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■ Intrinsicな注意、extrinsicな注意

あけおめ。(フライング気味。)
「注意」について、また無防備に書いてみます。
注意の分類で、ある場所に注意を向ける"spatial attention"と、ある物体の属性に注意を向ける"object-based attention"みたいな分け方がありますが、あのobject-basedって言葉が気に入らないんです。ここでいう属性とはあるobjectにintrinsicな性質のもので、あるobjectの空間配置のようなextrinsicな要因に向けるのがspatial attentionであると考えると、intrinsicかextrinsicかと分類することが出来るのではないでしょうか。もしくは、object-basedとnon-object-basedに分けてみて、objectに向けた空間的注意と虚空に向けた空間的注意とを分けてみるとか、あるtime pointに向けた注意とかをnon-object-basedに入れるとか。なんてことはすでに言われているのだろうなあと考えつつ、ここからさらにひねり(脱線)を加えてみます。
言った舌も乾かぬうちからというかんじですが、では空間的配置というのは純粋にextrinsicなものでしょうか。物体は空中にとどまることはできないし、軽いものは水に浮きます。空間的配置はそのobjectのintrinsicな特性によって制限されるという意味においてpurely extrinsicではないわけですね。
そうして思い至ったのが、affordanceというものはobjectを外から操作してやるというextrinsicな要素へ変化を加えようとするものなのだけれど、そのobjectのintrinsicな要素によって制限され、形作られる。思えばaffordanceという概念はそのようにobjectのintrinsicな要素をその外まで引き延ばして考えるような思考法ではないか、というわけです。もう少し先に行けるのではないかと思うのだけれども、唐突にここで話は終わってしまうのでした。がーん。

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# viking

さすがはpooneilさん、affordanceに絡めるとは面白い視点ですね。そうしますと、attentionは常にそのobjectの持つcontextに影響を受けるということになるような・・・例えば、騙し絵か何かを見せられていて、AとBという解釈が可能な時に仮に被験者がAとしてか認識できないとしたら、Bにおいて○○(Aで物、Bで顔に見えるとしたらBにおける「目」とか)に対してattentionを向けろといわれても、被験者はたぶんできませんよね。ただ、それがcontextの処理だけを意味するのか、attentionのaffordance由来の挙動に関連するのかは、何とも区別しがたい気がします。


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