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■ 国際研究集会「メタ認知とuncertainty」予習シリーズ:SEFで見つかった、メタ認知の神経相関
JCでMiddlebrooks & SommerのNeuron 2012"Neuronal correlates of metacognition in primate frontal cortex"をとり上げた。
彼らはそれの前のJEP2011"Metacognition in monkeys during an oculomotor task"でサッカードによるconfidence judgement課題の行動結果を出している。マスキングのSOAで難易度調整してサッカードのlocalizationをしたあとでhigh betかlow betか選ばせる。SOAを短くすると正答率も下がって、high betの割合も減った。
だからマカクでもちゃんと難易度によってbetの割合を変えていると言うことになる。でもそれだけでは足りなくて、SOAをモニタしているだけかもしれない。だから同じSOA内で正答と誤答でのbetに比率を計算して独立でない(正答のときにhigh betが多い)ことを示している。サッカードの応答潜時をモニタしているわけでもない。
ここまで抑えた上でNeuron論文の方ではニューロンを記録している。betの違いによって発火が違っていた(ニューロンの発火が[correct - high bet] > [correct - low bet]となっていた)のはSEFだけ。
しかし二つの難点があるんではないかと思う。
1) CH > CLはreward anticipationで説明できるのでは? じっさいSEFニューロンはreward anticipationで活動がmodulateされる。おなじcorrectでもhigh betのときはlow betと比べて報酬期待が高いと言えるだろう。著者はこれに対して、もしSEFのニューロンが報酬期待をコードしているのなら、CH=IHとなるはずだ(両者は報酬の量は同じ)。だがそうなっていないから、積極的に報酬期待であるとする理由はない、と議論している。これはダメだと思う。
CH=IHとなるのはSEFが報酬期待「だけ」をコードしている場合であるが、CHとIHではそもそもdecision phaseでサッカードしている場所すら違うんだから活動が違うのは当たり前。confidenceとreward anticipationを分けるのはかなり本質的に重要。
2) もうひとつの難点は、単一のSOAでCH > CLを示していないこと。行動の論文にもあったようにべつべつのSOAが混ざっているデータからはSOAによる効果を無視できない。著者はここでSOAによってphi correlationが変わらないこと、SOAによってニューロンの発火に差が出ないことからこの可能性を排除している。
でもそんな間接的なことをするよか、[CH-CL] * SOAs という2-way ANOVAにしてやって[CH-CL]のmain effectを示してやるのがいちばん直接的。たぶん有意差なかったんだろうって私は疑ってる。
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- / 投稿日: 2013年09月08日
- / カテゴリー: [生理研研究会2013「メタ認知の脳内メカニズム」]
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