« Journal of Cognitive Neuroscience 11月号 | 最新のページに戻る | JNS 12/15 »

■ Neuron 12/16

Christopher D. Chambers, Mark G. Stokes and Jason B. Mattingley "Modality-Specific Control of Strategic Spatial Attention in Parietal Cortex." Volume 44, Issue 6, 16 December 2004, Pages 925-930
Jason B. Mattingleyはこれまでにもいろいろ出てきました。今回は視覚での注意課題と触覚での注意課題とでTMSの効果を調べています。二つのタスタスクでの視覚と触覚の刺激は同じになるように統制してあって、視覚と触覚のどちらに注意を向けるかどうかだけがこの二つのタスクで違うようになっています。んでもって、TMSをinferior parietal cortex(supramarginal gyrus)に加えたときには視覚の注意課題に影響が出て、触覚の注意課題には影響がでない、と。だからsupramarginal gyrusは視覚の注意のみに関連しているのであって、視覚触覚といったモダリティによらない抽象的な注意の機構に関わっているのではない、と結論付けています。
ちなみにsuperior parietal lobuleやtemporoparietal junctionやangulara gyrusをTMSしても視覚注意課題、触覚注意課題両方とも効果はないとしています。これは例の半側空間無視の原因部位の議論と合わせてみると面白いものがありますが、ちょっとtemporoparietal junctionと言っているところがあまりに前すぎるような感じがします。
また、触覚注意課題でTMSが効く場所が同定されていません。つまりdouble dissociationさせることに失敗しているのです。よって彼らの結論はそんなに強くない。触覚課題がTMSが効くような条件設定がされていなかっただけの可能性があるのですから。


お勧めエントリ


月別過去ログ