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■ 書籍「行為する意識: エナクティヴィズム入門」著者の対談動画をYoutubeに掲載しました

著者の吉田正俊と田口茂による対談動画をYoutubeに掲載しました。この本についての補足事項や、執筆風に考えたことなど、ざっくばらんに話をしています。(1)-(3)まであって、トータル100分弱です。

(1) 行為的媒介とは何か。関係一元論ではない。差異はなくならない。消費し切ることはできない。生きているものが持ち続ける不安定性(precaliousness)。循環的な意識の捉え方。因果的な説明の図式から、並行してプロセスが続く図式へ。AI時代でそれはより必要になる。

(2) 弱い因果のつながり。ビリヤードボールの連鎖から、メトロノームの同期へ。関係性のネットワーク重視による相対主義の闇へ。「現実は幻である」というのは関係一元論の帰結。エナクティヴィズムでの「自分で自分の価値を作る」という考え。でもエナクティヴィズムはオルタナティブではない。今後メインストリームに入ってくる話であり、現在のAIに貢献しうる考えである。本書執筆の経緯。予測誤差消費理論ができるまで。オートポイエーシスの脱神秘化。

(3) 将来の課題。状態と過程。アクティブ・ヴィジョンについての掘り下げ。潜在性の掘り下げ。観察的媒介でない形での意識の解明。意識の科学の進歩によって科学が変わる。GNWTとIITの敵対的協力論文。ニセ科学レター。ベンジャミン・リベットの運動準備電位。運動についても自分に揺らぎを作りながら、生物の自律性に根付いた、運動を生成している。ここに「生命の自由」ができる。AI/LLMはなぜうまくいっているか。「当たってる感」とはいったいなにか。

以上です。


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