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■ Asynchronous State

「EIバランスによって"Asynchronous State"ができる」という話題をJCで採り上げることにした。でも実験データ自体は「同時記録した100個のニューロンのスパイク相関は予想外に低い」これに尽きる。どうしたものか。

EIバランスによってカオスができることとか、刺激応答によって応答のばらつきが落ちることとか、こういうことちゃんと考えて、resting-stateでの神経活動のスパイキングニューロンネットワークのモデルを作れるようにちゃんと理解したい。

Okun et alのほうもただそのとき同時に記録できたもの(サイレントな集団は無視している)をpopulation couplingとして捉えるということで、なんだか判然としなかった。重要だってことはわかるし、計測のほうが追いついてないって事情も分かるのだけど。


JCの準備終わった!けっきょく、spikeはirregularである(Softky & Koch) => EIバランストネットワークでirregularなパターンが再現できる(van vreeswijk and sompolinsky 1996) => このネットワークでregular<->irregular / sychronous<->asynchronous という関係をモデル化できること(Brunel 2000) => ではin vivoでもasynchronousなのか=> Renart 2010 in vivoデータ => ではこのようなasynchronous state (というかlow spike correlation)はなにでできるか => Eの活動をIの活動がちょっと遅れてトラックするから(Renart 2010 IFモデリング) => このようなdecorrelationの意義は? =>弁別をする際にnoise correlationを減らすことで効率のよいdecodingに寄与する、というストーリーにした。

Renartに持ってくるところが強引だが、そもそもこの論文、asynchronousであることの証拠にspike correlationしか出てこないので、それをフェアに評価しつつ紹介するとしたら「モデル側ではasynchronousであることの計算論的意義とかは散々言われてきたけど、それをin vivoで100個のスパイクを同時に記録して示したのは初めて」というところを強調することになりそう。

ほんとうはもっとEIバランスとカオスとか、EIバランスと各種疾患の議論とか、そっちに伸ばしたかったのだけれども、そのまえに実験的事実と理論的裏付け自体に時間をかける必要があることに気がついた。


Henry Markramのcell論文が出てくるのとScientific Americanでの批判記事が出てくるのが同期してるってのはなにか深いわけでもあるのだろうか?

Fig.17でRenart et al 2010の再現をしている。これ自体は(dendriteなどの構造を考慮しない)LIFニューロンのネットワークで再現可能なので、オーバースペックではあるのだけど、ともあれ自発発火のレベルまでちゃんと再現してくれている。


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