical Illusions etcで経験できます。補色の画像を見つづけてから同じ画像の白黒版を見ると、色が付いて見える。同じ原理のやつが最近はてブでホッテントリ化していたのだけれどURL忘れた。)
んでもって、論文の方はというと、このような色残効を誘導するのに緑の縦縞とマゼンタの横縞を交互に見せるわけだけども、この二つの像の切り替えをものすごく速くしてやると(15Hz以上)、色の切り替えは見えなくなります。意識には上らなくなるわけです。それにもかかわらず、マッカロー効果は(弱いながらも)残る、これがnew findingです。マッカロー効果は網膜のレベルではなくてもっと先、LGNか大脳皮質かでのことと考えられていますので、一種のimplicit perceptionの例と考えることが出来るでしょう。


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