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■ 保坂和志
世界の終わりとを読もうと思ったら「書きあぐねている人の小説入門」を発見。小説家志望でなくてもいろいろとピンと来るものがあって面白い。科学との比較から小説は個へとどんどん向かってくのを突き詰めるとこうなるのだろうと思う。手垢のついた題材で物を書いたり、クリシェを使ったりすることの問題が、未だ共有されない個を描くという目的から筋を通して語られる。猫を比喩として使うな、は小説家にしか必要ないかもしれないが、小説語を使うな、なんてのは文章を書く者全体に当てはまる。ただ、ストーリーの否定とか袋小路になっているところもあるようだし、ここは音楽や科学で比較して考えてみるとよいかもしれない。