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■ 研究会無事終了しました
おかげさまで研究会の方は無事終了しました。予定していたことに関してはすべて行うことが出来ました。なんつーか、熱く議論する場を作る、ということには成功したのではないでしょうか。いろいろトラブルもありましたが、次回はいろいろ改善していきたいと思います。おおまかに時系列順に列挙していきます。
まず、初日の受付から。多くの方に来ていただきました。登録の連絡をいただいた方で74人、名簿に名前をいただいた方で101人となりました。第一回ということもあって宣伝が充分ではなかろうという予想で50人くらいの会を想像して場所を取っていたのですが、うれしい誤算です。会場が狭くて参加者のみなさまにはご迷惑をおかけしましたことをお詫びします。会場の方は机を取っ払って狭いところになんとか入ってもらったり、口演終了ごとに換気をしたりとか、不便なところをなんとか聞いてもらうという状態でした。今回一番の問題だったのではないかと思います。ただ、あんま広いところで閑散とした状態でやるよりは、研究会としては熱気が出るという面もあり、次に研究会を行うとしたら会場えらびをどうするかは考えどころです。(もっと広い会場も利用可能です。) ともあれ、今年よりはよい環境を準備したいと思います。
比較的若い方に多く来ていただきました。大学院生からポスドクくらいでそれぞれにすでに仕事が進んでいる、というかんじの方がボリュームゾーンではなかったでしょうか。わたしなどはどちらかというと年長者の方に入るんではないかというくらいのかんじです。これはもくろみ通りでした。いかにそういう層にリーチするか、宣伝が難しかったのですが、神経科学ニュースやニューロメールへの宣伝、それから講演者、指定討論者、国内のいろんなラボの方にメールを送って宣伝をお願いしました。飲み会でこのへんのことも話題になりましたが、ASCONEではポスターを作成して早めの時期に配る、というのが有効だったとのことでした。これは次回やるべきかなと思いました。日程と演者が決まったあたりで。あと、宣伝という意味ではこのブログもそれなりに寄与したのではないでしょうか。
議論を重視する、という形式は実現できたのではないでしょうか。さいしょに小川さんに研究会のコンセプトの説明、ということでスライド作ってもらいました。1) 演者から口演、2) 会場から「いっちょもんだろか」、3) 演者から「やれるもんならやってみい」みたいな調子で。来年もこのスライド使わせてください、なんて。
今回は山形大の鈴木匡子さんにスターターをお願いしたのですが、これがドンピシャきまりました。高次脳機能障害の患者さんの症例に基づいた注意に関する研究の話だったのですが、途中でバンバン質問が出まくって、演者の方にもそれをバンバン捌きまくってもらって、いいかんじに熱く双方向的なやりとりが生まれたと思います。参加している多くの方が生理学がバックグラウンドなので、患者さんの話についてはみんな素人的に質問することになるので、知る喜びと驚きとを持ちながら話を聞けたのではないでしょうか。だんだん眼球運動の寄与について話が収束してくるあたりとかもいいかんじに掘り下げて行けてたと思います。本当は同時失認と半側空間無視の両方について話すことを考えられていたそうですが、時間のことを考慮して(35分口演、20分質問という形式)同時失認だけに絞っていただきました。マテリアルの分量としてちょうどよかったのではないでしょうか。わたし自身の興味としては同時失認などのバリント症候群と半側空間無視とが注意の違った側面を表しているということから、注意とはなにかについて議論できるんではないか、なんてことを期待していたので残念だったのですが、そこまで行こうとしたら2時間は必要ですしね。
ともあれ最初の口演で、どんなかんじで進めていけばいいのか、演者、座長、オーディエンスのあいだでコンセンサスが得られたかんじがあって、熱い空気を持続しながらいけたのではないかと思います。あらかじめ演者の方には、「途中で質問有り」の形式でお願いしたいということで了解をいただけたので、こういう形式が可能になりました。感謝しております。来年もぜひこんなかんじで。
