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■ J Exp Psychol Gen 02
"Separating sensitivity from response bias: implications of comparisons of yes-no and forced-choice tests for models and measures of recognition memory."(PubMed)
Andrew Yonelinas @ UC Davis。
こんど採り上げるのはこれの予定。私がやっていることがわかる人にはわかるチョイスのはず。というわけでSDTの勉強が必要(Green and Swetsで)。ちなみに電気生理の論文でよくみるROC analysisはたんなるノンパラメトリックな統計の指標としてROCやd'を使っているだけに過ぎず、SDTではない。今回の論文は真のサイコロジーの論文であり、SDTなのでどうやってbiasを操作しているかとかその辺から読んでいく必要あり。
YonelinasはRKジャッジメントパラダイムを用いて、recognition testで事象を(エピソードとして)思い出せるか(Remember)、たんに見覚えがあるか(Know)というふうに分けて被験者に答えさせることでrecognition testのうちrecollection(=episodic memory)が必要な成分とfamiliarityで充分な成分とを分離した。これはTulvingがepisodic memoryとsemantic memoryとを分離したのをより細分化し、より操作的な扱いをしていると言えると思う(TulvingもProc Roy Socとかでその分類をアップデートしている)。つまり、たんなるrecognition memory testをepisodic memoryのテストであるとはもはや言えない。この辺は前にも書いたけど、たんなるwhat-when条件でもfamiliarityで解けてしまうからepisodicとは認められないのだ。
で、このRKジャッジメントを使ってYonelinasはERPをやったり(PNAS '97)、neurologyでRとKのcomponentのdouble dissociationを見出したり(Nature Neuroscience '02 "Effects of extensive temporal lobe damage or mild hypoxia on recollection and familiarity.")と活躍中。なお、recollectionは海馬でfamiliarityは海馬傍回というのは尤もらしい。
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- / 投稿日: 2004年01月31日
- / カテゴリー: [Episodic-like memory]
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