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■ 「行動の価値」を表す線条体ニューロン

Science 11/25 "Representation of Action-Specific Reward Values in the Striatum"

前回はあくまで統計上の手続きに関して議論しました。そのような議論とはべつにして、じっさいのところcaudateニューロンがselected actionをコードするだろうか、という問題に関しては、これまで出版されたほかの論文を読むことから推測することができます。というわけで彦坂グループのNature '02 "A neural correlate of response bias in monkey caudate nucleus"をあたってみます。まえにKawagoe et.al.に言及しましたが、今回の論文との対比という意味ではNature '02の方を考える方が妥当でした。

Nature '02の課題は2afcのvisually-guided saccade taskで、20trialブロックごとに二つのreward contingencyの条件[右reward+ 左reward-]と[右reward- 左reward+]とが交代します。Saccadeのtargetが出る前のanticipatoryなactivityに注目します。Saccadeのtargetが右に出るか左に出るかはtargetが出るまで不明ですから、このanticipatory activityはmotor preparationによるものではありません。すると、caudateニューロンのanticipatory activityはrecording siteのcontralateral visual fieldにrewardが出るときに強く発火しました。このactivityはじっさいに右にサッケードしたか、左にサッケードしたかには依存しません。よって、このactivityはsaccadic targetのreward valueに基づいたresponse bias(reaction timeの違いとして出てくる)を反映している、というのがこの論文の結論です。

というわけで、caudateのニューロンがselected actionではなくてaction valueをコードしている、というのは尤もらしいように思えます。いっぽうで、このNature '02と比べての今回のScience '05のノイエスを議論する必要があります。そういう意味では、前にも少し書きましたが、課題がfree-choiceであることが"value"のコードを議論するにあたってどうして重要なのか、というあたりを考えておく必要があると思います。じつのところ、Nature Review Neuroscienceの"CHOOSING THE GREATER OF TWO GOODS: NEURAL CURRENCIES FOR VALUATION AND DECISION MAKING." Leo P. Sugrue, Greg S. Corrado and William T. Newsomeがすでにこの問題を議論しています。その辺についてもメモっておきたいのですが、次回にでも。


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