« 4_7_氏逮捕 | 最新のページに戻る | PLoS Biology 五月号 »

■ Trends in Cognitive Sciences 五月号

"The brain circuitry of attention."
Stewart ShippはZekiとずっとやってきた視覚野の研究者。いちばん有名なのはV2からV4へ行く経路(ventral pathway)とV2からMTへ行く経路(dorsal pathway)とがV2の中ですでにsegregateしていることを示したNature '85 "Segregation of pathways leading from area V2 to areas V4 and V5 of macaque monkey visual cortex."であろう。
で、ShippはZekiから離れたあとにV2,V3,MTなどのextrastriate cortexとpulvinarとの間の投射の解剖学的論文を出した。(The Journal of Comparative Neurology '01 "Corticopulvinar connections of areas V5, V4, and V3 in the macaque monkey: A dual model of retinal and cortical topographies."
今回のレビューはこのデータをもとにして、pulvinarを中心としたattentionシステムのモデルを作っている。かつてCrickが視床(とくにreticular nucleus)が大脳皮質の各領野と相互に結合を持ち、それらの情報を監視、統合できる可能性に注目して、視床がattentionのスポットライト的な役目を果たしているとする仮説をPNAS '84に出したことがあるのだが、今回のレビューはCrickのやつのアップデートバージョンであると言える。
で、いろいろあるのだが、けっきょくventral pulvinarがV1/V2/V4/TEO/TEといったventral pathwayへsaliency mapの情報を供給している。また、dorsal pulvinarやand mediodorsal nucleusからLIPやFEFへは情報が行っている。というわけで基本的にはextrageniculateのpathwayだけで話がつくようになっている。
大脳皮質の研究者は私を含めてどうしても大脳皮質だけで情報処理を考えすぎなのだが、response latencyなどのことを考えると、そんなに単純にfeedforwardでserialに情報が伝達されていると考えるだけでは、間違った方向へ進んでしまっているのかもしれないのだ。


お勧めエントリ


月別過去ログ