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■ 上丘についていろいろ(4) motion selectivityつづき(+LGN)

生理研研究会初日、無事終了。だがそれとはまったく関係なく、書き溜めたエントリを公開モードにするのであった。


Neuron 2006 "The Parvocellular LGN Provides a Robust Disynaptic Input to the Visual Motion Area MT"これ見逃してた。

Callawayのrabies virusの仕事だけど、ふつうMTへの入力はmagno/konioだけだと思われているけれども、LGN(P) -> V1 layer 6 (Meynert cells) -> MTってのがあるそうだ。Schmidみたいな灰白質除去だと残るかも。

目的はそっちではなくて、LGNがどのくらいdirection selectivityを持っているのか、だった。つまり、motion energy modelの文献を読んだ限り、spatiotemporally separableな受容屋を持ったニューロンはどの方向にも応答する。

そうすると、たとえばon-centerのRFを持ち、posi-negaのinpulse応答を持つニューロンは白-黒のエッジがどっちに動いても応答する。ただし極性が反転すると応答が変わるが。あと、ST-orientedでないのだから、staticなものが最適刺激にはなる。

いっぽうで、経験上、SGSのニューロンはほとんどがon-off両方にtransientに応答する。つまり、on-centerとoff-center両方からの入力を受けている。だから、どんな方向の刺激でも同じように強く反応すること自体は説明できる。ただし、staticなものとの違いはわからない。このへんはSGSよりLGNのほうが研究が進んでいるはずなので、LGNのdirection selectivityを調べることにしよう。

catだけど、LGNでsecond-order motionに応答するってのがあった。"Temporal response properties to second-order visual stimuli in the LGN of cats" ただし、前述の通り、catとmonkeyではこのへんはずいぶん違うので留保が必要。spatiotemporally orientedであることは、spatial frequencyへのselectivityとconfoundするので、話がややこしい。

Vis Neurosci 2002 "Are primate LGN cells really sensitive to orientation or direction?" 20%で方向選択性あり。SGSとはずいぶん違う。

そんなにSGSとも違わないか。古いのに当たる。EBR 1979 "The responses of magno- and parvocellular cells of the monkey's lateral geniculate body to moving stimuli" 方向選択性はあまりない。Magno系はsharpなvelocity tuningがある。

@ichipoohmt direction(方向)は向きがあるから、もし0degを右向きに定義したら、180degは左向き。orientation(方位)は傾きだけだから、0degと180degの区別は無しで、横棒。

@ichipoohmt 神経生理学の場面だと、縦棒を右に動かしたとき(0deg)と左に動かしたとき(180deg)で反応に差があれば方向選択性がある。向きによらず縦棒に反応するけど、横棒には反応しなかったら方位選択性だけがある、という説明でどうでしょうか。


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