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■ Nature 9/23

"A frequency-dependent switch from inhibition to excitation in a hippocampal unitary circuit." BEAT H. GÄHWILER
おお!Gähwilerとはなつかしい名前が。私は以前slice cultureで電気生理をやっていたのですが、Gähwilerはslice cultureのオリジネーターです。スライドガラスにplasma clotで海馬スライスをくっつけてやって、ぐるぐる回しつづけながら培養するとスライスの厚みが一層だけになって、よりたくさんのニューロン間の結合が形成されます。この系を使って彼らは以前もCA3とCA1の錐体細胞でシナプス結合のあるペア(unitary circuit)からパッチクランプをして、ひとつのCA3からの入力でCA1の錐体細胞にどれだけの影響があるかとか可塑的変化を起こせるかとかを検証していて、すげーと思った覚えがあります。スライスが一層になる過程でacute sliceと比べてシナプス結合が多くなってしまうことをどのくらいポジティブに捉えるかが問題なわけですが。これが約10年前の話*1
今回はこの系を使って、dentate gyrusのgranule cellとCA3の錐体細胞とからpair recordingをして、preのgranule cell一個の発火頻度によってpostのCA3がどのようにmodulateされるかを調べたら、preの発火頻度によってpostへの影響が全体として興奮性になったり抑制性になったりすることがわかった、というものです。これがNature級なのかどうかはワシにはもはやわかりゃせんのじゃがの(ご隠居になってみる)。

*1:ちなみに当時私はミリポアのmembrane上での静置培養のほうを使っており、こちらのほうはスライスが一層になることもなく、pyramidal layerが広がることもないので、Gähwilerらのやり方よりもよいのではないかという信念を持っていました。とくにfield potentialを記録するにあたっては。

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# ご隠居

pooneil翁も年をとったのう...なにしろおたっしゃでな.


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