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■ 和音の幾何学

Science 7/7号。"The Geometry of Musical Chords"
和音を空間上の点として幾何学的に表現して、和音の進行を空間上の動きととらえる、とかそういう話で、ものすごく惹かれるのですが、読んでいる時間がない。そのうちScientific Americanあたりででも紹介されたら読んでみることにしようかと思います(なんか、きれいなグラフィックで表現されてる様子が浮かびます)。単行本出ないですかね。
Perspectivesの"Exploring Musical Space"はenhancedバージョンになっていていろいろリンクされてます。それをみると、そもそもこのような音楽の数学的表現という分野がすでにあって、tonnetzという単音間の関係(=音程, pitch)の空間表現(ドーナツ型=トーラスになるらしい)があるらしい(Wikipediaのエントリ)。そういうのを踏まえた上で音程から和音へ拡張して、和音をorbifold(多様体をさらにgeneralizedしたもの、Wikipediaのエントリ)の中の一点として表現する形式を作りました、というのが今回の論文らしい。幾何学的、といってもかなり抽象的で、多様体とかトポロジーとか群論とかそういう世界らしい。
著者のサイトではChordGeometries 1.1っていうソフトウェアも配布してます。Movieもいろいろあって、おもしろいです。
部分部分で興味を惹かれるネタがあります。Table 1での、オクターブを3等分、4等分、5等分、6等分、7等分していった時を近似する音の組み合わせがXmajor, X7, X9, X11, X13と基本3和音の上にテンションノートを重ねていったものになるんだーとか、たぶんこれ自体は新しいことではないんだろうけど、知らなかったんでおもしろい。
Supporting InformationのFig.1ではcircle of fifth(5度圏: Cから完全5音ずつ上がってゆくと、G,D,A,E,...と重複せずにすべての音程を巡ってまたCに戻ってくるやつ。Wikipediaのエントリ)について言及してるようですし。
ま、わたしはロックンローラーなので音楽理論のことはわかりませんが(<-えー?)。

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# yureisoul

はじめまして、yureisoulといいます。いつも参考にさせていただいています。私は音楽理論について無知ですが、こういう話は大好きです。和音の遷移パターンの解析にも郡論が役に立つんですね。しかも曲がった商空間を導入しているところがなかなか興味深いです。快-不快と協和音-不協和音は関連があると言われていますので、たぶん音楽の幾何学構造と人間の知覚の構造にはなんらかの関連があるのではないかでしょうか。将来的にこのような研究と脳研究がつながったら非常に面白いと思います。

# pooneil

どうもありがとうございます。「機械仕掛けのこころ」http://yureisoul.blog49.fc2.com/巡回先に入れてます。「君と僕とのKLダイバージェンス」おもしろかったですよ。ふたりの距離は同じように見えて違っている、味わい深すぎる。んでもってコメント見て、あれ、みたいなかんじで。
協和音-不協和音についてもこの論文でやってるみたいですがまだ読んでません。その手前のところでおもしろくなってきたので、またエントリ作りました。ぜひごらんいただければ。


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