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■ perirhinalでの刺激-刺激連合と刺激-報酬連合
2012/10/30
Science 2012 "Preference by Association"に関する話だけど、nhpではperirhinalには刺激-刺激連合記憶と刺激-報酬連合の両方がある。この両者をどう繋ぐかって問題になる。海馬関係はヒト、nhp、rodentsでいつも話が食い違う。
.@kosukesa なるほど「種による知識構造が違うのかも」これはあり得ますね。Empiricalな問題としても面白いところだとおもいます。
ただ、海馬周りに関しては連合学習にspecificな話でもないので、端的にrodentでは海馬に(電極で)アクセスしやすくて、monkeyではアクセスしにくい。ヒトではperirhinalは小さくて活動が見えにくい。このへんのサンプリングバイアスが話に混ざってる。
そういう意味では、最近のNature論文で出てきた、nhpでもentorhinal cortexにgrid cell見つかったってのは面白いと思う。
.@xmatumo 連合を形成している場所と、それをstoreしている場所が違うってこと? それはありうるとは思います。
.@kosukesa @xmatumo nhpでのlesion実験で、perirhinal cortexが刺激-刺激の連合記憶ニューロンの形成(連合記憶自体ではない)に重要であるという仕事があります。 PNAS1996
刺激セットAを学習した後で、lesionしてから刺激セットBを学習する。両方の連合記憶ニューロンが無くなる。視覚応答ニューロン自体は消えない。つまり、perirhinal cortexは形成にも保持にも関わる。
Perirhinalを両側性にlesionすれば、学習は出来なくなる。Gaffanの論文のどれか。もう10年近くこの分野から離れているので忘れてしまった。
.@kosukesa ここで見ているのはニューロンの活動だけなので、両側性lesionの結果を探してるんだけどすぐには見つからないです。
ラットではaquisitionだけに関わるって言ってる: Learn Mem. 2010
だんだん思い出してきた。まとめると、1) もともとnhpでは海馬+扁桃体lesionによって視覚連合記憶の形成が阻害されるという話があったのだけれども、それは海馬+扁桃体にアクセスするためにperirhinal cortexを損傷したせいだということが分かった。
2) Perirhinal cortexが記憶で、inferotemporal cortexが視覚で、二重乖離するという損傷実験 Buffalo et.al. 1999 (Squire陣営) Buckley et.al. 1997 (Gaffan陣営)で意見の統一したようだったが
3) Perirhinal cortexは視覚にも関わってるんだって証拠がいろいろ出てきた Annual Review of Neuroscience 2007 このあたりからフォローしてない。
Perirhinal cortexが刺激-報酬連合に関わるって話は Liu Z, Murray EA, Richmond BJ (2000) Nat Neurosci 3:1307–1315. この中で、線条体->Perirhinal cortexのドパミンが寄与してるってのを読んだときは正直信じなかった。(解剖学的に結合が弱いから)
@xmatumo さんが言うとおり、orbitofrontal cortexからの入力で考える方が尤もらしいと思う。鮫島さんの仕事にも関係するかもしれない。
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- / 投稿日: 2013年03月10日
- / カテゴリー: [内側側頭葉と記憶システム]
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