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■ Nature Neuroscience 8月号
- "A morphological basis for orientation tuning in primary visual cortex." David Fitzpatrick。図だけしか見ていないけどこれすごいな。V1のlayer 2/3ニューロンのorientation selectivityがどうやってできるかを入力線維の走行パターンによって説明しようとするんだけれど、News and Views ("A shrewd insight for vision." Martin Usrey)のFigure 1にあるように、それがlayer 4からlayer 2/3への投射がねじれていることによって実現されている(分かりにくいから図を見てください)、ということを示したというのです。これはおどろき。普通そういったorientation selectivityは層を垂直に延びるaxonがdivergentに投射していること(そのときには今回のようなasynmetricalな構造は想定されていない)および層に平行な方向のlateralなconnectionとによって実現されるものだと思われていたわけですから。このことはV1のpyramidalニューロンが垂直方向に延びているとするコラム仮説の修正を要請するものだし、0-180degreeの方位を表象する領域がハイパーカラム的な構造をしていることを予言します。 また、これは重要なことだと思うのですが、V1の (optical iamgingで作る)orientation mapでのpinwheel center構造(NVのFigure.1での黄、緑、青、紫、赤に囲まれた領域。orientation selectivity map上での鞍点のようなもの。これもFitzpatrickやBohnhofferとかが明らかにしてきたもののはずですが)について、今回の論文で出てきたような構造(layer 4での回転する軸の中心に対応する部分がlayer 2/3でpinwheel centerになっていると考えればわかりやすい*1)から説明することもできます。 これまでの論文とどうconsistentなのかも気になるけれど、V1の局所回路についてずっとやってきたFitzpatrickに言われるのでは何もいえなくなってしまいます。
- "Prediction of immediate and future rewards differentially recruits cortico-basal ganglia loops." 7/3のコメント欄でmmmmさんが言及した、銅谷先生のところでのfMRIの論文。
- "Underlying principles of visual shape selectivity in posterior inferotemporal cortex."
*1:いや、中心が対応するという言い方も正確でないか。点と点との一対一対応にはないわけだから。なんにしろ、すぐにモデルが作れそう。