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■ 二つの視覚システム説についていくつか。

Goodale and Milerによる、DF氏の症例報告というのがあるんだけど、両側のLOが損傷したDF氏はvisual form agnosia (視覚形態失認)なので、形とか線分の角度とかそういうのがまったく分からない。だから、perception task (スリットの角度同定)はできない。それにも関わらず、visuomotor task (スリットへのカードの投函)ができてしまう。これを元にして、Goodale and Milerは背側視覚経路がvision for action、腹側視覚経路がvision for perceptionである、という「二つの視覚システム説」を提唱したのだった。(このへんについてはこのブログの「腹側視覚路と背側視覚路」のスレッドで繰り返し取り上げてきた。)

しかし、もっとあとに出版された、Goodale and Milerの「もうひとつの視覚」を読むと、DF氏は課題に習熟するに従って、visuomotor task (スリットへのカードの投函)だけでなく、perception task (スリットの角度同定)を解くことが出来るようになったということが書いてある。

これはどういうことかというと、「visuomotor taskでどのように手を動かすか」を想像してしまえば、そのときの手のイメージをperceptual taskに使えるというわけだ。

このように、vision for perceptionとvision for actionは密接に関連していて、vision for actionはvision for perceptionのおぼろげなものを作ることが出来てしまう。

たぶん、同様にして、盲視に関してもproprioceptiveなフィードバックが「なにかあるかんじ」を引き起こしているんではないだろうか、と想像している。

あらゆるaccess consciousnessにはどういうかたちであれphenomenal consciousnessが付帯する。もし「何かある感じ」というのまでphenomenal consciousnessに含めてよいなら。


(Ingle 1973の準備。)

Annu Rev Neurosci. 2008とか見てた。オタマジャクシ(tadpole)では視交差で完全に交差するけど(右目の入力はすべて左へ)、大人のカエルになるとほ乳類と同様、半交差になる。魚類、鳥類は完全交差で、ほ乳類は半交差。カエルだけ中間で面白い。

正確な分かれ目はしらんけど。両眼視が必要かどうかとかいろいろ要因はありそうなもんだけど。(今はじめて知ったことばかり。)

Ingle 1973思い出した。完全に忘れてたけど、これはtectum lesionしたあとで、ipsiの結合が出来た後で、contraの入力とipsiの入力を比べるって話で、単なるlesionじゃなくって可塑性の入る話だった。つまり、Hurrey and Noeネタに足せる。


Milner/GoodaleのDFさんの仕事とかでdelayがあると残存能力が落ちる(obstacle avoidanceとか)とかそのたぐいの仕事があるけど、これとmemory-guided saccadeとは同じように見えてかなりやっていることが違いそうだ。

とか思ってたら、DFさんでmemory-guided saccadeってのが出版されているのに気付いた。EBR2010 わけわからないのは、左右の刺激での差がある(両側性障害なのに)。MGS出来ないってのを強調しているけど、 チャンスレベルではない。


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