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■ Supporting Information
PLoS biologyを見ていたら、Supporting Informationがおなじhtmlファイル中にあるんですよね。ムービーとかはそこからリンクしていて。そういえばこの方がずっと便利なわけで、NatureやらScienceやらで字数制限があるためにmaterial and methodsをsupporting informationに回しているときなんかは同じことやればいいじゃん、と思いました。なんでマテメソ見るためだけにpdfファイルを開かなければならないんでしょう。つまりPLoS biologyが原稿のXMLファイルを提供している、というあたりと比較してみても、NatureやScienceはまだ発想が活字中心であってまだまだネット中心には移行しきれていない、ということなのでしょう。
関連記事がalchymiaさんのところの20050406にあります。
alchymiaさんの記事に関連したことを書くと、Mac OS Xのquartzみたいに画面描画がWindowsでもpdfネイティブ化して(metro化でもいいから)、pdfファイルを開くという操作をとばして論文を読めるようになったらハッピーなんですけどね。Macをうらやましいと思ったことはなかったですけど、あのアンチエイリアシングのかかったきれいな文字の画面はうらやましい。XPのClearTypeは英字しかアンチエイリアシングがかからないし、日本語フォントのアンチエイリアシング化プロジェクトのフォントも試してみましたけどまだきれいでないですし。
どっちにしても、液晶の高密度化、画面描画の高速化、構造化テキストとして論文の提供、ぐらいが必要ですかね。深く読み込むべき論文はどっちにしろ印刷して真っ黒に書き込まなければならないわけです。ちょっとチェックする、読み込むべき論文かどうかスキャンする(ネットを使うときというのは主にこういう状況)、ぐらいのときに論文全体を見渡す環境がもっとよくなったらいいのに、と思うのです。
おそらくこの問題はamazonなどのネット本屋がどのようにして「立ち読み」をできる環境を作るかという問題とリンクしているのですな。Amazonはサンプルページを作るとか、検索を充実させるとかいろいろやっているけどどれも立ち読みにはかなわない。書物全体にアクセスできるけど内容を深く読んでいるわけではないという状況と、買った本とはじめから最後まで読むこととを分けるということがいかに難しいことか、ということでしょう。ひとつはフルアクセスできるけれど時間制限など付ける(一定時間以下は課金されない)、ということでしょうけどそれだけでは不十分でしょうしね(たとえコピーできなくしても、画面print screenしてOCRかけられたら終わり。歌詞掲載サイトなどでコピーできなくしてあることが有効なのは、まだ画面の解像度が低いのでOCRをかけることができないからだし)。やっぱり立ち読みは偉大だ。立っているから長時間読めない、これこそが「環境型管理」というやつか! そしてジュンク堂はその管理すらもゆるめたと。なら規律型管理をゆるめた本屋というのはどうだろう……ってそれ万引きし放題本屋ってことじゃん(<-脱線しすぎたのでやめます)。
# alchymia
トラックバックありがとうございます。「深く読み込むべき論文はどっちにしても印刷しなければならない」、「読み込むべき論文かどうかをスキャンする過程をもっと手軽にしたい」は、その通りだと思います。論文が構造化テキストで配布されれば、figureのみを表示させたり、methodのみを抽出したりできるようになりますね。個人的には、Pubmedが検索結果のRSS配信を始めるそうなので、これも注目したいです。