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■ 生理研研究会2018 「認知神経科学の先端 知覚学習と運動学習」要旨集アップロードしました
恒例の生理研研究会 「認知神経科学の先端」ですが、2007年からスタートして今年は第9回目となりました。今年のテーマは「知覚学習と運動学習」ということで名古屋大学の柴田和久さんといっしょに準備してきました。とりあえず基本的な情報は以下の通り:
- 生理学研究所研究会 「認知神経科学の先端 知覚学習と運動学習」
- 日 程:2018年9月21日(金)~22日(土)
- 会 場: 自然科学研究機構 生理学研究所 大会議室
- 提案代表者 柴田 和久 (名古屋大学・大学院環境学研究科)
- 世話人 吉田 正俊 (生理学研究所 システム神経科学研究領域 認知行動発達研究部門)
- 所内対応教官 磯田 昌岐 (生理学研究所 システム神経科学研究領域 認知行動発達研究部門)
講演者 (アルファベット順、敬称略):
- 古屋 晋一 (Sony CSL)
- Takao Hensch (Harvard University)
- 牧野 浩史 (シンガポール南洋理工大学)
- Ben Seymour (NICT)
- 柴田 和久 (名古屋大学)
- 岡本 仁 (理研CBS)
- 牛場 潤一 (慶應義塾大学)
参加費無料。ポスターセッションあります。 参加申し込みは研究会webサイトから: http://www.nips.ac.jp/%7Emyoshi/workshop2018/
問合せ先:吉田 正俊(生理学研究所)
これまで生理研研究会「認知神経科学の先端」では、認知神経科学の重要なトピックについて学際的に講演者を選び、参加者が異分野交流と活発な議論が出来ることを狙いとして開催してきたわけですが、さまざまなテーマに通底するのは「意識」でありまして、意識を研究するにあたって必要なテーマ全てに手を伸ばしていこうというのが私自身の個人的な狙いです。 この点について2015年の生理研研究会の記事で書いたことがあります。
今年「知覚学習と運動学習」をテーマに選んだのは、意識経験の変容を伴う可塑的変化に興味があったというのがひとつです。テーマを「可塑性」とするのもありだったわけですが、シナプス可塑性のようなミクロなレベルよりも個体のレベルでの変化に関わるものに絞りたい、そして、認知的な学習や記憶に関わる部分とはべつの現象として「知覚学習と運動学習」を強調したいということでこのようなテーマになりました。
このような興味を元に講演していただける方を探しました。まず運動学習ということでBMIを通して基礎から応用までをつなげようとしている牛場 潤一さんと音楽訓練という感覚運動統合の長期的可塑性を研究している古屋 晋一さんにご講演をお願いしたい、というのはかなり早い時期に考えていました。
知覚学習側としてはperceptual learningの脳内メカニズムをやってきた柴田 和久さん御本人に講演していただくところまでは考えていたのですが、 知覚学習として視覚以外のことをやっておられるのは誰だろうと考えて、painをやっているBen Seymourさんにお願いした次第です。それから知覚学習ということでは発達での可塑的変化が重要トピックだろうと考えたわけですが、Takao Henschさんに来ていただけることになって非常にラッキーでした。
これでだいたい研究会の骨格ができたので、あとは分野の多様性を上げたいと考えて、たとえば計算論の人に入ってもらうかと考えていたのですが、そのときに牧野 浩史さんが知覚学習と運動学習の両方について2光子Caイメージング法を使って共通原理を探そうとしているのを知って、これはぜひお願いしたいということになりました。牧野さんは今年日本神経科学学会奨励賞を受賞されております。おめでとうございます。そして最後に公募講演枠を募集したところ、zebrafishで感覚運動変換について計算論を組み合わせた仕事を岡本 仁さんにお話いただけることになりました。そういうわけで計算論についても充実してきました。
第9回目となる生理研研究会ですが、これほどのメンバーにご講演いただけるという意味で今回はかなり特別な会となるのではないかと思います。開催まで2週間をきりました。ポスターでの参加もぎりぎり前日まで受け付けてます。ぜひ参加してください。
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- / 投稿日: 2018年09月09日
- / カテゴリー: [生理研研究会2018「知覚学習と運動学習」]
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