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■ Empathy
せっかくなのでempathy、ミラーニューロンあたりで検索して関連論文漁ってみました。
- PNAS '03 "Neural mechanisms of empathy in humans: A relay from neural systems for imitation to limbic areas." Premotorやsuperior parietalだけでなく、insulaやamygdalaで差分が出る、というのがミソのよう。
- "The manifold nature of interpersonal relations: the quest for a common mechanism." Vittorio Gallese。"EARLY AND MATURE IMITATION"なんてセクションもある。
- "What imitation tells us about social cognition: a rapprochement between developmental psychology and cognitive neuroscience." アブストにこんなこと書いてある。"We marshal evidence that imitation recruits not only shared neural representations between the self and the other but also cortical regions in the parietal cortex that are crucial for distinguishing between the perspective of self and other."
- "Empathy for Pain Involves the Affective but not Sensory Components of Pain." Raymond J. DolanとChris D. Frith。2/25にChris Frithがまたらしい感じ(empathy)を扱っている、とだけ書きましたが、これがCorreggioさんの言及したFrithのfMRIですね。"their loved one"ってすごいなあ。でも痛みへのempathyだったら、自分の子供を使った方が強烈だと思う、って何を考えているんだ。
- "Both of Us Disgusted in My Insula: The Common Neural Basis of Seeing and Feeling Disgust." Giacomo Rizzolatti
# Correggio
心の理論は、大体4−5歳から獲得するという話しですが、自他の分離のついた模倣はもっと早いようですね。の辺は最後にリンクを張ってある論文に詳しいです。従って、ミラーニューロンシステムは、発達にしたがって、ステップアップしていくんでしょうが、心の理論はある時期のその表出を見ているということでしょうか。empathyについては、PNAS03の論文が、顔の表情の模倣をしたときのイメージングで、純粋にemotionの共有といえないのではないかという疑問があります。それに対して、Neuron2003ではRizzolattiたちが、実際に匂いをかいだときとそれをかいだときの表情の観察で、Isulaやcingulateが共通して活動するのを見ています。Frithのところからは、16ペアの恋人同士を被検者にして、その片方を痛めつけた時のもう片方のfMRIをとってます。
# pooneilCorreggioさん、ありがとうございます。関連論文、リストに入れておきました。自他の分離のつかない模倣、自他の分離のついた模倣、心の理論、という順番なのでしょうか。なんにしろ、ご指摘のPhilosophical Transactions、読んでみます。
# メシダ初めまして。
ryasudaさんのリンクから来ました。
私はこの「あくびが伝染する」という記事を読んだとき、
# pooneil「年を取ると涙もろくなる」のも、同じメカニズムなんじゃないかと思いました。
どちらも、共感能力が高くないとできない(他人の気持ちのわからない、人生経験の少ない幼児にはできない)ことだからです。
ま~、これは私のただの思い付きです。
どうもはじめまして。お返事遅れました。「年を取ると涙もろくなる」、なんかさいきん実感するようになりました。発達(子どもから大人へ)や老化(大人から老人へ)だけでなく、なんかその中間でもいろいろ変化が起こってるんだろうなあと思います。