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■ Nature Neuroscience 7月号
- "Recalibration of audiovisual simultaneity." NTTの西田先生とCaltechの下條先生の名前が入っている。 私たちが目の前でボールがバウンドしているのを見るとき、バウンドする動きと地面に叩き付けられる音とが同じ物体(ボール)から来ていることを間違えることなく結び付けます。しかし、これはじつは不思議な話で、視覚情報が処理される脳の領域と聴覚情報が処理される脳の領域が違うだけではなくて、それらの処理されるのにかかる時間も違います。つまりそのような光と音との同時性(simultaneity)がどのようにして確立するか、という問題群があります。これはもちろん光と音だけの話ではなくて、視覚情報内でも動きと色との同時性がどう確立するか、という問題があり、そのような同時性が崩れるようなillusionがいろいろ考え出されています。Flash-lag illusionに関しても動きと光の点滅とのあいだでの同時性の問題であるといえます。ひとことで言ってしまえば、binding problem関連ですな。 そしてこの論文では、そのような視覚と聴覚との同時性の確立がその別々の時間に処理されたものを同時である、というふうに再構成している、という視点に立ちます。つまり、視覚の処理が行われた時間t1と聴覚の処理が行われた時間時間t2が経験上同時であったとき、この処理のずれt1-t2がゼロであるようにrecalibrationされている、という仮説を立てます。重要な点はこのrecalibrationがそれまでの経験によってcalibrateされているということです。よってわざとこの同時性をずらしたような刺激を使ってやってそれにadaptationさせるとこのrecalibrationが起こって同時性の基準がずれる、というのがこの論文でわかったことです。うーむ、面白い。そんなに重要なことが日常の経験から決められているとは。 この話は物体が近くにあるときの話なのだけど、もちろん光速と音速の違いによるcalibraionの問題というのもあることでしょう。
- "Automatic avoidance of obstacles is a dorsal stream function: evidence from optic ataxia." "The visual brain in action"をGoodaleと書いたDavid Milnerです。Parietal cortexにlesionのある患者さん二人へのテストの結果です。これについてはまた。
- "Deficits in saccade target selection after inactivation of superior colliculus." Edward L Keller @ The Smith-Kettlewell Eye Research Institute。これについてはまた。
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- / 投稿日: 2004年07月07日
- / カテゴリー: [Papers_unclassified]
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