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■ Binocular rivalryおよびgeneralized flash suppression その1
Logothetisのbinocular rivalryおよびflash suppressionでの神経生理実験をジャーナルクラブで採りあげました。詳細をきっちり押さえておこうというわけです。
そもそもLogothetisはbinocular rivalryを使ってなにをしたかったかと言えば、"neural correlates of awareness"を探したかったと言えるでしょう。もっとも、表現はそれぞれの論文でいろいろ違っていて、"subjective visual perception"だったり、"monkeys' percepts"をニューロンが反映している、だったり"neural activity reflects the brain's internal view of objects"だったり"conscious vision"みたいな言い方をしたりするわけですが。
んで、awarenessとはなにかというと、David Chalmersは"Conscious Mind"の中では"I define awareness...as the state wherein some information is accessible for verbal report and the deliberate control of behavior."みたいに言ってます。また、"Psychological correlate of consciousness"という言い方もしています。わたしは"Awareness is a functional aspect of consciousness."であって、Ned Blockのphenomenal consciousnessとaccess consciousnessという分け方のうちのaccess consciousnessの方を指すものという理解をしています。実験条件で言えば、"Awareness is reportable consciousness."というのがいちばん操作的定義に乗せやすいでしょう。Thompson and Schall のvision research 2001("Antecedents and correlates of visual detection and awareness in macaque prefrontal cortex" PDF)では"To identify neural correlates of visual awareness an experimental manipulation is required by which a visual input is constant but perception of that visual stimulus varies."と言ってます。かれらはbackward maskingでこのような状況を作っていますが、このような実験パラダイムを最初に作ったのがLogothetisのbinocular rivalryだったというわけです。
ちなみにbackward maskingのようなnear-threshold visionにおけるimplicit perceptionの実験は刺激がとてもfaintであるために、awarenessの報告が出来なかったときにそれはno awarenessだったからかweak awarenessだったからかという問題がつきまといます(これがASSCでも話題になっていた、Snodgrassらが関わっている、SDTを使った議論です)。いっぽうで、binocular rivalryやflash suppression、それからmotion-induced blindnessのような実験パラダイムでは刺激はとてもsalientであるにもかかわらず、これが消える。このことがものすごい利点なわけです。
Binocular rivalryとかの説明は省略。ラボでは通販で一枚80円で買った赤-シアンのanaglyph glassesを使ってデモしました。Randolph Blakeのラボサイトの図を使用。Flash suppressionについてはいい材料が見つからなかったのでGIFで自作。それから土谷さんのところのcontinuous flash suppressionのデモページからmovファイルを落としてきてこれも実演。
うお、前置きですでに長いのでいったんここで切っときます。また明日。
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- / 投稿日: 2007年07月09日
- / カテゴリー: [視覚的意識 (visual awareness)]
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