生理学者のトークのときにはなかなかつっこんだところまで話が進んで、これもよかったです。ハイライトとしては、小川さんの口演のときにみんなTirin Mooreの話を踏まえた上で議論が進む、という場面がありました。こういうメンバーならそう来なくっちゃ、というわけでこれも満足。こればっかりでも、オーディエンスが置いてけぼりになる可能性があるので、バランスが重要なのですが。
マイクのトラブルがあったり、たて長の部屋だったので後ろの方が質問が聞きにくい、とかいくつか問題がありました。気軽に質問しやすい環境を作るという意味でも、このへんは改善すべき点です。
予定から1時間遅れでポスターセッションへ。ポスターセッションの方は17人の方に応募してもらって、一部屋と廊下を使用して、1時間。時間の方は足りましたでしょうか? そのままその場で懇親会というのはなかなかうまくいったのではないかと思いました。そのまま語る雰囲気を持ち越すことが出来たという意味で。移動すると話がとぎれてしまいがちだと思うんです。飲みながらポスター説明している、というのはあまり見られませんでしたが。
懇親会には57人の方に参加していただきました。研究会の運営役としていちばん気を遣ったのは懇親会についてでした。直前の一週間はサイエンスよりも懇親会の予算の方が気になるってくらい。若い人が多い研究会ですから、いちばん危惧したのは始まって30分ですべての食べ物が食い尽くされてしまうというパターンです。直前にピザを注文したり、ビールの本数を増量したりして臨んだのですが、意外なことにみんな語り続けて、ぜんぜん食べ物が減らない。若いといっても、トレーニングコースのように大学生が大半というかんじではないからでしょうか。7時15分から9時まででいったん中締め、そのまま語り続けて10時で撤収。ほっとけばみんな夜中までそこで話してそうな雰囲気でしたが、片付けをしなくてはならないので。
食べ物と酒と人間がそのままラボのお茶部屋に移動してさらに話が続く。終了1時半。そこからさらにカラオケ屋に行って4時まで。わたしはアジカンとか木村カエラとか絶唱。なぜかw70-80年代縛りみたいになって、わたしもオフコースの「さよなら」とか肩組んで歌いました。ってか肩組んで歌う歌じゃないでしょそれ。「心の旅」とか「あの素晴らしい愛をもう一度」とかも歌声喫茶状態で。のど潰れた。二日目の演者の方も参加されていたんですけど、4時に解散してからそのあと1時間くらい話し込んでたそうです。酒豪すぎ。(「すごすぎ」とかけている。)
二日目は皆さんちょっとお疲れ気味だったでしょうか。っつーか、わたしは半日二日酔いで、調子が出てませんでした。酒もほどほどに、もしくはこういうときはタフさが必要ということで。
春野さんが口演のときにわたしが作成した講演者の参考文献のところに言及してくださいました。論文読んでないのがバレバレ。超冷や汗。
予定から45分遅れで終了。ご飯無しで2時ちかくまで延びてしまいました。このへんはプログラムを組む上でもっとうまくやれるところでした。皆さまほんとうにお疲れさまでした。
議論重視という、研究会として目的としているところが参加者の方にも共有してもらえたのではないかと思います。このへんをうまく継承しながらつぎに繋げていきたいと思います。研究会自体は毎年申請して承認されないと開催できないので、100%の確証を持って次回開催の予告をすることはできないのですが。
今回は提案代表者が小川さん、所内対応教官が伊佐教授、わたしが世話人という形で行いましたが、次回の研究会は理研の松元健二さんと一緒に行う予定になっています。ぜひ次回も多くの方のご参加と熱い議論を期待しております。
次回の研究会について、いくつかアイデアを練ってます。これについては次のエントリで。ぜひ皆さまのご意見もそちらに寄せていただければ。
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- / 投稿日: 2007年10月13日
- / カテゴリー: [生理研研究会2007「注意と意志決定の脳内メカニズム」]
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