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■ Nature Reviews Neuroscience 5月号 Sugrue論文続報

"CHOOSING THE GREATER OF TWO GOODS: NEURAL CURRENCIES FOR VALUATION AND DECISION MAKING." Leo P. Sugrue, Greg S. Corrado and William T. Newsome

Nature Reviews Neuroscienceに[Newsome '04 Science 選択行動]スレッドで採りあげたScience論文の続報(というかDorris論文との関連づけのディスカッション)が載っています。 まだちらっとしか見てませんが、以前問題としていたSugrue論文とDorris論文との関連について議論していたところがもろに取りざたされているようです。私としてはLocal time scaleとglobal time scaleとを明確に分けて議論することでSugrue論文とDorris論文の間に一見あるように見える矛盾を解消する、というのは納得のいく感じがあります。

20050117のコメント欄にuchidaさんからコメント書き込みあります(レスポンス遅れてすみません)。最新のエントリでないとコメントが目立たないのでここに採録しておきます。uchidaさんwrote:

 ご無沙汰しています。新しい総説、Sugrue et al (Nature Review Neurosci., 2005)、ご覧になられたことと思います。知りたかった解析(Sugrue et al., 2004 のデータをDorris et al, 2004 の方法で解析すること)が出ていますね (Figure 7)!!! 少なくともこれらふたつのニューロンはとても似た振る舞いをしていることが分かります。Population data をきっちりみたいところですが、Newsome グループがこのニューロンを出してきたということは、お互いほぼ同じようなニューロンを見ていると考えるのが自然のような気がします。驚くべき一致ですね!!! 従って、今後はどのように解釈するかということが主眼になるかとおもいますが、そのあたりは今後のGlimcher の反論も含めてじっくりみていく価値がありそうですね。
 この総説で強調されている、local な解析・モデルが「メカニズム」により近いはずだから、グローバルな解析より重要だという主張は一理あります。しかし、図7は、expected value が task 中、グローバルに変動しない場合(以前私の書き込みで示したように matching task ではグローバルには expected value が変動しない)、ニューロンの発火頻度も大きく変動しないということをはっきり示しています。Newsome らに決定的に欠けているのは、Dorris et al. (2004) で行われた報酬量を変化させる実験、つまりexpected value をふる実験で、これをしない限り、localな細かな変動をあたかもすべてのように語るのは大きな間違いという気がします。大きな方手落ちです。 Dorris らが示したように、報酬量を変動させたときには local fluctuation よりもずっと大きな変動を起こすことが考えられるからです。そういうことから考えると、この総説の一方的な攻撃に反して、Glimcher らが結局正しいということになるのではないかという予感がします。この総説が、著者の意図に反して大きな欠陥をさらけ出してしまうのではないか。。。
 はたからみているだけでなく、自分もなにか面白いことを始めなければ。。。

けっきょくのところ、local valueとgloval valueとがどう関係づけられるか(行動的およびニューロンメカニズム的に)というあたりの解明が進めることがこの戦いに決着を付けるのではないかと思います。SFNでの報告を見る限り、Glimcherたちはbasal gangliaのニューロン記録も進めているようなのですが、そういう意味ではそれは正しい道のように思えます。


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