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■ 「そのハウスに滑り込みな」

前回の続き。The 13th floor elevatorsの曲でいちばん好きなのは2ndの第一曲目、"slip inside the house"だ。とはいえ1968年生まれなもんで、最初に聴いたのはPrimal Screamによるカバー(Screamadelica 1991年)。こっちは歌詞も変えられているし、曲としても短いが、すごくよい。このアルバムの中でいちばん好き。

でもって、オリジナルの方は8分あって、ロッキー・エリクソンのボーカルのただならぬ雰囲気に圧倒されて曲を聴き終えてしまうという名曲なんだけど、歌詞の内容はさっぱり理解せずに聴いてきた。本腰入れて調べてみようかと辿っていたらこれを見つけた。A QUEST FOR PURE SANITY - THE PSYCHEDELIC POETRY OF TOMMY HALL

このサイトが指摘しているように、この曲の歌詞の特徴は、オカルトチックな混淆主義だ。歌詞から単語を拾ってみよう: bedouin / Alpha / disciples / caravan / Noah / baptismal / Twice born / gypsies / Maya / angels' mine/

われわれ日本人はこういう「ムー」的なものの帰結をよくよく経験しているわけだが、ここではそれには言及しないでおく。

曲全体としては、これはお経みたいなもんで、enlightenmentの過程をステージごとにさまざまなイメージを示しながら、the houseを見たならば通り過ぎずに潜り込め、と繰り返し喚起する。

"the house"という隠喩についてはこんなことが書いてある:

This is what each "house" means: it is a temporary state on the way to illumination, but a state that should be cherished and accepted -- slipped into -- rather than dismissed.

曲全体としては「出のススメ」みたいなもんなんだけど、「入 "inside this house"」になってるってところも面白い。

曲のラストはこんな感じ。試訳:

「一つ目の人々は君臨などしていない、彼らは同じところで行進しているだけだ、それも二つ目の人々が秘法を学びその力に満たされるまでのこと、三つ目の人々は文句は言わない、望むところでヨーヨーできるのだ。三つ目はお前が通りすぎたこの「ハウス」に滑り込んだのだ。お前も通り過ぎるなよ。」

三つ目が開くってのはヨガでチャクラが開いちゃうやつ。これはこじつけでもなんでもなくて、このアルバムの裏表紙にはヨガのチャクラの図が全面に示されている。(じつはそっちをこのアルバム(Easter everywhere)の表紙に持ってこようとしたのだけれども、あまりに一つの宗教へのreferenceが重くなってしまうという指摘を受けて変えたそうな。)

「ヨーヨー」ってのは、要するにアップとダウンを繰り返すってことだろうねえ。いつでも、どこでも。

このサイトも参考になる。Songs I Wish I'd Written: "Slip Inside This House" by the 13th Floor Elevators


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